平成31年1月4日(金曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、平成31年、年頭の知事記者会見を始めさせていただきます。
 初めに、荒井知事よりご挨拶いただきます。よろしくお願いいたします。


知事年頭挨拶

知事:
 先ほど職員の方に言いましたが、年頭の記事も多少は書かないといけないから、それ向けにうまく言えればいいのですが、なかなか上手に仕立ててられないので自由に申し述べたいと思います。

 1つは、昨年大変お世話になりました。今年はお世話になりますと言うと何か個人的になるみたいだから、そうは言わないで、この場はとても大事だと思います。どのように大事かというのはまた一緒に考えて、私の流儀からすれば議論を吹っかけてるみたいなところがある。皆さんは取材だから、切り取って短く、早く、記事になるような言葉をということをいつも要求されておられるような気がしますが、なかなかうまく受け取れなくて申しわけありませんが、私としてはマスコミの人と議論することが好きなものだから、どうもそちらのほうに発してしまっているのを、何といいますか、おわびということではない、私の流儀なので釈明するみたいなことになりますけれども。

 さて、今年は、そういう流儀でいいのかどうかわかりませんが、これはこの場のつくり方ということになりますが、なぜこのようなことをするのかということも考えながらでありますが、世の中変化している中で、世の中の大きな変化に対して我々に感じるセンシティビティーがあるかどうかで随分地域の力とか、国の力とか、変わってくるように私自身は感じています。ということは、世の中の表面的な動きに追随しないで本質的な動きは何かということを見定めたいという気持ちが強いという、それは皆さんもその最前線に立たれておりますので、会話の中でそういうことを発見できたらという気持ちが強いと、先ほどの延長で立場を釈明させていただきたいのですが、それは私にとってはとても大事なことであります。

 世の中の動きで、その方向性を見る。星は星の方向って、星はもう勝手に動いて、先ほどの天体の暦の話ではないですが、こちらから見れば地軸の端に北極星があるから北極星は動かないように見えるわけですが、北極星自身も動いているかもしれない、宇宙全体が動いているかもしれないのですけれども、我々の見える北極星は動かないということでありますので、世の中の動きは、それも含めて非常に相対性原理みたいな気もします。今までの歴史を見ると非常に頭のいい人がいて、世の中の動きを看破した人がたくさんいます。看破した人の跡をたどって轍を踏まないというか、過ちを犯さない、考えて知恵を絞るというようなことは、後世の我々のできることであります。

 今上天皇が、平成は戦争がなくてよかったとおっしゃったのは、昭和は戦争の時代でありましたので、なぜ戦争が起こったのか、天皇はどういう立場だったのかという思いも深められてきたように感じるわけでありますけれども、そういう歴史も含めて観念的にならないで歴史を振り返って、平成が終わりますので、次の世代の時に日本の将来を深く考える立場が、それぞれ考えるのは自由ですので、考えるのが自由だということはとてもありがたいことです。考える自由を、とても尊い自由だと思って、それを活用して考えないとだめだということをさっきの年頭の辞でも言ったつもりですが、考えるのは世界中考えてますから、あの場におられる身になってなんて少し失礼な言い回しに聞こえたかもしれませんが、みんな考えないと、よその動きを見てるだけでなく、その動きは何なのかということを考えることができる情報が今ありますからということです。こちらの考えが、考えるのはその道筋いろいろありますけれども、世の中は今まで決定論的にこうだ、ということを言う流儀が随分はやってきた。

 ところが、去年の暮れにいただいた本を見ると、フランス革命の時に起こったのは数字の洪水だった、データの洪水。今、ビッグデータと言っていますが、数字の洪水があった。数字の洪水があった時にそれをどう受けとめるのかということは欧米が一歩進んだ。だから統計解析が進んだ。統計解析が進むと、過去のデータを数量的に分析して、今の行動経済学につながっていると思いますが、日本は数字の洪水に見舞われなかった。水の洪水に見舞われましたが、数字の洪水に見舞われなかった。数字を処理する風習が発達しなかったということが大きな、永井良三さんというお医者さんがそういう本を書いておられますが、これが大きな差で、数字を読み解くというのか、世の中を読み解くのに、エビデンスで読み解くことは我々不得手だとまず思ったほうがいいのかなと思います。

 エビデンスで読み解くことを各国で随分やっていて、すごいことをやっている。中国もやっていて、すごいことをやっている。我々日本がエビデンスを読み解く能力が欠けているのではないかということがとても気になる言葉ですので、読み解く中で、フランス革命で襲った数字の洪水の意味を日本はまだ受けとめていないと、永井良三さんがそのように言っておられるのはすごくて、その時に発生したのは、数字の洪水は決定論を言わない。こうあるべきだと、べき論とまた違うので、可能性論、選択肢を数字の洪水から発見できる、選択肢を発見できるということです。ラグビーでも戦争でも、選択肢を発見して、リスクの高いものを避けて、リスクの低い方を選ぶという、その戦術に欧米は使ってきたわけですが、いまだに日本はその戦術、リスクという概念が発達しなかったということを言っておられるので、これは非常に耳を傾けるべき言葉、観念論あるいは決定論的になってはいけないということ。

