平成31年2月20日(水曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、案件ございませんので、質問がございましたらよろしくお願いいたします。


質疑応答

奈良県知事選挙について

奈良新聞:
 いろんなところでお聞きしていますが、もう一度改めてお伺いいたします。知事選まで告示1カ月前になりましたので、今どういったことを有権者の方に訴えて伝えていきたいと思われているのか、なかなか相手方の構図が見えないところがありますが、それについて何か思うところがあれば教えていただきたいです。

知事:
 有権者に伝える内容という最初のご質問ですが、会合がぼつぼつ始まっています。大きな会合ではありませんし、オープンでもございませんが、会合に参加して、いろんな団体の場合もあるしという感じがありますので、愚直政策集とリーフレットを配って、そんなに時間もありませんので、政策を全般的に語るということもありませんが、愚直政策集から全体を知っていただきたいということと、その団体に関係の深いところはより詳しくしゃべるというようなことをしています。

 よく思いますのは、県民の方が奈良県政のことをあまり知らない。皆様のおかげでか、よく知られていないということなんです。今度の選挙では、そのような、いい機会をいただいたので、ありがたいと思っていますという気持ちが第一です。直接お話しして知ってもらうことが何より第一だと思います。伝える内容はたくさんございます。そのようなことです。

 それから、相手方のことをおっしゃいましたが、選挙はリングで相手と格闘するわけではないですね。有権者の判断をそれぞれが仰ぐということが選挙の仕事のように私は思いますので、それぞれが伝えることの反応が投票日までにあるという、そういう仕事ですので、相手がどうだからといって変化することはないように思います。また、変化もそんなに器用にできるタイプではありませんので、そのように思います。

時事通信:
 関連しまして、県民に訴えていくいい機会だということですけれども、例えば川島候補は駅立ちを頑張っているようですが、荒井知事は、例えば団体に所属していない一般の有権者の方に向けて、政策を伝えていく方法をどのようにしていこうとお考えでしょうか。

知事:
 これは難しい点ですが、現職ですし、いろいろ中身が具体的にありますので、具体的に知っていただきたいと、数字も知っていただきたい。街頭に訴えるのは、その数字をこういろいろ言っても、なかなか立ちどまって聞いていただけないというような感じもしますので、聞いていただく人には訴えていきたいと思いますので、そのやり方としては、聞いてやろうと集まってきていただく人に聞いていただくということになってきているような気がいたします。それぞれの訴え方のやり方というだけの違いだと思います。

時事通信:
 愚直政策集を拝見しましたが、いろいろと新しいハード面の整備であったり、医療の話であったり、特にこの点を重視したいというものはあるのでしょうか。

知事:
 もう3期も務めさせていただいておりますので、ずっと後を振り返ってみますと、病院を作るということも、自分で思い込んでつくったわけではなく、周産期の事故が起こって、これは大変だといってせっせとやった。急性期が不足しているということでやったり、観光の施設が不足しているということでいろいろやり出したり。そういう、メタボ指標といいますが、奈良県が全国の平均よりも遅れているところに力を入れて、バランスのいいメタボにしようということが基本のスタートでありましたので、そのような連続であります。

 今の時点でひっこんでいるところはどこかというと、指標のランクの低いところは、インフラや経済はまだ低いと思います。これは時間がかかるということだと思いますので、その時間がかかることは置いておくのではなく、時間のかかるのは、やり出しても成果が見えるまで時間がかかってきてるということだと思いますが、例えばインフラだったら、京奈和自動車道の進捗率50%は奈良県だけです。和歌山は100%で差がありますので、真ん中を抜けるようにと思って今までいろいろやってましたが、やっと起工式が始まるといったようなことがありますので、力を入れたら成果があったということも思いますし、時間がかかってきて、順番に成果が上がってきたということだと思います。

 先ほどの質問の中の訴え方というので、アメリカの訴え方は全く違って、アメリカの知事選では、広い地域だからテレビ放送にテレビコマーシャルをします。そのようなことをアメリカはできるんです。アメリカの知事から奈良県ではしないのかと言われたが、ええっと思って、その時にテレビはすごくコマーシャル代が入るのがアメリカの選挙ですので、アメリカの知事選は政策を訴えるよりも中傷するようなやり方がすごくあるように聞いており、あまりよい内容ではないと思いますが、訴え方というのはアメリカみたいなのは、アメリカの選挙の時に参議院でアメリカへ訪問したことがあったんですが、しゃべっても車だから聞かないから、候補は名前を書いて、ロナルド・レーガン、リパブリックと書いて、看板を出して道に立っているんです。若い人が立っている光景を随分見ました。それは街頭立ち、沿道、道路立ちのやり方だなと。

 アメリカは、看板、名前を書いて、その時の選挙は、下院にしろ、上院だとより広いですが、下院の小さいところでも車が停まるような分かれ道のところに若い人が立っている。映画でも、選挙の映画、何か飛行機の中で見たことありますが、町のいろんなところへ行って、名前言って、ショウゴ・アライ、リパブリカンと、こういってするだけなんでね、それだけのアピールのような感じですね。現職と新人と違うのかもしれませんが、そんな映画を見ただけなので、流儀が随分違うので、ヨーロッパはあまり知りませんが、アメリカはとにかくテレビが入る。

 テレビで会見すると全く違う。相手の悪口言い放題みたいな、自分の番組、コマーシャルするからというようなことで、すごくアグレッシブに広告されるような、そのテレビ番組、具体的にあまり見たことないんですけれども、知事・副知事も選挙がありますから、副知事もこう言うんですよね。そのテレビコマーシャル代を集めることが大変だと聞きますので、いろんな流儀でどういうものがいいのかわかりませんが、日本はどぶ板と言われるように訪問。アメリカも訪問します。テレビもオーケーだし、戸別訪問もオーケーだから、ピンポンと鳴らして、割と運動員がビラ配ったり、説得したりされてます。

