令和3年12月「第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム」の開催に向けて

「第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム」の開

   催に向けて

(本インタビューは令和3年11月26日(金曜日)に行ったものです。)


ポイント:   
  1. ソフト・ハードの両面で開催条件が整ってきたことが、奈良県開催につながった。
  2. ガストロノミーとツーリズムの意義をよく理解し、その意図に沿って会議を進めることが奈良県の役目。
  3. 開催地となることで、奈良県だけではなく日本という国・地域が、おのずから宣伝される。

 

 

国際会議を開催することの意義

「ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」という会議を奈良県で開催することになった意義、またその内容のお話ですが、まず、世界フォーラムを奈良県でできるということは、大変嬉しいことです。このような会議ができるということは、そのような資格がある場所ということですが、資格というのは、ソフト的に食と農をつなぐ、あるいは食と農と観光をつなぐことが大きな要素であり、奈良県は最優等生ではありませんけれども、このようなことを大事だと思ってやってきたことが、一つの流れとしてあります。
 もう一つは、国際、世界大会を開催できるだけのコンベンションセンターとホテルが整備されたことは、世界フォーラムを奈良県でできるようになった大きな要素であり、そのような条件が整ってきたので、手を挙げることができました。
 そして、国内で選ばれて、奈良県で観光振興のためのこのような国際会議が開かれることは、画期的なことだと私は思います。また、今までこのようなことをできなかったので、光栄なことだと思っています。

 

 

 

ガストロノミーとツーリズムの意義をよく理解し、その意図に沿って会議を進める

 では、会議をどのように進めれば良いのかという内容の話になります。これは、奈良県の宣伝をするための会議ではなく、この国際会議の主催である、UNWTO(国連世界観光機関)がサンセバスチャン(スペイン)と世界の各国でやっている会議を延長するというものです。つまり、ガストロノミーとツーリズムを結びつけるという世界宣伝の一環であり、UNWTOの意義をよく理解してその助けをすることが、会議開催の大きな内容になります。ガストロノミーとツーリズムを繋いで振興させることは、世界の流行りになっていますので、これは世界的な大きな動きになります。こうした意識を共有することは、日本の我々も行ってきたことではありますけれども、それが世界の流れになっていることをよく知り、その流れに乗るということになれば成功になると思います。
 そのような会議の意義、趣旨があるので、主催者であるUNWTOの意図に沿って会議を行えるように進めることが、我々事務方の役目だと認識しておきたいと思います。

 

 

開催地となることで、世界に向け、おのずから宣伝される

会議の主催にあたり、サブとロジというのがあります。サブとは、UNWTOがガストロノミーツーリズムのサブスタンスを世界的に唱導することです。ロジは、今までサンセバスチャンを中心に旗を上げていたのが、南米に行って、東南アジアのバンコク(タイ)に行って、ブルージュ(ベルギー)に行って、今度は北東アジアに来ました。日本は、安全で食材が豊富で、食べ物にこだわった国であり、先進的な地域ということで、バンコク→ブルージュ→奈良と来ました。奈良って知らんなあと言われる人に、そのようなレベルの会議を開催できる都市だということを、問わず語りに宣伝できる効果があると思います。
 宣伝が主ではありませんけれども、会議をしている開催地というのは、おのずから宣伝されます。COP26という地球規模の大きな会議がグラスゴー(イギリス)でありましたが、グラスゴーはそういうことをしているんだな、できる町だなということは、一時だけれどもよく知られるようなりました。COP26ほど大きな会議ではありませんけれども、「ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」というのは、観光分野で世界レベルの人が集まってきます。自ら集めて宣伝するというのは大変ですけれども、おのずから宣伝できるのが国際会議です。その時の宣伝は、奈良だけではなく、日本のガストロノミーツーリズムの宣伝をするということであり、また、この時期大阪・関西万博を控えていますので、その宣伝をしてもらえたらということと、そのようなことをやる関西というエリアを知ってもらえたらと思います。
 そして、ガストロノミーツーリズムの先進国である日本のパターンを知ってもらえたらと思います。日本のガストロノミーツーリズムは景色と食べ物、あるいは温泉ということになりますが、日本のソフトウェアにおいて「女将さん」の存在は大きいので、「女将さん」に来てもらえたらと考えていますが、それも実現しそうです。「女将さん」は日本のもてなしの大きな要素になると思います。
 奈良の国際会議は、歴史があるので、国際会議をするととても印象深いですよということを、林外務大臣に伝え、G7の関係閣僚会議をしてもらうことも陳情に行ってきました。「ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」の開催もそのようなレベルの国際会議をしてもらえる一つの流れになるようにと考えています。まだこれからですけれども、設備ができ、歴史はある、文化財もあります。おもてなしのソフトがまだ少し足りないように思いますけれども、このような会議をすることによって整っていけばと思っています。