 こういうところで言っていることは、肝に銘じたいというつもりで言っているつもりですので、いろいろ発言する背景に、このような考え方を持ってますということをマニフェストしているつもりであります。そういう知識をこの時期、この年になってもいただくので、ありがたいなと、そういう論文を医療のおつき合いの中で送っていただいたので、ありがたい。医療は統計から発達したわけでありますので、医療の発達は決定論的におまじないで治るわけではなく、統計から治ってきたということをお医者さんの永井良三さんが言っておられるのを肝に銘じて、読み解くことに傾注できたらと思うところであります。

 読み解く作業を、こういう場でも時々時間をとりますが、議論を提起しながら、僕が聞きたいことは、皆さんはどう読み解いているんですか、と時々本当は聞きたいぐらいなんです。そういうやり方もあるのかないのかわかりませんけれども、そういう議論の場ではないとおっしゃるかもしれませんので主張はしませんけれども、私が望んでいますのは、そういう読み解く議論がある場があればいいなということは感じます。

 それはいろんな場で発生していますので、こういう立場はいろんな人と、学者さん、いろんな政治家、あるいは今はやりの検討委員会、懇談会、中央ではやりのいろんな会合でいろんな意見に出くわしますが、その意見の真贋を見極める。自分で考えている人だろうか、アメリカの論文で出たものを、あるいはアメリカのジャーナルで出たものを引き写ししているだけの人なのかと、いつもそんなふうに思って、立派な名の通った学者さんの意見も聞くようになっております。意外と引き写しが多い。横縦学者と昔揶揄していましたが、横のものを縦にする学者が多かったというような、奈良時代は縦縦でしたが、漢字を平仮名にしたりいろんな創意工夫で、本人が来てここで制度を作ってきたんだから、やっぱり翻訳者はいなかったくらいだから、そのように新しいものを突破してきた歴史も我が国ではあるので勇気を持って、今の地方分権の時代は地方が創意工夫していいと、地方創生と国が言っているんだから、考えないと地方にならないと思ったりする気持ちです。

 そのような気持ちで新年を迎えましたということで、またこのような勢いはもうとどまるかもしれませんが、続くかもしれませんので、本日の気持ちということでご披露させていただきました。お聞き苦しいかもしれませんが、勝手なことということでお聞き及びいただければ幸いです。所感ということで述べさせていただきました。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、ご質問のある方いらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いします。

知事:
 皆さんはどんなお正月を、体を休めるのはもちろんですが、何かニュースを見たり、感想がおありになりましたか。あんまりニュースが出なかったかな。

 雑談になりますが、今朝来て、マリ・クリスティーヌという、観光で多少おつき合いのあった評論家の方ですが、年賀状がわりのメールを送られてて、彼女はバチカンに行ったりほうぼうに立場を利用して行っておられる中で、現場に出るとニュースの変化をとても感じるということをメールで書いてて、日本に帰ると報道が少ないので、もっと報道して欲しいと。

 国際的な事象は、日本はなかなか難しい、外信の世界も多少知っててなかなか難しいのですが、しかしそのいろんな報道を読み解くのは田舎でも私はできると思って、刺激するわけではないですが、ローカルな人はローカルなことだけ注目しないといけないルールはないんだから、ローカルにいてもグローバルのことを注目して考えてもいいんだということは、皆さんでない、私の立場では多少肝に銘じて、それでないと世の中の動きがわからない。足元の動きを見るのに、天体観測も要るかというような気もしますので、そのように刺激されて新年を迎えたと、明日からまたトーンダウンすると思いますが、そんな刺激が入ってくるので、一時そのような方向で活性化するということであります。

 皆さんは、あまりニュースを見るのも、刺激されて嫌なんじゃないですか。こんなニュース、またデスクが何か言うとか。あまりニュースづけの中の世界、職業だと、みんな見てという気にならないかもしれません。よく分かりませんが、こちらだとあまり仕事に関係すると、仕事関係のニュースはやっぱりどっか張りついてくるような気がします。奈良に将来関係するデータは物すごく張りつきます。情報収集して、体系的に整理してということが組織の仕事だと思います。それを職員の方と一緒にできたらと思います。その中で動きを間違わないように。

 今ありがたいのが、意見は自由に言うことができる。全く違って、えっというような意見も自由に言える。それは何か将来意味があるかもしれないというのは、その時はあまり大きな、何か世の中を動かすことがニュースみたいになるとまた少し違う、そういうきっかけは種みたいな、種にもならないような話かもしれません。それは取り上げるという目も至りませんけれども、そういうものを感じて注目する、そういうことがあったんだということを覚えておくということも我々の仕事ではとても大事なものですから、世の中で。こちらで、あるところまで思いついて、こんなんどうだろうかと言うと、結構そんな初めての考えではないです。地方でそういうことをやっている人がたくさんいる。ただ、報道されなかっただけなんですが、雑誌等いろんなところではもう書いてあるのが、へえって。そんなこと書いてありましたって、他でもやってますってその都度教えてもらうような状況なので、いろいろ世の中の進歩に追いつきながら、何か動きに遅れないようにということが精いっぱいのような気もしますが、そうしていないと世の中取り残されるというような恐怖、地方として取り残されては嫌だと思って過ごしてきました。

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質疑応答

今年の抱負について

時事通信:
 お正月を過ごされて、いろいろ考えられたと思うんですけれども、今年一年間を、まだ県政が続くかわかりませんが、こうしていきたいといった抱負や具体的な目標等ありますか。