 どういうふうな選挙がいいのか。日本の選挙はお金をかけない選挙にしようという公職選挙法の動きがあるので、いいことだと思います。ご質問からさらに進んでしまったと思いますが、以上です。

奈良新聞:
 先ほど、県民の方が県政のことを知らないということをおっしゃって、どういった部分をそう感じるのか、教えてください。

知事:
 情報量が到達してないように思います。

奈良新聞:
 具体的に何かあれば。

知事:
 奈良新聞に販売枚数で頑張ってもらわないといけない。地方紙のシェアを調べたこともありますが、やはり地方紙は紙面が大きい、運動場がたくさんありますから、頑張ってください。

奈良新聞:
 どの部分というのは、具体的に。

知事:
 あらゆる部分を知られていない。耳に到達する量が少ないような気がします。もう一つは、申しわけないですが、他県と比較して、地方紙のシェア・県外就業者の割合は奈良県の投票行動に影響しているように思います。県民だよりについて、こんなもの見ないと直接に言われたことがあるから、県外就業者の多い地域というのは、やはり投票行動とか県政への関心とか、県内生活への関心等は、ライフステージの関心はおありになると思うんですよね、子育てとか、高齢者になると地域活動とか防災とかにご関心はあると思いますが。

 普通は、移住された方でも、就業がなくなると、その地域で住まれることを中心に、防災関心がすごく高くなる。医療と防災の関心がとても高くなると思います。その時に災害が起こると、ものすごく災害センシティブになられるように思いますが、奈良県は災害がないから、その災害センシティブネスが低いように思います。すると、それは行政への関心、災害・防災面での行政の関心が、それほど高くない。ですが、それを高くするために災害が起これというわけにいかないから、ありがたいことですが、ありがたさをどう受けとめるか。これは天災の分野だから、自然のありがたさ。しかし、防災マインドは持たなければいけないのにどう結びつけられるのか、行政の立場からは腐心しております。何とか備えないといざという時怖いと言いますが、災害が少ないとおっしゃるので、喧嘩ごしになってしまう、そう言ったって起こるかもしれないじゃないかと言うんです。そんな会話があります。それは災害の起こったところの防災関心の高さというのは、もう全然違っているのが実情ですので、他でも災害が起こると同じことが起こるかもしれませんということは説得の仕方でしています。起こったらわかるよというわけにいかないですから、と思います。

奈良新聞:
 相手方候補は、今回、芸術家村やホテル建設をハコモノ投資と批判されているんですが、どのように必要性を訴えるのか教えてください。

知事:
 皆さんには、客観的に報道していただきたいと思います。こういうように訴えているという報道だけだったら、それが正しいかのように思われますけれども、今まで奈良県はハコモノを作っていたのかどうかという、基本的なところまで深掘りして報道していただくことがありがたいなと思っています。

奈良新聞:
 その必要性をどのように訴えるのか。

知事:
 必要性は今まで訴えてきたことを書いていただければありがたいなと思います。奈良県はそういうものがなかったじゃないですかと、ほとんどその一言ですよね。ホテルは全国で最下位じゃないですか、それでいいんですかって何度も言ってきたじゃないですか、そのように言っていただければありがたい。わかる人はわかると思います。

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医師偏在指標について

時事通信:
 先日、厚生労働省が発表しました医師の偏在指標というのがありまして、幸い奈良県は上から18番目ということで、悪くはない数字なのかなと思うのですけれども、それに対する知事のご所見を伺いたいのと、1点だけ、二次医療圏というくくりで、奈良県の南和地域だけがちょっと少数の圏域に含まれてしまっているんですが、それに対するお考えをいただけますでしょうか。

知事:
 医師の偏在というのは、医師の総数とまた違って大事な指標のように思います。医師の総数が足らないと、医師の医学部の定員を増やすかどうかという議論に直結するのですが、医学部定員が増えていませんので、これは医師の総数は足りてるという認識だと思います。高齢化が進みますけれども、今の医師育成で足りてる、足りなければ外国人医師をもっと入れようということになりますが、外国人労働力が要るのは介護士や、場合によっては看護師というふうなことになっています。総数は足りてるという国の認識だと思います。概ねそれはそれでいいのかなと思います。

 次は、偏在というのが課題になって、すると余っているところと足りないところとがあるということになると思います。どこが余ってどこが足りないのか。それは圏域を超えるわけですが、大都市と田舎というのが大きな要素になると思います。

 医師は企業の配置と違ってとても流動性の高い職業だと思います。病院を変わるのは知り合いの先生に頼まれると、ぽっと行かれるとか、留まるとか。昔は医局の先生の支配ということがありましたが、今は医局だけではなく、そのほかの要素も入っていると思います。そのときに、田舎に行く医師は少ない。都会で稼ぎたい、腕を伸ばしたいといったようなお医者さんが多い結果、偏在が生じていると思います。そのときにとりわけ田舎に医師を向けるというのは、自治医大ができて、自治医大卒業生はどういうわけか田舎で働くことを生きがいとされるお医者さんがほとんどでおられるので、これがすごい。自治医大の成功、役目が大きいなと1つは思います。

 もう一つは、奈良県も関係いたします、自治医大に奈良県も、お世話になってますが、地域枠というのが増えて定員を加配、増枠する動きがここ10年ぐらいありました。奨学金を利用してくださいと、利用されると1.5倍、6年在学されると9年間は地域で働いてくださいという仕組みでありましたので、それは奈良県は全国で一番多く要求しました。15名だったかな、要求した県であります。医師不足を認識してましたので、増やそうということで一番多いほうの奨学金を作ってきました。それがだんだん出てきている時期になっています。

