平成30年1月「2018年の抱負」

-知事から職員に向けてのメッセージを、県民の皆さまにもご覧いただきます。-

「2018年の抱負について」
       (職員向けメールマガジン 平成30年1月22日号掲載)

illust今年の抱負
 知事就任から11年が経ちました。これまでの出来事を振り返りながら、今年の抱負についてお話ししたいと思います。


 これまでの11年間については、様々な苦労もありましたが、そのおかげで大変良い成果が出ています。医療の分野、健康の分野、障害者の雇用率や企業誘致数などが良い数字となって表れてきました。これは大変ありがたいことで、とても感謝しています。


 不足していたホテル等の宿泊施設についても、良質なホテルの姿が見えてきました。その他、観光の施設整備にも動きがみられます。


 今年は次への飛躍について、考えなければならない年だと考えています。これまでの取組の中には、花が開きかけてはいるもののまだ開ききってはいないもの、まだつぼみの
状態ですがこれから大きく花開きそうなものなど様々なものがあります。

 

リニア中央新幹線への期待

illust これから大きく伸びるものとして、リニア中央新幹線に関する取組があります。東京・名古屋間の工事は既に進められており、今から20年後には東京・大阪間がつながります。奈良市附近駅についても、その時には完成していることになりますので、これは本県にとって非常に大きなことです。奈良市附近駅が、具体的にどのあたりに出来るかということはまだ固まっていませんが、ここ数年のうちに固まってくると思います。


 これに関連して、今はインバウンド観光が大きく伸びていますので、インバウンドに関する国や産業界の動きに合わせ、奈良県でも対応していかなければならないと思います。奈良はインバウンド人気の高い観光地ではあるものの、他の地域もインバウンドの観光需要を取り込むための施策を講じているため、これまでどおりではインバウンド誘客競争に遅れをとってしまいます。

 


 リニア中央新幹線にはインバウンドの利用も見込まれますので、インバウンドの観光をどのように取り込むかを考えなければいけません。国内外のお客様に奈良へ来ていただくことについて、もっと積極的に考えなければならないとも思いますが、このためには県内の観光地を巡ることが今以上に便利になることが重要ですので、域内交通の整備にもつながっていきます。

 

 

 

◎「変わることができる奈良」へ

知事 これまでの取組の成果により、奈良が大変変わりつつあるというイメージが出てきています。「変わらない奈良」から、「変わることができる奈良」になってきたと思いますので、施策のダイナミックな動きを感じることができる年の初めではないかとも思います。県の役割は、このような動きに対して、できる限り後押しすることにより、実現へ導くことだと思います。経済的な面では、様々な分野において動きがあるのですが、これを絶やさぬよう、確実なものとして育てなければなりません。


 より一層育てていかなかればならない県の課題として、観光産業があることは先に申し上げたとおりですが、他にも製造業や健康産業もあります。県内の病院のレベルが上がることにより、医療や健康関連の産業が地域に集積し、多くの人がやってきますし、逆に県外に出て行く人も減ってきます。


 変わるためには、今までのやり方を変える必要はなく、さらに磨きをかけていく必要があります。磨きをかけるために、県と市町村との連携である奈良モデルの中で、「県の役割はサッカーでいうミッドフィルダー」であるとして様々な取組を行ってきましたが、そのミッドフィルダーとしての期待がますます高まってきていると思います。
  

 

 

◎ミッドフィルダーとしての県の役割 

奈良県の発展を市町村と共に考えていこうということについては、消防や病院、上水道、ゴミ処理やまちづくりなど様々な分野で花が開きかけています、これは県と市町村の連携による取組です。


 奈良県・市町村長サミットを通じて県と市町村との会話が続いていることが奈良の大きな特徴です。これからは、健康増進や医療及び介護の総合的な確保という分野において地域包括ケアなどで連携の実効性を発揮できればと考えています。これらの実現も目の前まで来ていますので、県と市町村の協力体制を一層強化し、良い地域包括ケアの場を作っていければと思っています。このように県と市町村の連携で解決すべき課題は奈良県にまだまだあると思います。

 


 「県の役割はミッドフィルダー」というのは、県はコーディネーターとしての立場でよく走り、玉回しをすることで、フォワードである市町村に良い玉を出す役割があるということです。サッカーは1人ではなく、チームで戦うゲームです。戦う相手は、医療、産業、まちづくりなど県と市町村にとって共通する分野となりますので、県と市町村がチームとして十分調整してやっていこうと連携して取り組んでいます。良いサッカーをゴール前で県と市町村が行うことで、国からの応援が良い玉として届くようになったという実感がありますので、今以上に良く賢く考えて、よく走るというアクションが重要になってくるなと思います。

 

 

 

◎今後の県の役割 

 

知事 県の職員はよく走るようになってきたなと思います。現場に出かけて話を聞いたり、コーディネートすることが職員の身についてきたのではないでしょうか。今までは県職員がやっていなかったことかもしれませんが、待っているだけではなく、自ら外に出てやることを探しにいくということが重要です。このことが自然に身についてほしいと思います。取組の結果が成果として表れてくると思いますので、無理をせずに自然に取り組んでほしいと思います。

 上水道やまちづくり等、これからも様々な分野のゲームがありますが、ゲームの進め方・組み立て方を職員が自然と考えられるようになり、市町村と連携し良いパス回しが出来るようになることを今年も願っています。