知事:
 よく勉強したいというのが目標ですが、この立場は世の中の動きをどのように読むかで随分違ってくると思います。例えばトランプ政権の動きが日本にどう影響するか。トランプ政権と中国との関係が日本にも影響するとか、経済の面で心配するとか。

 みんないつも、新年は挨拶でバラ色のことを言う人はほとんどいないね。厳しい、厳しいと言う。だから二階(敏博)先生(自由民主党幹事長)が、新年ぐらい厳しいなんていう言葉を使うなと何度もおっしゃってた。新年会の挨拶に、厳しいと言うなと。楽観的なこともいけないけども、厳しい、厳しいってもう二言目に言うからって二階さんが言ってたことがある。

 どういうふうに厳しいと思うのかという点が大事だと思うんだけどね。どういうふうに厳しいのかという点でもう少し考えが出ればいいのにと思ったり、厳しいのかどうかもわかんない。すると、それはリスクのアセスメントということになると思います。

 それと最近言われるのは、リスクは読めるけども、不確実性は読めないと。ブーカ(VUCA)という、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という、世の中、不透明性が増していることを表した、これはアメリカのマスコミか学会の造語だと思います。その中で不確実性と日本の識者が言っているのは、ブーカということかなと思う。アンビギュイティー(曖昧性)というのは、あれだけ行動経済学で読もう、読もうとしている人たちがアンビギュイティーというんだから、わかんないんだなと。俺は読めてんだけどアンビギュイティーだといって世の中ごまかしてんのかなとか、歴史を読むとそんなふうにも考えるぐらいです。だから観念論を排して、ブーカになったら、ブーカはどういうとこがブーカなんだろうかとか思ったりね。こんな立場だからあんまり考えてばっかりじゃ。しかし、いつも足をすぐに出してしまうから、足をとめて考えるのも大事かなと思ったりもします。

 だから今の抱負というのは、プーチンさんが皇帝と言われたり、ジョンウンさんが皇帝と言われて、抱負と言われてこうするぞと言っても、状況でその都度判断されることも多いからですね。一年見通せる人はいまだにいないブーカの世界、それで反応したんですね。ブーカの世界だから一年見通せる人いないんだから、一年の抱負と言われても、というのがその感想。

時事通信:
 知事に質問すると、いつも不確実性が高くていらっしゃるので、返答が……。

知事:
 こんなことを言ってると記事にならない知事だということになる、真意をわあわあと言うのを、記事風になかなか一言二言で、限られた文字数で書けと言われても、世の中無理な時代になってるんだよね。アメリカとか、論文の記事長いじゃない。あれと流儀が違いますよね、字数数えると全然違うよ。あんまり読まないけど、最近、dマガジンでル・モンド(=フランスの代表的な新聞)とかアルゲマイネ(フランクフルター-アルマゲイネ=ドイツの日刊紙)とか、ドイツ語で読めないんだけど、そのタイトルとちょろちょろと単語を見ると、とにかく記事が長いよね。記事が長いんで、途中で切って次は何面に続くと書いてある。日本の新聞では1面が2面に続くけど、また、13面に関連記事はあるけど、途中から続くような記事編集、日本の新聞にないよね。どうしてだろうって。長い記事は書くなということかと。短くするのに皆さん苦労してるからね。ということは、本当の意味をどのようにとるかというのは、あのように書かないと、あれはクオリティー・ペーパー(エリート階層を読者とする質の高い新聞)だから、長く論文を書くことで読ませるということなんだろうね。

時事通信:
 いつも苦労してます(笑)。

知事:
 短くしろと言われてるから、苦労してるんだろうなと思うんだけど。

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広報マインドブックについて

時事通信:
 肝いりの県庁の広報マインドブック、どうなりましたか。

知事:
 広報マインドブックは、せっかくだから発行できたらと思います。広報はとても大事なので、広報は広聴にありと教えてきたから、広聴、今でいうとコミュニケーションですよね。せっかくだから(記者さんに)意見を聞いたりしました。失礼なことだったかもしれませんが。

 広報マインドブックを、今のこの立場、今の時代に合うように書き加えたりすることがあるのかなという感じで見てます。基本的なことは変わらないので。だから多少見ていただいたと聞いていますので、あれに手を入れて「奈良県行政広報マインドブック」のような形で発行できたらと思います。その際は、もし皆さんのクレジットいただけるならば、奈良県及び県庁記者クラブのクレジットでマインドブックというのをもし発行できたら、この時期しかそういうことはできないから、私の希望としてはそのようなこともあります。いや、そんなことまで責任負えないよと、勝手なこと書いてんだからということであれば、クレジットは奈良県庁だけでもいいかなと思ってますけど、一応そんなことも思いつきながら、ちょっと手を入れたらと思っています。

 県庁の行政広報マインドブックですが、新年だから広く考えると、日本国の広報戦略というのは昔から下手で、何とかならないかなという声が随分来るんだよね。広報というのは、中国はイメージを展開するというのも含めて圧倒的ですよね。これ国家がするのが基本だと思うんですが、結局昔の戦争も日本は広報戦ですごい劣後になって、国際世論をどのように動かすつもりかということが、あまり政府の中枢にないんですよね。政府には失礼な言い方だけどそのように思います。