 少し前の試算ですが、地域枠が始まってから10年か15年経つと奈良県の医師が32名増えるとか、そういう試算もしました。その地域枠の増え方によって影響を受けたということが一つ大きいと思います。

 そういう面と、2つ目の質問になりますが、医療圏ごとで、田舎の医療圏というのは医師不足のところばかりでありますが、奈良県はそこまでいかないと。(厚労省試算の2036年時点で)二次医療圏全部で医師不足がない県というのは、唯一奈良県だけということです。奈良県だけが二次医療圏の不足がない県ということで、これはある面、自慢するわけではないが、大きな達成です。

 それは南和の病院ができて、南和の統合で医師が集まるようになってきたというのと、これはNHKで放送されましたが、本部はいい放送されますね、全国ニュースで。こちらから協力されたのですか。南和の病院ができて医師の働き方がよくなったと働き方改革の中で南和病院を取り上げられました。それがびっくりしました。統合したということでも割とそこそこのニュースだと思うのですが、働き方が良くなったというので南和の病院が取り上げられたというのは、センスが良いなと思いました。奈良支局のセンスが良いなと思いました。全国放送でした。

 それは、南和の病院組織を統合して、県立医大もして、様々な仕組みを南和でやったので、南和の医療圏の不足が解消しているとは思わなかったですけれども、ある面良くなってきたというふうになってきたのは嬉しく思います。

 今、その不足している、していないという、全体は不足していないと。こう言い張っているので、余っているところと足らないところとがあるでしょうと。都市がどちらかというと余ってるというようにも見えると思うのですが、全体としても不足しているかどうかというのはあると思います。そのようなことです。

時事通信:
 それに関してもう1点ですが、同じ厚労省の将来の推計で、2036年時点での各都道府県の医師不足数の見込みを公表しているのですが、47都道府県で奈良県だけが不足数ゼロとなっているんですね。これちょっとおもしろいなと思ったんですけれども。

 これに対する知事の評価と、何で奈良県だけゼロになっているのだろうという分析が奈良県としてあれば教えてください。

知事:
 医療の事故が起こって、いろいろとやってきた結果でもあるのかなと思います。国のほうでも医師の不足に対応する動きがありましたので、奈良は医師の不足といいますか、医療の不足がありましたので、それに対応している過程で、このような結果に今の時点でなったのではないかと思います。昔からこうだったというようなことは余り思えないですね。昔は、奈良の医療はもっと悪かったのではないかなと思います、急性期中心ですが。今はまだ搬送時間が長いほうですので、そういう指標では医師が足りてたら搬送時間も、もっと短くなるはずだろうと。これは急性期の話ですけどね。急性期病院が、だんだん充実してくるとそれは減ってきている傾向にはあるのですが。

 知事在任中で半ば過ぎから、国のほうも医療提供体制のバランスを地方に任そうという法律ができましたから、医療提供体制は今、国がやってきたことは、多くなるところに医師規制ではなく病床規制をしているのが日本の体系でありました。病床過剰地域には病床を増やさないというのを、その基準を作って、その基準を都道府県知事が守るべきという法律でした。するとキャップ制と思いますが、キャップをかけて、これ以上は病床を増やさないように。すると起こってきたことは、空き病床が増えて、病床を確保すると参入がなくなるので、それ以上増えないから、空き病床があるという問題も付随的に発生してきます。

 医師の配置をいつもチェックするというところまではいかず、この医師偏在の状況というのが出てきたのは、ここ最近だと思います。今まで病床のキャップで天井を打ってる医療圏か病床が過不足、空き病床があるところ、埋まってないところというふうに、こうやってましたから、キャップよりずっと下の病床しかないか。これは医師の不足にもよるが、病床で原単位を見ていた。今度は医師で見たほうがいいわけです。医師も、救急の医師と、高度の医師と、慢性の医師と、在宅の医師と、というふうに分けて見てくれると、もっと精度が高くなると思います。これは国がこのように原単位を医師にして偏在の指標を出したのを、国を褒めてあげてくださいというような感じです。

時事通信:
 ちょっと言葉が足りなかったので、単純にゼロだったということに対するご感想があれば。

知事:
 余り知らなかったのですが。ゼロになった唯一の県というのは誇らしく思います。それは嬉しいですね。それが、いろいろやってきた結果なのかもしれないが、まだそこまではわかりません。奈良県みたいな医師不足のところでもできたという励みになれば、いいストーリーになりますけどね。奈良県みたいな需給のところで、努力すればバランスがとれる結果になりますというメッセージになればとても嬉しいです。そこまでまだ、本当にそうなのかとは分かりませんが。昔はもっとアンバランスだったような気もしますが、様々な努力をすると、小さな努力でもこのようなところまでいくのかなという感じですね。こういう資料が出てきたこと自身、最近のことです。国のほうは病床規制一辺倒でしたから。

 医師のバランスということをこんな指標で、国は全国的に見ることができるが、我々は地域の現場で格闘する。こういう資料で比較されて、すると奈良はどうしてそうなったのという、いや、こういう努力したら、それが効いたかもしれないというぐらいのことは言えます。同じ横展開という、良い例と思われるならば、展開されるといいですよと。医師が我を張るって、俺の職場だと言ってる限りはあまり良くならないというのが実感です。全体を考えて、あちらで働こう、在宅で働こう、その需要を見て働くというメンタリティーがお医者さん個々に出てくると、すごく良くなるというようなメッセージを発したいと思います。

