平成30年2月「県職員の働き方改革について」

-知事から職員に向けてのメッセージを、県民の皆さまにもご覧いただきます。-

「県職員の働き方改革について」
       (職員向けメールマガジン 平成30年2月21日号掲載)

県職員の働き方改革

知事 県職員の働き方改革は、職員の皆さんにとって関心のあることだと思いますが、働き方改革というのは見方を変えると働かせ方改革でもあり、職員の皆さんに元気で前向きに働き続けてもらおうということでもあります。そのために、どのようなことを進めていけば良いのかという検討を始めたところですが、今までとは違ったやり方で取り組まなければならないと感じています。

 まず、働き過ぎや、偏りをチェックして、個別に是正していくためのヘッドクォーターが必要です。今まではありませんでした。

 これまでだと、県では総務厚生センターの健康管理係など、身体の調子が悪くなれば来てもらうといった、受け身で行ってきたのが実情です。元気で働き続けていただくためにも、職員の心身のコンディションをどう維持していくか、職場でのテクニックが必要だと捉えています。

 人事課は、これまで人事異動や退職などの権限を所掌していましたが、これからは職員の働き方に困難が生じた場合の対応や、良い働かせ方を浸透させるヘッドクォーターにもなってもらおうと考えています。
 


職場からの支援の重要性

 自分の健康は自分が一番よく知っているので、頭が痛いなどの自覚症状があったときには、自らコンディションを整えようとします。しかし、職場で働く上では、自己管理に限界もありますので、このような場合は職場として支援することが必要だと考えています。

 これまでは、コンディションを整える体制をどうしようか、という議論はあまりなかったので、どのようにチェックして実行できるかについての研究を始めています。
初めてとも言える取組ですので、体系を考えた上で実行し、良いものについては発展させ、改善すべきものは改善していきたいと思っています。ヘッドクォーターが実行組織である各職場をチェックしながら、どのように進めていくかといった研究をしているところです。

 

◎実効的な働き方改革の実現に向けて

illust 働き方改革を形式的なものとせず、実効的なものとするために、どのように進めていけば良いかが、これからのチャレンジです。そのために、いろいろと試みる必要がありますので、そのための予算を付けて実行していきたいと考えています。

 長時間労働は職員の健康にも良くないということは分かっていますので、このことの防止・抑止が重要です。このため、退勤管理として、命令がないと職場に残るのを禁止して、帰らせる。また、国では時間外労働の上限を定めるということを検討されていますが、県でも国の動きを踏まえた対応を今後検討していきたいと考えています。



◎メンタルヘルスの重要性

  コンディショニングについては、フィジカル面だけではなく、メンタルの管理も重要となってきます。

 メンタルヘルスについては、職場だけのものではなく生活全般にかかるものですが、職場、家庭、社会でのコンディショニングを良くするための手法について、研究していきたいと思います。

 このように、職場で働く人全般の健康管理について検討し、実行していく必要があります。組織として、メンタルヘルス不調などを気軽に相談できるような環境づくりが重要です。

 

◎業務の質的な変化への対応

知事  世の中が変わってきたことに伴い、以前と比べると、県庁の仕事も随分変わって非常にバラエティーに富んできています。

 今までは、国から言われたことをそのとおり実行する実行機関でしたが、自分で工夫して実行する工夫機関へと変わってきました。このため、業務が量的に増えたというより質的にとても大きく変化しました。

 この変化に応えられるよう、職場として工夫し、チャレンジすることになりますが、仕事を進める上で、頭を働かせ、知恵と工夫をすることが大事な要素となってきていることを認識し、それをどう身につけていくかが健康管理にも直結すると思います。

 

◎仕事の進め方の変化

  人間の身体は、新しいことに取り組むことで不調をきたすのではなく、むしろイキイキするところがあるのではないかと思っています。新たなことに次々と取り組むのは大変ですが、それよりも同じことを長く続ける方が大変ではないかと考えています。

 また、仕事を進める時、上司の言うことだけを聞けば、うまくいくというのではなく、それぞれの分野で少し横張りをしながら職場で会話していくことがとても大事だと考えています。上司から言われたことを、部下に伝えるというパターンではなく、横からの情報も集めた上で展開し、いろんなレベルの知恵と工夫を結集していくという仕事の進め方が主流になってきています。


◎教職員の働き方改革
illust また、教職員の働き方改革も重要となっています。学校では、教員が、授業や部活、その他の校務など、あらゆることをされていますが、最も大事な授業に力を注げるよう、改善していく方策を考えていく必要があります。また、児童や生徒の様々な事態に向き合うことがありますので、複数の教員で生徒の情報を共有して、指導がうまくできているか等、子どもとの向き合い方も今問題となっていますので、これも教員の働き方改革の一つのテーマとなります。

 

 

◎働き方改革としてのアウトソーシングの拡大

  公権力の行使については、公務員が行わなければなりませんが、庁舎管理や定型的業務については、なるべくアウトソーシングできないか検討しています。


 県では「奈良モデル」により、市町村と連携して取組を進めていますので、連携に伴う仕事も出てきています。県及び市町村での共通化が可能な取組についての広域化を推進していくなど、県職員の仕事に占めるコーディネーションに関連する業務の比重が少しずつ広がってきています。その一方、新たな業務も増えてきていますので、民間で代替可能な定型的業務についてはなるべくアウトソーシングを進めていきたいと思います。これも働き方改革として、県職員は何をすべきかということの一つの現れです。

 

 
◎新たな働き方へのチャレンジに向けて  

 

知事 繰り返しになりますが、職員の働くコンディションを整えるため、メンタル面を含めて取り組んでいこうと考えています。働き方が職場により異なりますので、これに対応させていく必要もあります。新たな働き方にチャレンジするため、従来の働き方を見直したり、アウトソーシングの導入も含めて業務の効率化を図ることも大事になってきています。

 教職員の場合、部活のアウトソーシングについてもアイディアとして出てきていますが、働き方改革で大事なのは時間外勤務のあり方、退勤管理のあり方であり、健康の保持増進に向けた取組が最も大きな課題です。


 現時点では、働き方改革に関しての議論はここまで進められています。職員が健康で元気に働いていただくことが一番ありがたいと思っています。