-知事から職員に向けてのメッセージを、県民の皆さまにもご覧いただきます。-
◆「第32回国民文化祭・なら2017」及び「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」の開催について (職員向けメールマガジン 平成29年8月21日号掲載)
◎「第32回国民文化祭・なら2017」及び「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」の開催について
9月1日(金曜日)から11月30日(木曜日)にかけて「第32回国民文化祭・なら2017」及び「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」を開催します。奈良県でこのような大会を開催できることを大変光栄に思っています。
今回、両大会を一体的に開催しますが、これは全国で初めての取組となります。次回開催地の大分県、次々回開催地の新潟県ともに奈良県に倣って、一体的に開催する旨を表明されていますが、奈良県がこの嚆矢(こうし)となったという点に大きな意義があります。
奈良県で開催する運びとなったきっかけは、前文化庁長官の青柳正規氏が来県された際、奈良県での開催を提案いただいたことにあります。喜んでお引き受けすることになり、今回の開催へと至りました。
大会機運を盛り上げるための公式ポスターは絹谷幸二氏、イメージソングは新井満氏に快く制作いただきました。マスコットキャラクターのせんとくんも、籔内佐斗司氏により国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭仕様にデザインしていただきました。
◎本大会の特徴について
本大会については、次の3つの特徴があります。
1つ目は先にも申し上げましたが、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭を全国で初めて一体的に開催することです。一体的な開催とは、開催時期と開催場所が同一ということを意味します。また、各種の催しについても障害者のある人とない人が一緒に参加していただくということにも取り組みます。
2つ目については、奈良県らしく文化事業・文化活動の場として、社寺と連携することがあげられます。オープニング「開会式」を9月2日(土曜日)東大寺大仏殿前で開催することから始まり、社寺を舞台とした様々な催しが期間中に行われます。
3つ目については、開催期間が3ヶ月間に及ぶということです。県の文化事業について、当初は県民の認知度が低くても、継続して行うことにより事業の認知度が徐々に高まってくるものがあり、今回も同様の効果を期待できると思います。本大会は長期にわたるので期間が長い分、事業数も多く、主催事業が103事業、協賛・応援事業が910事業となっています。
また、大会期間中には、奈良県大芸術祭も開催します。大会と合わせて、今秋は県内の文化・芸術活動が大変な盛り上がりをみせるのではと大いに期待しています。
今大会の開催で得た経験等を次年度以降の奈良県大芸術祭に活かすことで、県内での文化・芸術活動がより一層盛り上がるようになればと期待しています。
※事業数については、7月18日時点
◎本大会の基本理念・テーマについて 県では、「文化の力で奈良県を元気に!」ということを大芸術祭の基本にしていますが、今回の両大会でもこれを引き継ぎつつ、奈良県らしい特色を活かした基本理念・テーマを4つ掲げています。
・「日本文化の源流を探る ~日本文化の源流を国際的つながりも視野に掘り起こす~」
奈良県を発祥とする文化が数多くあることから、奈良県は文化の源流ということもできるので、日本文化の源流を探るということをテーマに掲げました。
・「文化の今を楽しむ ~積み重なった今ある日本文化の厚み、深みを堪能する~」
今、私たちが楽しんでいる文化の背景や深みを堪能してもらいたいという意味で「文化の今を楽しもう」というテーマに掲げました。
・「文化芸術立国の礎を築く ~文化の交流で元気をつくる~」
県内の文化・芸術の拠点として国際芸術家村を整備する構想も進めていますが、今大会の開催を契機に、拠点の必要性がより一層鮮明になると思います。
・「障害のある人とない人の絆を強く ~文化の力で新しい関係をつくる~」
障害のある人とない人の絆を強くすることも今大会の大きなテーマです。県内の企業や公的機関で働く人に占める障害のある人の割合を示す障害者雇用率は奈良県が全国一位となっていますが、これは県内の企業が障害のある人の雇用に積極的に取り組んでいただいた努力の成果です。障害のある人にとって、奈良県は生活するうえでの障壁が少ないため暮らしやすい・働きやすいというように感じていただくことが今以上に進めば良いと考えています。
◎一体的な開催の意義について
先にも述べましたが、国民文化祭と全国障害者・芸術文化祭を一体的に開催するのは今回が初めての取り組みとなります。前回の愛知県大会でも、両大会が同一の年に開催されていましたが、開催時期が異なっていました。また、同一の場所を使っていたとしても大会毎に別々の催しが行われていたこともありました。なぜ同一の場所で同一時期に開催されてこなかったのかと疑問に思ったことに加え、奈良県では、雇用をはじめとして障害のある人とない人との絆を強くすることに取り組んでいることもあり、一体的な開催を目指すことになりました。
同一場所・同一時期の開催といった枠組みが以後の大会にも引き継がれていくことは大変うれしく、しかも奈良県が初めて取り組んだという点に大きな意義があります。
文化や芸術は、人間らしい感情や気持ちを何らかの形で表現するものなので、様々な表現の方法があります。障害のある人とない人のそれぞれが、何らかの形で感情を表現する方法を持っています。これまでは障害のある人が自らの感情等を表現・参加する場が少なかったこともあり、障害のある人とない人が一緒に表現する場があまりなかったといえます。両者が交流する場が日常生活の中に根付いてくると、より良い社会がかたち作られると思います。このきっかけを作る意味でも、今回の一体的な開催の意義は大きいといえます。
◎みんなが楽しく元気になる3ヶ月間
今回で32回目の開催を迎える国民文化祭の趣旨は、「全国各地で国民一般の行っている各種の文化活動を全国的規模で発表し、競演し、交流する場を提供することにより、国民の文化活動への参加の機運を高め、新しい芸術活動の創造を促すこと」にあります。国民の文化活動、国民の文化祭という言葉からは、なかなかイメージしにくいのですが、青柳前文化庁長官の言葉を借りると、「国民文化祭はみんなが楽しく元気になるための催し」とのことでした。
社寺を舞台とした催しは野外での開催が多くなってしまうため、天候が気がかりではありますが、今秋の奈良県内は文化・芸術活動で目白押しとなります。是非とも楽しみにしていただければと思います。