 そのコーディネーションというのは県が権限ないですから。こんなに診療科偏ってたら、その診療科の過不足が実はあります。医師全体の過不足ですが、診療科の過不足があります。糖尿病の医師が偏っているのと、急性期が偏っている。儲かるところに偏る傾向があるので、いつも偏りがあるのですが、それを、儲かる、儲からないにかかわらず、需要に合わせて仕事をしてくださいというのが我々行政の立場です。それを見える化で説得しようというのが奈良流儀で、こういうふうになって、こんな患者さんとか病人がいますから、ここは糖尿病の先生どうしていないんですかとか、今はまだこれから増やさなければいけない分野、在宅の医師がもっと増えたらいいですねというようなことを説得しております。説得による需給バランスの達成という手法ですけれども、それでもこんなにいくのだからというような感じもあります。病床規制や医師規制ができると、そんなとこで働いてはいけない、向こうで働くんだとなる。

 最初就任したときに言いましたが、県立医大の病院の医師の任命権はあるが、なかなか知事の任命どおりには働いてくれない。海上保安庁は、小樽にいた人を、来週から石垣だと言ったら、荷物ぱっとまとめて石垣に行く。えらい違いだなといってこぼしたことがある。病院と海上保安庁はこんなに違うのかと、同じ公務員じゃないかといってこぼしたことあります。それが医師の実態ですね。だから、そうすぐに石垣に行け、吉野に行けというわけにいかないことはあります。行ってくれないかな、行ってくれないかなといってナッジしてると、だんだんその意味が分かってくれるお医者さんもあるように思います。だんだんそうしてエビデンスを見てナッジをして、ナッジってこう肘突きですね、してるとわかってくれるような感じがします。それを奈良流儀でやり始めている。それが効いたかどうかはまだわかりませんが、そういう流儀で各医師の偏在是正、あるいは提供体制のバランスということをまだ進行しております。それが良い例として、もし認識されるようであれば、大変嬉しいことだなと思います。そのような流儀の結果かもしれませんというふうに思います。そうであれば割と誇らしいところはあります。

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関西広域連合について

毎日新聞:
 関西広域連合のことですが、4年前の選挙戦の直前で一部参加表明されて、ほぼ4年経ちますが、前の県議会で、維新の佐藤議員から質問があってやりとりされていましたが、特に7分野のうち広域観光と広域防災の2つに入られてますが、奈良県にとって直接的なメリットとは何だったのでしょうか。

知事:
 「広域観光・文化・スポーツ振興」と「広域防災」の分野に入っていますが、ご承知のように、関西広域連合の組織の本質は連携・協働なんですよね。組合という法律上の立場ですので、南の南和広域医療企業団と同じ性格です。持ち寄りで連携しようという事務の組合です。本質はそういうことです。議会もあるのは、そういう意味の議会です。

 そうすると、井戸さん(=広域連合長、兵庫県知事)の最初のもくろみとはちょっと違っているんだけども、包括的な自治体なのか、一部の分野の自治体なのか。広げようとされていますが、私にとって入ったメリットで大きいのは、一部の分野に入っても全体の方針会議に参加できることです。井戸さんはよく私に、「荒井さんの考えは?」と聞いていただけるんだけど、一部加入でも全部加入でも同じ立場で意見を言わせていただくことになっています。それは井戸さんのおおらかなところだと思います。この会議だけ参加しなさいではなくて、全体会議の非公式会議含めて全部参加できます。それは一部の分野でも加入した一番の大きな意味かなと思っています。

 その中で、都道府県を超える大きな、広域自治体と言っていますが、一部事務組合の今後のあり方の議論も始まっていますので、同じ立場で意見を言わせていただいています。繰り返しになりますが、本質は、議会はありますが、直接選挙ではないというのが大きな要素ですね。直接選挙ではなく、自治体の代表として集まっているので、その選ばれた自治体の権能の範囲で仕事を持ち寄ってするというのが本質です。そして持ち寄ったときに良いことがあればと願って参加しています。防災は、防災協定で、持ち寄らなくてもできるじゃないかという意見もありますが、恒常的に、定常的に防災の協議をすることは一つのメリットとしてあると思います。

 観光や地域プロモーションは、それぞれがやって、時々アドホック(=臨時)で一緒に協働のプロモーションをしようということもあり得ると思いますが、その都度判断しなきゃいけないので、観光という共通の定常的な目的であれば、その分野に参加して、常に参加しますよという意思を表明してるので、大変役に立ってると思います。そのほかは似たり寄ったりなんですが、参加しなくても同様の効果があると思います。全面参加しなきゃいけないとか、そういうかたい話ではなく、メリットがあれば参加してもいいし、アドホックでもいいしと。

 例えば、シニアのワールドカップにみんな協力しましょうと呼びかけられて、参加していますし、これはスポーツの分野に参加してるから一緒に参加すべきとか、そういうかたい議論はないんですよね。マスターズゲームズには、一部参加も全部参加も含めて一緒に協力しませんかという呼びかけには、同じ立場でやっています。

 それから、大阪・関西万博の協力も同じような立場で、距離的に大阪府、大阪市から離れているというのはありますが、広域連合として協力しようよというのに参加しているので、個別もあるし、広域連合のチャンネルもあるよという性格だと思います。あまりかたく考えないで、一緒に議論することは大変大事なことに感じます。