 チャイナ・グローバル・テレビジョン・ネットワーク、CGTN(=中国の国営テレビ局の英語による国際ニュース放送チャンネル)というのが中国にありますが、中国に出張したときに、チャンネルを合わせるとそれがまず出てくるんだよね。英語版で見るんだけど、日本語はないんだよね。7カ国語ぐらいに違う放送があって、それが世界中のホテルに配信されている。NHKの人に、ああいうのを日本ではやらないのって聞くと、できないと言ってたけどね。政府の後押しがあればできるんじゃないかと思うんだけど、あれなかなか大変ですよ。BBCでもCNNでもね、世界の記事を編集するというのはとっても大きなことですから。なかなかそういう国際世論へのプレッシャーというかね、そういうのも日本は決定的におくれているように思いますが、そのようなことを奈良県行政広報マインドブックで思ってもしようがないんだけども。NHKさん、どうですか。

NHK:
 NHKも政府からお金もらってやってますのでね、その枠内でしか今やってないのでもったいないですよね。

知事:
 去年の暮れごろ、インドのモディ首相が来たときにも、総理ディナーに招かれて、横に座ったのは長谷川という内閣の広報官で、政権のいろんな広報活動をする日本の広報官かと思ってちょっと刺激したんだけどね。「NHKはやらないの?」とは言っておいたけど。意見を言うのは自由だから、地方から見た意見というのも大事だから。通らなくても大事ですよ、自由な発想の意見というのは。世の中に拾われるかどうかは別にして、とても大事で、そういう国柄ではあるかなと思うんですがね。だから発想自身どうですかと。いやいや、組織の長じゃないから、そんなの俺は決める立場にないというのが正解なんだけど。発想自身は、記者個人としてはどうですか。

NHK:
 伝えたいのはありますよね。ただ、奈良発のニュースを世界に伝えたいとか、そういう逆の思いもありますけど、なかなか奈良の人的資源だと……。

知事:
 世界を動かすような奈良発のニュースはないということかな。

NHK:
 いや、あるんですよ。あるんだけど、その発信力がない。

時事通信:
 荒井知事がもっと広報の爆発的なことをやってくれれば、世界に発信しますが。

知事:
 どうすればいいんだろうか。それが共通テーマだけどね。世界の世論に向けて発信するような広報というのは、地方でこういうふうにやればできるよという案があれば、この行政広報マインドブックに書いてもいいんだけども、ばかなことを考えていると言われても、やっぱり独自の体系立った意見を言うというのが大きいね。それと英語で書かないとだめだと思うんだよね、ネットでもいいけど、英語で書かないと検索されない。世界の検索は、やはり英語で検索される。日本語の検索マシンというのはないと思うんだよね。日本語のとても程度の高い、学術的な研究は拾われるけど、学術の研究もすごく広いのがこの関西でもあるように思うんですけどね、それが英訳されて発信するというのも一つかな。奈良県でやったら、また議会で怒られるかな、何やってんだって。

NHK:
 奈良県でやるとおもしろいと思いますけど。例えば、忍者を募集しますというニュースが世界中を駆けめぐって、応募が殺到したっていうのがありましたけど。

知事:
 ああ、観光のイメージでは役に立ってるんだよね、忍者って。

NHK:
 何かしら、奈良も英語のツイッターなり発信をして、それが世界にばあっと拡散して、世界中から注目をされるということがある。

知事:
 それはね、僕の見方からすれば、忍者というのが日本のイメージで海外にある。向こうのイメージに迎合している発信だと思う、僕の見方すれば。だから嫌なんだよ。

NHK:
 いやいや、一例です、別に奈良が忍者とは全く言ってないんで。

時事通信:
 オリエンタリズム的な。

知事:
 そうそう。だからそういうなのは、デービッド・アトキンソンが、何だ、おまえたちはと。自分たちで考えた本質的なことについて、海外の魂を揺るがすような発信できないのか、といつも刺激されるもんだから。奈良からもし、そんなことがあるとすれば何だろうかと。それは培った歴史とか文化のね、基本的なことになると思います。その宗教的なことを揺り動かすようなことがもし体系的にできたら大きな発信になると思います。発信は別に教団つくらなくてもいいんだから。

 アラビアでもイラクでもイランでもね、すごく独自の体系立った考え方が出るとね、ああ、ホメイニでもロウハニでも、ああ、こういう考え方なのかとテレビで直接聞くとその本質が多少わかるよね。ああいうようなキャラクターがないということもあるかもしれない。日本は、日本人はこう考えているんだということを、総理が言うのかな、普通はね。総理がCNNに日本人はこう考えてるんだと言えたらすごい発信力だなと。あんまりこんなこと言っちゃいけないと思いますけどね。我が国の発信力ということ。奈良県はやっぱり力は弱いけれども、何か体系立ってローカルから発信しても、注目するのは忍者か、何なのかと思うね。

NHK:
 でも、忍者で引きつけといて、知事の英語の会見をその横の動画に張っておけば、ああ、荒井知事はこんなおもしろいこと言ってるぞというのが世界に伝わるかもしれない。