 その中の中心議論に参加させていただいているのと、その中で言ってきたことは、こういう大きな自治体の機能で、私の観点からは、大事なのはシンクタンク機能ですよと。権限ではなくて機能を発揮できる分野があるんじゃないですかということを言っています。関西のいろんな分野のシンクタンクになってもいいじゃないかと。まだ全面的な賛成はありませんが、これは議会がなくてもできることです。議会があって集まるということは、その責任があってそれをチェックしてもらうということはあるんですが、「責任よりも、やることはやったら喜ばれる分野があるんじゃないですか」という意見と、「あまり責任を増やさず、もういいじゃないか」という意見があります。あまり拡大しないようにした方がいいという方が割と多いかもしれませんが、あまり対決した議論はありません。しかし、将来に向けて、あるいは折々に、こういう事務もしたらということを井戸さんが言うんだけど、「いや、もういいんじゃないか」という知事もいますしね。

 それと、政令指定都市が入ってます。政令指定都市と府県とは同じ地域に重なっていますので、同じ広域連合で協働するというのはなかなか難しいところが従来からありますので、広域連合で解消するとも思えませんけどね。広域連合は、それとはまた別の組織だと。例えば、大阪府、大阪市、堺市が広域連合に入っておられますが、どうするのかというような議論は全くありません。行政組織の議論はまた別ということになっています。状況報告も含めて、そんな感じです。

毎日新聞:
 お話を伺っても直接的なメリットがいま一つ見えにくいんですが、恒久的に防災の協議をすることによって、奈良県としての防災に対する意識も高くなっているというふうなメリットがあるということなんでしょうか。

 あと、観光について、プロモーションすることによって、関空にたくさん航空便が来て、お客さんが来られて、それが広い意味で奈良のお客さん、インバウンドも増えてますよというようなことですか。

知事:
 関西広域連合に入った意味は、各県でそれぞれあると思います。だからあまり意味があるとかないとかという議論はないんですが、少なくとも集まって議論する意味は、多少なりともあるように思います。大きな意義がないと入っちゃいけないのかというと、入ってマイナスではない面もあると思いますが、マイナスの面は資源、特に職員の派遣。兵庫県なんかは随分職員を事務局に派遣しているんですよね。人的な資源が広域連合の業務にとられるのか、もう少し具体的な業務に張りつけた方がいいのかという効率性の議論はあろうかと思います。テーマの議論もあると思いますが、行政の効率性の議論はあろうかと思います。

 行政のやることが拡大して、一方で人口が減少して、効率性が悪くなっている中で、奈良県の模索している基本的な方向としては、県と市町村の連携で行政効率化を志向しています。広域連合の行政効率化の志向はまだあまり見えません。やることはあるけども、行政効率化のためにしようということは見えない。

 例えば、防災で行政が集まったら効率化する場合もあります。鳥取県と兵庫県で広域ドクターヘリをされました。これは両県をまたぐドクターヘリですが、結局兵庫の北と鳥取の地域で、あのあたりで1機あるといいねという効率性ですので、それは関西広域連合という大きな組織を用意しなくてもできる話です。紀伊半島では、関西広域連合に入ってない三重県と、奈良県、和歌山県で、紀伊半島のドクターヘリの共同運用をしています。それは連携の一つの形ですので、広域連合が絡まなくてもできる一つの例です。広域連合の中でもできることを広域連合で一体的にやろうという意見を言う人もいますが、行政効率的にはあまり効果がないのではないかと私は思うところがありますので、そのような意見も言っています。

 だからケース・バイ・ケースで、広域連合でやったらいいことは積極的にしてもいいし、あまり何でもすると大変じゃないかという意見も出ます。それも妥当な意見だと思います。だから何をしようかということを、井戸さんの提言と各府県市の知事・市長のいろんな意見をかみ合わせて、その都度議論が進んでいる状況です。

 奈良県にとっても、やはり行政資源を広域連合にたくさんつぎ込むというのは、慎重にしないといけません。拒否はしていませんが、慎重にしないといけないと思います。方向としてもっと多くつぎ込みたいのは、行政効率化という面では、市町村との協働・連携ということに行政資源、財源とか人的な資源、まちづくりにもっと頑張って検討しろよと指示しています。行政資源たる職員の働く時間、そのエネルギーのつぎ込み方は、広域に展開するよりも県域水道一体化などの足元につぎ込んでいるのが実情です。

 広域で展開する意味があると私自身が思うのは、淀川の水路の話ですね。これは流域広域連合、昔からそういう組織もありますので、そういうテーマを決めてやるのが広域連合の本質だと思います。包括的広域連合というのは関西広域連合が最初で唯一のものですので、県を超える広域連合は、淀川とか流域とか、あるいは空域、一部のドクターヘリとか、そういうことに限られるんではないかと思います。

 それと、プロモーションもいろいろな意見があって、合同でやっていい時と、それぞれ個別の味を出したほうがいい時とがあります。私の観光での持論は、関西というデスティネーション(=目的地、行き先)はないでしょうと。関西国際空港という飛行場はあるけど、関西というデスティネーションはないでしょうと言ってます。ふわっとしたエリアに何を見るんだと。奈良を見るとか京都の清水寺を見るとか訪れるとか、そういう小さなデスティネーションのエリアということになる。デスティネーションというのは、ここに行ってお昼を食べたということを「関西で食べた」と言ってもどこかで食べたという意味にしかならないので、関西というデスティネーションはないでしょうと、こういう言い方をしています。それはポスターを描くときに、大阪城のポスターか、大仏殿のポスターか。関西というポスターをつくるのは割と難しいんですよね。それは何度も経験しているので、プロモーション一つでも大変ですよということは言っています。

 そのときに、行動を関西広域連合のメンバーで共にすることは可能です。海外訪問などのトッププロモーションで、具体的なテーマは、京都が言ったら京都、奈良が言ったら奈良、兵庫が言ったら兵庫というふうになるのが普通ですので、関西全体で言っても関西国際空港のプロモーションはできますけどもね。そんなのが観光の特徴ですので、いろいろテーマのやり方を議論して、効果のあるようにするしかないじゃないのと井戸さんにも言っています。

毎日新聞:
 そうすると、今のところは引き続き2分野に限定した参加を続けるというお考えですか。

知事:
 そうですね。

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県有施設の耐震化促進について

毎日新聞:
 耐震化の話ですが、知事のリーフレットや政策集を見ても、耐震化に関する記載がほとんどない。

知事:
 それはあなたの主観的な見方だと思います。

毎日新聞:
 いやいや、主観的じゃなく、事実そうです。

知事:
 いや、そういう言い方から始まるのも変だと思いますが、いつもみたいに主観から始まるのは。別に反対しませんが、それは主観だということを思います。

毎日新聞:
 34項目ありますけども、耐震化にね、割いているページがちょっと少ないと、部分も少ないと。

知事:
 ページが少ないということを言っているのであれば、それならそのように言っていただくとよい。主観を入れないで、ページが少ないのではないかということから始めてください。

毎日新聞:
 それは何か理由あるいは思いがあれば教えていただきたいのと、それから、県有施設の耐震化ですが、県教委の場合は平成19年にガイドラインを定めて、Is値やコンクリート強度で最優先だとかランクを決めてやったんですが、1棟でもできれば耐震化率が上がるので、どっかの時点で耐震化率を上げるために優先をそっちのほうに振り向けたという形で、最優先をある意味ほったらかしにしたという部分は非常に不適切ですし、それは許されないことだと思うんですけども、やろうとしてたことはわからなくないですよ、その耐震化率を上げようという行為そのものについては。県の場合のこれまでの耐震化の取り組み、その優先度、どういうところに重点的に予算をつけてきたのかを教えていただきたい。

知事:
 まず、耐震化の字数が少ないということは、それは事実かもしれないが、それだけの話です。あなたの主観は主観なので意見が違っても別にいいが、客観的なように報道されるのはいつもながらおかしいなと思います。主観を客観報道するのは難しい話です。

 字数が少ないことの理由は、耐震化の話は急速にいろいろ進んでて、最近の事象を全部書き込めなかったわけです。聞かれたらもちろん言います。最新の情報を口ではお伝えできますからということです。

 マニフェストに書くのは量に限りがあります。その優先度は何ですか、大きな狙いは何ですかと、夢を書いている面もあります。それはマニフェストはそういう性格だということを承知で、みんな書くと細かくなるよと反論してるわけです。それが少ないよという人がいれば、私の関心事が書いてないのではないかというだけの話かなと私は思います。関心事はいろいろ違います。それは会ったときの人の反応でいろいろ言っていますので、ご心配なくと思います。

 耐震化の話については、最新のいろんな情報が出てるので、どんどん出すようにしてます。もしきちんと報道されれば、よく届くように思います。マニフェストに書いてあろうとなかろうと、正確にたくさん報道されたら、客観報道さえされれば、ある程度安心されると思います。今までの報道と随分違う内容になっているなと思われるに違いないと思います。それは最小Is値の受け取り方や、どこが危ないかということ、全部壊れるわけではないよということは最近やっとわかってきました。皆さんも、低いIsは全部壊れるというふうに思っておられたのではないですか。

毎日新聞:
 その危険性は低いんじゃないか。

知事:
 分からなかったでしょう、正直に言って。

毎日新聞:
 それは分からないと思いますよ。

知事:
 例えば文化会館で、(Is値)0.1幾つがあるということ、(部分崩壊の可能性が高いのは)裏の楽屋だということを調べてもらうとわかりましたが、僕が知ったのは最近です。県の職員も知りませんでした。それが言いわけになるかどうかは皆さんの判断ですし、皆さんも知らなかったのではないかと思います。その大きな国際ホールが潰れるかと、報道されたわけではないが、心配をされたということはあります。

 ただ、県有施設等耐震検討チームが立ち上がって、専門家の意見を踏まえると、どこが壊れそうだ、ここは壊れなさそうだというのが分かってきたのが現実です。施設の全部を立入禁止にするのか、危ないところだけ立入禁止にするのか、その区分けをしてくれとお願いしております。皆さんの報道を見ると、全部を立入禁止にしないのはおかしいという記事もありました。

 当たっているかもしれないが、当たっていないかもしれないという状況が続いていました。専門家に目を通してもらい、一部立入禁止する建屋があるというのを具体的に指示してもらい、使っていいところは、使っていいようにしようと考えています。文化会館の大ホールは使っていいよと判断されました。

 これは最近の話ですので、それはマニフェストでも書きようがもちろんないわけです。そういうことを進めております。

 ぜひ経過報道ですから、どんどんどんどん進んでいけば、上書きというほどでもないが、新しい情報が県民の皆さんに伝わるというのが大事なことです。

毎日新聞:
 うん、そのとおり。

知事:
 ぜひ経過報道をお願いしたい思います。また、施設の一部立入禁止も、ここは怖いですから立入禁止するという、そのようなことが競輪場であるようでございます。

 もう一つは、いずれにしても避難経路が不足していました。わからないといけないので、避難マインドを施設全体として持とうということを実行したいと思います。それは最近の出来事です。また、今までのことを振り返って、これは県有施設の話です。高校施設は教育委員会という一つの分野の壁ですから、別に主体が今度、裁判も出ていますが、教育委員会が裁判所で答えるという形になっていますので、答えてもらっています。教育施設と県有施設とでは直接責任の主体が違っていることは何度も申し上げています。