知事:
 忍者と並べて(笑)。忍者の本質はおもしろいけども、日本人の本質だとは思わない。ファッションがおもしろいとか、クールジャパンも同じなんだけど、ファッションがおもしろいよという程度で終わってるんじゃないかという感じがします。西洋との格闘とか、ああいう悩みがずっとうまく発信できてこれなかったなという感じがしますね。西洋とどう折り合うかというのを日本人はどう考えてるのか。向こうは、意見が違っても体系立っていればね、なるほどと思ってくれる人たちが多いと思いますけどね。普遍的なものに迎合はしたいんだけど、ファッション的なものにあんまり迎合したくないんでね。

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県立高校および県有施設の耐震化について

朝日新聞:
 県立高校の再編計画問題や奈良高校の耐震化問題について、理解が進んでいない側面もあると思いますが、今年はどのようにその理解を得ていきたいと考えられますか。

知事:
 そうですね、再編問題から耐震化問題がすごく出てきたと思います。

 耐震化問題はそれ自身が大きな問題で、耐震化の問題は県有施設でもいろいろございます。どこまでしていないと危ないのか、みんな(Is値が)1.0とか0.7以上であれば安心ということではありません。高校だけでなく、ただ大丈夫かどうか、それをどこまでやるかという、全体のポリシーというものは確立できておりませんでした。

 それはひとえに予算問題だと思います。とてもお金が必要だからです。高校の耐震化というのは、どうするかというのは教育委員会が責任を持っておられます。また学校の生徒を預かってこの耐震化をどうするかということに説明される責めはずっと教育委員会としておありになると思います。しかしそれを知事として、説明が十分かどうかというのは、十分にしてくださいよということを言っているだけであります。

 また、耐震化を進めるのには予算を全面的につけていきたいですというメッセージは出してます。どういうふうに親御さんたちが理解されるかは、その説明とコミュニケーションの中で、それこそ観念的にならないで、現実的な道筋を探すしかないのではないかと思います。

 県としては、(高校の耐震化について)予算をつける立場であるということと、ほかの県有施設も耐震化問題を抱えてます。そのため耐震化問題については、次の来年度予算で、県有施設については全体としての大きな課題になると思います。これは当初予算の課題だということになりますので、その骨格予算の中では緊急を要するかどうかという判断も必要だと思います。本当に危ないのかということを、第三者に見てもらったほうがいいんじゃないかと思います。そんな感想です。

朝日新聞:
 第三者にというのは、奈良高校の話だけではなく、県有施設全体の問題ということでしょうか。

知事:
 県としてはそうです。特に気になるのは、予算の関係でできなかったり、西和医療センター(旧三室病院)の南棟、まだ耐震化していない文化会館、あれは奈良高校よりも低いと思います。

 逆に言えば、病院のほうが低くていいのかと言われそうですが、実は予算がなくてというのが正直なところです。予算がないと放っておくのかと、おっしゃるかもしれません。

 しかし、じゃあどのようにその予算をすぐに100億円も200億円も使えるわけでないので、どうするかというのを理解してもらわないといけません。ただ、どのように段取りをつけてやるかは考えておかないといけません。

 それぞれ個別にはずっと考えてきておりますが、体系立ってわかるように示す必要があると思います。先ほどの行政広報の分野かもしれません。それは当初予算の課題として今、検討をお願いしています。

毎日新聞:
 当初予算の考え方ですが、骨格とはいえ、先ほどのお話、その耐震のことでやるとなると、骨格でもなくなるのではと感じるのですが、それはいかがお考えですか。

知事:
 基本的には、純粋骨格というのがあるかどうかわかりませんけれども、4月から6月、予算を組むまでの間どう過ごすかが2月予算の基本的使命だと思います。今まではずっと続けてきてて、途切れなく続けないといけないなど、そう限定的につけてきたので、基本的にはそういう骨格になると思います。そういう意味の骨格性を維持すべきだと思います。やはり政権がかわりますので、新しい政権で、次の政権を担ったらというもちろんビジョンはありますけれども、現実に2月議会で出す予算ということになれば、骨格性のある予算でないと、何を考えてるのかと逆に言われるのが本筋だと思います。

毎日新聞:
 その中でも、県有施設の耐震化については重点的に手当てしていくということでしょうか。

知事:
 それは6月の当初予算(6月補正予算)でということですよね。当初予算(6月補正予算)のことはまだあんまり考えてませんという立場、当初予算(6月補正予算)ですよ。

毎日新聞:
 補正予算ですか。

知事:
 当初予算(6月補正予算)でしょ。

毎日新聞:
 6月……。

知事:
 当初予算(6月補正予算)ですよね、その新しい予算。緊急性をずっと続けてて、要するのがどこまで。例えば県立奈良高校などの補正、債務負担行為などもついております。その延長になると思いますから、2月予算で何か出るのかどうかというのはまだ聞いてません。

 県全体の予算というのは、2月予算で出さないで当初予算(6月補正予算)になるということを、私が言っているのはその点ですね。

 文化会館の耐震性をどうするのか、2月予算で、そんな危ない、今気がついたら危ないのではないかと言われると、それは当初予算(6月補正予算)の事項ではないかと思います。

毎日新聞:
 6月のほうでということですか。

知事:
 当初予算(6月補正予算)のことかと今は思います。政権交代というのはそういうことかなと。政権交代の時期、判断の時期というのは、やはり2月予算というのはつつましやかにするというのが基本ではないかなと私は思っています。県立高校の予算は、もう債務負担行為でついてますから。