 その中で県有施設のことから申し上げますと、文化会館やほかの県有施設の耐震化不足はいつも気になっております、文化会館の例をとりますと、当時、五、六年以上前だと思いますが、耐震化がないというような方向でしたので、ないという意味はどういう意味かということも耐震化の道筋をつけるのに、大きな建物なので耐震性のないところを探して改修しようというプログラムをつくってやり出したという、手間がかかってきている面がございます。

 大ホールか、裏の楽屋なのか。裏の楽屋などは改修しようと、全面改修しようという計画案もできているわけです。そのために、これはそれだけやれば文化会館の耐震だけは進んでいたかもしれないが、美術館も一緒にしようという案にしたので少しおくれてしまった。これはどうとられるかわかりませんが、文化会館だけ耐震すればよかったのにという意見もいまだにあるかもしれません。

 しかし、県の考え方ということを問われると、入り口も悪いし、裏の文化会館の後ろも間取りが悪いし、裏は昔、図書館との合築になります。だから少し間取りが悪いということもあって、文化会館では耐震と間取りのリニューアルをあわせてしようということになりました。

 それと入り口を改修しよう、美術館も弱いから、美術館も一緒にしようということになりました。その必要な段取りからすると、美術館の後ろの建物を除去すると遺跡発掘が必要だということで、遺跡発掘したら、かまど跡が出てきたという段取りになってます。

 そのプログラム自身は、やり始めてからおくれてるわけではないですが、時間がかかってると私は思います。それは加速するということは可能だと思いますので、もう少し加速して、文化会館の改修まですぐにいくようにできればしたいなという気持ちは、改めて強く持ってます。

 もとから耐震改修しておけばよかったのにと思って検討を始めた施設でありますが、段取りはそんなふうにしてきてますので、その段取りについてのご批判はあるかもしれないが、ある程度正確に報道していただければ理解はされると思います。

毎日新聞:
 正確に報道するには、県から出される情報がやはりいろいろ不足しています。

知事:
 そうなのですか。

毎日新聞:
 残っている施設なんか見ると、西和医療センターや競輪場だとか、Is値だけ見ると、やっぱり低いものだけがいっぱい残っているとみえます。そうすると、やっぱり県教委と同じように数値の低いもの、時間のかかるものは後回しにしたんじゃないのかというふうに思えてくるんですが、その辺どうなんでしょう。

知事:
 どれほど危険なのかという認識について、私の記憶では、その検討を始めたときはIs値という言葉がありませんでした。ですのでIs値の低いところを後回したり、Is値が低くても早くできるところだけを先にしようとなど、そういう器用なことができなかった、しなかったというふうに記憶をいたします。

毎日新聞:
 むしろあれなんですか、予算のかかるところを後回しにされているんじゃないですか。

知事:
 予算は要りますが、後回しというのは言葉が悪いと私は思います。それは主観が入っていると思います。お金があればすぐにでもしますよという言い方もあると思います。

 私の気持ちは、お金でもあれば、文化会館にしろ、三室(西和医療センター)でも、すぐにでもしたいところはたくさんありますよ言いたいです。しかし、後回しということはないと思います。それは、意図的にするわけではございません。予算がかかるのでできなかったという面はあると思います。

毎日新聞:
 むしろ結果的にそうなったということですか。

知事:
 私の主観的な感じから言いますと、そういう言い方に近いです。後回しという気持ちは金輪際なかったけどなというつぶやきです。

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児童虐待防止対策

NHK:
 児童虐待、子どもの虐待についてお伺いいたします。ちょうど国のほうでも子どもがなぜ虐待されるのかというときに、親がしつけと称して虐待をしていると。だから民法の懲戒権、親が子どもを戒める権利を削除しようみたいな話が今出ていて、そういう動きについては知事、どういうふうにお考えですか。

知事:
 割と大事な点だと思います、いい質問ですね。子どものケアをする責任は誰がとるのかというのに、日本は割とまだ分かれているように私思います。自民党の一部に、これは保守的な考え方だと思うんだけども、親が一義的に責任持つべきだというふうな考えの人が結構強い。

 すると、顕著な虐待のリスクがないと早く家庭に戻せという意見になると思います。ところが、現実を見てみると、そういうことを言ってられないんじゃないかと思います。もうリスクがあれば早く引き取ったほうがいいんじゃないかと私、個人的には思います。

 こども児相に、リスクがあれば引き取るよと。そのときに親が反対しても引き取れるのかどうかというのが、今の法律的なポイントにもなると思います。親が、そんなことしないよといって引き取って殺してしまったというケースもあるんだから、なかなか難しいケースです。虐待のリスクがあればという、それは割と難しいところです。

 今まで殴ったけど、これから殴らないよと言われたら、今までの考え方だったら、大事にしてくださいねといって引き取ってもらってた。いや、それで死んでしまったときはどういうことだったのかを、考えなきゃいけないステージに立ってると私は思います。

 だからもう少し、これも勝手に政治的な方針で決められるわけじゃないんだけれども、こども児相のあり方、国からの方針が出ましたが、もう一つよくわからないとこがあります。国の児童虐待とこども児相の役割についての方針を読んでも、そこでわかんないことがあるんで、県と、今度奈良市がつくることになっている、こども児相という機能をどのように利用するか。

 やっぱり子どもを預かって、子どもが、生駒のケースかな、自分で電話かけてきて、引き取ったというケースがあります。今度親が帰るときにもとどめ置いたというケースがありますけども、子どもは嫌がっているのに親が連れて帰るというケースはまましばしばあります。そのようなケースもできるだけ引き取るようにというルールは、どのように立てられるのかということを検討を指示しています。