毎日新聞:
 はい。

知事:
 2月にも追加で出るかどうかということはまだ聞いてません。県立高校の流れている継続性のあるものは、債務負担行為の中で実行するだけだと思います。

 世界の話をしても、ローカルのほうに関心がおありになる、それは当然でしょう。別に否定的に見てるわけではない。奈良から発信しないといけないから。

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奈良県や関西圏の今後について

日経新聞:
 冒頭、世の中が変化しているとおっしゃった、奈良とか関西における、日本における変化というのがどういうものだと見ていらっしゃるかというのと、あと数字を読み解くことに傾聴できればというようなお話あったかと思うんですけど、県とか関西に対してどういう数字を今年、まあ今年だけじゃないんでしょうけど、その読み解いて施策につなげるというようなプロセスにしていきたいかというのが何かもしあればお聞かせください。

知事:
 そうですね。1月に国交省が行っているスーパー・メガリージョン構想検討会で、リニア中央新幹線の関係自治体に所見を述べて欲しいと言われているので、実は年末その勉強をしておりました。

 すると、東海道新幹線ができて50年ですが、関西から見ると、一極集中が激しいじゃないですか、これは国のせいだという言い方もあります。しかし、それが正しいかどうかということを東海道新幹線沿線の50年の変化をちょっとデータを調べながら見ておりました。

 すると、50年で、東京都の人口の伸び率は上がりましたが、また下がり始めているなど、いろいろわかってきました。関東圏というと、神奈川は随分、人口の伸び率が上がっております。東京都に住めなくて近隣に住んだということは想定できるのです。

 もう一つは、県内総生産が、50年前は愛知、大阪、東京はすぐれておりました。その県内総生産の折れ線グラフが、東京都が(ずっと上がってきた)んですよね。リーマンで下がるけど、上のほうで下げ止まった。大阪、愛知は東京と比べて低く、愛知は大阪を抜かしているという状況です。

 関西の感じからというと、関西の地盤沈下と前から言われてたんだけど、東海道新幹線で地盤沈下が起こったのかというのがその検証の目的だったんだけども、そのような状況です。

 それと、都道府県税、今度の法人税改革につながったんだけども、都道府県税の収入の50年の変化というのは、東京都が断トツなんです。そのほかの県内総生産等と異なり、他府県と圧倒的な差が出ております。

 だから地方法人事業税の譲与税化というのも一つの大きな、そういうのを50年のトレンドを見ると、何か判断することが国としてはあるんじゃないかということですね。そういう見方を、関西から見るというのももちろん大事だけど、全体を見て、関西は東海道新幹線の数字の50年の変化を、リニア中央新幹線ができたときのビジョンをどう描くかというのを考えるのも一つ大事だというように思います。

 東海道新幹線ができたときの日本のビジョンは、東海道メガロポリスって、あそこに人口を集積させようというようなこと、あるいは企業を集積させようということでありました。東海道新幹線が一つの交流で、すごく華やかだったんだけど、ちょっともう少し詳細に分析しないといけないのだけれど、東海道新幹線でメガロポリスができたというわけでもなさそうだと思うのです。

 全国平均の人口の伸びよりも、静岡とかはそんなに増えておりません。増えたのは滋賀。京都はそんなに増えてないんだけど、新幹線の乗降客は京都がものすごく多いんだけども、滋賀が増えたのはやっぱり高速道路だと思います。高速道路で工業立地があったから、県内総生産もものすごく増えた。高速道路の影響も一緒に見ないと、産業立地とか人口の移動とか読み解けないんじゃないかという思いがします。

 このような研究をしている学者さんをいろいろ探して、いろいろな本を探して、観点を同じにする、観点というか視点のね、角度を同じことをする人を探して、その人に来ていただいて勉強するというスタイルを私自身はとっております。

 そういうふうに世の中を見立てる人が、幾つもの角度で見立てる人があったほうが、国の見る力というのは強くなるというような観点です。同じ方向で同じように見てたら同じことをしゃべってしまうから、日本人は一人に植えつけると同じことをしゃべる人たちだと思われているように思います。そういうことはもうやめたいというふうな気持ちが強いわけです。自分の頭で考えるならば、そういうことにならないというふうに思っております。

 地方分権が進み、地方は自分の頭で考えられるようになってきました。そのときに何をもとに考えるかというのは基本ベースのデータが要るということになってきました。今、みんなメガリージョン、メガリージョンって口をそろえて言うんだけど、何か昔から一次全総、二次全総って下河辺さんがね、俺たちは御用学者だと、こういって揶揄されていました。政権の動きですごくそうなっており、今も変わらないのですかと言いたいぐらいです。そうじゃなしに、自分の頭で考えた学者さんを見つけたいのです。皆さん、マスコミの人もいろんなことでよく書いてますよ。多少、中に落ちつきの悪かった人が、早くやめて暴露記事みたいなのを書くマスコミの人もいるんだけど、よく考えて取材してください。考えて取材するチャンスはあるのだから。

 お勧めしますよ、データをあげますから一緒に考えませんかと言いたいぐらいです。考えるのは自由なんだからそういうなのも我々には一つのチャンスです。別に社則、会社の規則にも反しないし、僕の立場の役割にも反しないし、考えて、いいことをしようということを、今朝も言ったように、いいことを考えると、将来に向かってよりいいことができる知恵が出るんじゃないかということだけだから、知恵を出し切っているかどうか日本はまだわかりません。

 今の世の中は、決定論的には言えないんだけど、数字は決定論じゃないですよと言いたいです。可能性のための確率データだということは、フランス革命からずっと欧米の中で、決定論じゃないということ、決定論的に数字を使いたがるメンタリティーが日本にはあります。日本人は本当に使ってないんだと思います。

 統計というのはそんなもんだということを永井良三さんが改めて書いているからです。数字が出ると決定論的に使うという風習は間違いだと私は思います。それを数字の使い方という意味で、先ほどの関西の立場をどう見るかと。まず読み解かないといけないというふうに思います。

 私は研究者じゃないから、東海道線の変化の努力は、にわか勉強だからそんなにいいデータとれません。しかし、そういう考え方もあるよということを10分のプレゼンだから、そこにそのようなデータも入れてプレゼンしたいと思って、ちょっと年末データとその本を集めて考えておりました。

 そのようなことはできる。ちょっと考え過ぎたかな、こんなことばっかり言うのは。もっと県立高校の耐震化は真剣に考えてますのでと言いわけだけをしておきますが、あんまり返事らしくはなってません。

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リニア中央新幹線

奈良新聞:
 リニアの後の50年後のイメージです。平成元年前後、四全総(第四次全国総合開発計画)の後のリニアということが、もうその時代から入っていて、大阪の担当もしたことがあって、関経連に行ったり、そういう取材もしていく中で、やはりリニアの話が出ていました。うちの会社としても動いたのが、あの当時出てきた第二国土軸という考え方などもあって、そういうことについてキャンペーンを張ったこともあります。

 だから、リニアというのはもうかなり前から取材対象になってきてたと思う。四全総の後や、それから当時あった第二国土軸が、いわゆる新国土軸とどこへ消えたのかとか、いろいろ今でも気になるのですが、あの時には、奈良を通って四国へというような話も出てきてたので、そういうことを受けて現時点で、例えば今、知事も勉強中とおっしゃるのですが、この時点まで来てリニアの50年後というふうに、若干でもそのイメージ的に知事が描いていることがあれば、お聞きできればと思うんですけど。

知事:
 十分じゃないと思いますけども、年末プレゼンするので考えてたテーマでもあります。全幹法(全国新幹線鉄道整備法)に基づき、リニア中央新幹線ができますので、全幹法による基本計画で経由地が昭和48年から決まっている。基本計画、整備計画、環境評価、工事施行認可というふうに法定に従ってやる。その法定に従って、建設主体、営業主体を指名しますよと、こういう法体系の中でJR東海が動いてきている。その中で奈良市附近というのはもう確定しているわけです。確定しているんですよ、皆さん。どっかで違う、確定してないかのごとく取材が時々あるのでむかっとするのですが。確定しているということをまず言いたい。

 先ほど四全総とかが、どういう精神なのかということを今考えて、東海道新幹線を勉強するのも、50年後のリニア中央新幹線はどうなるのかということを予測するための勉強だということですので、その中で、全幹法の精神というのは、多少古い言葉かもしれないが、国土軸とは書いていないが、全幹法で、国土への均てんとか総合的な開発という言葉がまだ出ている。今の時点での開発というのは何かということを改めて考えないといけないというふうに問題提起したい。

 スーパー・メガリージョンをやっている学者さんは、アメリカのことをいろいろ勉強して、ボストンだ、ワシントンだと、こう言ってるような感じがするが、日本の中での東海道メガロポリスと今度の中央新幹線、スーパー・メガリージョンにどのように関係するのかということは、あまり基本的な議論がないように思うので、ちょっと一石を投じたいというようなところがあります。

 そのようなことと関係なく、リニア中央新幹線のこれからの構想で、一つ取り上げたいと思ったのは、三全総です。四全総をおっしゃいましたが、五全総では国土軸だの、国家主導のインフラ整備はおかしいという声がありました。今度のスーパー・メガリージョンの国土計画局を中心とした動きには、そういう意図は感じられます。あまりそう考えなくていいよと、国家主導じゃないよということは言いたい。地方とのコラボで良い国をつくるというほうが良いのではないかということは言いたい。その中でリニア中央新幹線で大事だと思うのは、三全総ですね。大平正芳さんが言われた、それは田園都市国家構想、あそこの言葉をもう一回読み直しましたけど、奈良とかリニア中央新幹線にぴったりの言葉が書いているので、それを表現したい。都市には農村、森林の安らぎを、地方には都市の活気をというような言葉ですね。それは交流でできるよということを言っている。そういうふうに思わないと、スーパー・メガリージョンというのは東京、愛知、大阪だけみたいな感じで、間に長野も甲府も岐阜も三重も奈良も通るが、前の東京でのプレゼンでもそう言ったが、先生方はほとんど反応がなかった。