 これは知事部局だけでできるわけではございません。また大きな議論を呼ぶと思いますが、今のNHKさんの子どもと親という関係をどのように考えるかというのは、民法で考えるのか、また違う児童福祉法で考えるのか、法律ではっきりとしていないと私は感じております。

 国の児童虐待防止対策の緊急総合対策って、国はぱぱっとまとめるのうまいんだけど、2月8日に関係閣僚会議が出てますけども、今やるべきことはささっと書いてあるんだけど、今のNHKさんのご質問にも入ったけど、基本的なところ、やっぱり家庭観とか役割観がすごくちょっと分かれているとこがあるように私は思います。

 家庭かこども児相かということに我々の局面でははっきりできないと思います。家庭か、家庭でないというと児相と学校ということになります。学校は一時居場所ということだからね。本当に引き取るときは、家がわりになるのはこども児相です。

 そのためにこども児相をリニューアルして、居心地のいいようにしてくれ、体罰だけじゃなしに食事のネグレクトがあるケースもあるので、おいしい食事をとにかく食べさせてくれというのは、奈良県こども児相に、現場に行って方針を指示したところであります。

 こども児相に行くと、台所を中心場所にしたら、そこにいる子どもたちはすごく何か朗らかでハッピーなように思います。前はすごく寂しそうな感じだったけども。やっぱり場所、こういうとこにいても、後、育つんだからと。こういうふうに育てたいなというふうに思うとこがあります。

 だから親から引き離すというのは、子どもの安全ということからはとても大事なことの一つの要素だと思います。何でも引き離すというわけじゃないと思いますけれども。私はできるだけリスクのあるところは引き離して、子どもが帰りたいというような要件か、客観的にいいなという要件がそろうまで、うちは大丈夫だといって殺されてしまったらかわいそうじゃないですか。そんなふうに思います。

 こども児相の権能というのが、まだもう少しはっきりしていません。勉強すると言っていますので、ぜひ積極的にこども児相が動くような方向で可能ならば検討してくれと、こども児相の担当部局にこういうふうにお願いをしたところです。県はこども児相を持ってますので、その運営方針ということにもなると思います。

NHK:
 場合によっては、そういう何か取りまとめた対策だったり考えを、国にこうしたらいいんじゃないかという提案をするとか、奈良県として何かございますか。

知事:
 そういうこともあるかもしれません。国はどう考えてるか知らないけども、現場から見ると、こういうことはしなきゃ怖いよと。やっちゃいけないのかというふうな突っ込みは、それは積極的こども児相引き取りということについて、積極的な対応はいけないのかという保守的な家庭観の自民党の一部からは反発があるかもしれません。国会議員だと、圧迫受けるけど、地方政府だとそう圧迫受けないからという立場に今はあります。現場中心で考えられたらと思います。

読売新聞:
 関連で、以前、県議会で虐待に関して、情報を全件警察と共有することに対して、知事がそこまですることに対してはちょっと抵抗を感じるというようなことをおっしゃってたかと思います。千葉の事案だと、職員の方が恐怖を覚えてしまってああいった悲劇につながったという面もあると思います。ああいった事件を踏まえてお考えのほうはいかがでしょうか。

知事:
 情報の全件共有というのに私は反対しています。

 それは、警察の役割という点があるんですよね。警察は加害者をしょっぴくというか、罪をかぶせるということになるんですけども、我々は被害者を、可能性のある人を救うというのと対象が違う。警察の加害者対策をすると子どもは助かるのかという点になります。そのときに情報をどこまで共有してもらうのか。

 全件共有って、そんなに単純に言っちゃだめですよと言いたいです。マイナスの要素があるというのは、全件共有って、近所で、あそこで泣き声が聞こえますよというときに、そういうような、こども児相に近所の人からあると、警察に全部情報がいくということです。その場合は警察に言うときと言わないときとがあるようですけども、そうしますと、通報した人が誰かとかね、その根拠があるのかというふうに、警察の手法というのはまたちょっと違うので。親は、例えば虐待してて通報されたというと、余計隠されるという弊害があるという心配をしてます。

 だからどういうふうにすればいいのか。そのときは警察に通報すればどのように扱うのかというとこまで見えてくると、そういう扱いを警察がするなら通報するのに適切だというとこまで行くじゃないですかというふうに、警察と私、直接話ししました。

 すると、そういう場合にどのような扱いをするのかって、ケース・バイ・ケースだから一概に言えないというとりあえずの返事です。それじゃみんな(虐待)やって、家に隠されてしまって被害が漏れないと、監禁ぎみになったときは困るじゃないのというようなことで終わってるんです。だからこういうケースは警察に言ってもらうとこういうふうにするから、安心です、大丈夫ですというふうな道筋を教えてください。その必要な情報を提供するようにしましょうと、今、協議してます。

 すると、必要な情報の内容の積み上げをしようというふうに指示してますので、奈良県のこども児相と警察は、こういう情報は共有したほうがいい、それが結果的に全件になっても別におかしくないと思います。

 最初から全件というのは、ちょっと荒っぽ過ぎるんじゃないのという言い方をしています。だからそういう意味で、全件共有という、その言葉が誰が考えたか、見出しになってるのには一応反対しています。

 検討の積み重ねで、全件になったり、こういう情報は全部言ってくれたらこのように扱うからというふうにわかってくればいいんですけども、警察の対応の仕方もまだ標準化されてないとこもあります。そんな状況で、検討を進めてますということです。

司会:
 よろしいですか。ほかにご質問はよろしいですか。
 幹事さんは、よろしいでしょうか。
 これで知事定例記者会見を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先: 奈良県広報広聴課 報道係 TEL 0742-27-8325 hodo@office.pref.nara.lg.jp

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