 スーパー・メガリージョンばかり見て、いや、もう少し広く見たらということをプレゼンの基軸にしたいと思うのですが、それは都市と農村、森林を結びつける。ハイデッガーのような人は森にしか住まなかったが、あれだけのすごい哲学を書いた。ハイデッガーは森にしか住まない、ベルリンには行かなかったそうで、ヒトラーに近づかなかった。森の中で考えて「存在と時間」という立派な哲学書を書いた。世界から講演に来てくれと言われるような哲学者は田舎からしか出ないんじゃないかと思う。そういう独創的な哲学は、田舎からしか出ないんじゃないかというふうに思います。

 それと、リニア中央新幹線は田舎のメンタリティやカルチャーを結びつける。都市に田舎の、地方の安息を。田舎、地方に、都市の活性化を。都市は様々な情報がわあっと回る。田舎には情報はそんなに回らない。情報が回ってくれば、すごく活性化する。田舎にも人物はいるよということを日本はもっと発見しなければいけない。高速鉄道があると、時間価値の高い優秀な人が世界から寄ってくる可能性がある。

 それと、もう一つ言いたいのは、インバウンド。大都市を、スーパー・メガリージョンだけではなく、大都市間を結ぶだけではなく、インバウンドと結ぶというのが大事だというので、関西空港と結ぶということを奈良県は提唱している。大平正芳さんの考え方が一番僕らに合っていると、大平派に属していたからではないが、そのように思って、述べようかと思っています。

 そんな大したプレゼンではなく、10分のプレゼン。プレゼンのさわりを書いてたばかりなので、勉強したから刺激されてさっきみたいな大きな話ばっかりして、県立高校耐震化を言い忘れたわけではないが、アテンションいただきました、ありがとうございました。そのような感じです。

 またプレゼン資料ができ上がりましたら、皆様ご希望があればもちろん渡します。それを見ていただければ。ハイデッガーを育てるための刺激をしないと、記者の皆さん能力があるのだから、刺激をすると能力を発揮されるのではないかなと思って。県庁の職員の人にもそうだけど、皆さんに言ったら大変失礼だけど、こうやってかけ合いの中で希望を、すごいことを考えられてもいいのにと思うところもあります。

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3月の行幸啓について

読売新聞:
 今上天皇が奈良にもお越しいらっしゃるときに、ちょうど選挙期間中で知事がお出迎えされるのかな思うのですが。

知事:
 3月に来られるように聞いてますので、私、お出迎えさせていただきたいと思っています。

読売新聞:
 ちょっと慌ただしい時期かなとは思うんですが、どのようなお気持ちか。

知事:
 ああ、気持的に。それは今まで何度も奈良に来られてお話をさせていただいたので、感謝の気持ちを、お話しすることはあまりこちらからは出ないが、感謝の気持ちを持ってお迎えしたいと思います。

 今度は、お昼があるとね、お話しする機会があって、今の今上天皇へは、最近なくなりましたが、4年に1度ぐらい知事のレクを御所でお聞き取りになられた時に、2回行って、いつも奈良の歴史を講釈するようなことがあって、割とよく聞いていただいたので、すごくうれしかったです。

 前回、神武天皇の2600年の遠忌のときも奈良に来られて、高松塚美人のスカート、ソグド人スカートのことをまたひけらかして、奈良の歴史をどんどん吹き込んでしまって、荒井知事は歴史好きだからみたいに時々おっしゃっているという話。それは奈良だからお許し願っていることだと思います。

 奈良の歴史はとてもユニークで、天皇制確立の原点。それと共和制にならなかった。辛亥革命、1911年に清が倒れるときの、袁世凱という人が辛亥革命を起こしたのですが、立憲君主にするか共和制にするかというので孫文と蒋介石が意見対立して、孫文は共和制、蒋介石は立憲君主。袁世凱は共和制だったが、軍事力が強かった袁世凱が勝った。だから共和制になるかと思ったら、袁世凱は皇帝になってしまった。しかし、立憲君主が定着しなくて、あれが皇帝になるぐらいならというので共産党が大躍進して、共和制どころか共産党になったという中国の歴史です。日本は、立憲君主をずっと貫けたから、日本だけですよね。それは誇らしく思っています。

 天皇制が形は変わっても、発祥の地が奈良にあったということは奈良の誇りですので、陛下も父祖の地と呼んでいただいていますので、そういう発祥の思いはおありになると思います。

 50代の天皇、125代のうち、50代が桓武天皇なんですね。桓武天皇も奈良に3年ぐらいおられた。50代まで奈良、移られた方もおられますけど、例えば天智天皇は大津に都をつくられましたけども大化の改新でありますので、大体奈良に住んでおられたというようなこともありますので、大体天皇になられる方は奈良在住の方が多かったというのは誇らしいことであります。そのようなことを歴史をちゃんと認識をするのが私の役目でもあろうかというふうに思います。歴史づいてまして申しわけございません。

 最近は、光秀、織田信長も興味持ってますよ。郷土の歴史じゃなしに、変革期の歴史だからとても、NHKの大河ドラマに興味を持っています。天武天皇はなかなか採用されないが、大河ドラマで飛鳥の天武天皇、とりわけ持統天皇を申し込んだが、もう全然却下されっ放し。諦めずに要望したらなんてNHKさんに励まされておりますけども、もう無理ですよね(笑)。

NHK:
 でも、諦めないとか(笑)。

司会:
 よろしいでしょうか。ご質問ほかにございませんでしょうか。
 幹事さん、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事年頭記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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