天理よろづ相談所病院
ジュニアレジデント
浜川 綾子(はまかわ あやこ)先生
研修期間:2011年4月~2013年3月
出身:大阪府東大阪市
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2010年度
(※所属は2012年3月インタビュー当時)
〒632-8552 奈良県天理市三島町200番地
TEL:0743-63-5611
FAX:0743-63-1530
病院URL:http://www.tenriyorozu-hp.or.jp/
- 医師を目指したきっかけを教えてください。
- 父も医者なのですが、父が医者として働く姿をよく見ていました。患者さんと接している姿や感謝されている様子を見ていて、いつしか自分も医者になりたいと思うようになりました。
- 学生時代のお話を聞かせてください。
- 軽音楽部でビッグバンドジャズをやっており、私はトロンボーンを担当していました。練習は休みなく参加することが当然で、勉強との両立も大変でした。ビッグバンドは一人が上手くても駄目で、みんなが上手くなって初めて良い演奏ができるので一緒に頑張りました。協調性の大事さを知り、仲間と共に充実した学生生活を過ごすことができました。
4年生の時には、演奏の要であるコンサートマスターを務めさせて頂きました。ソリストとして演奏する時は緊張しますが、大勢の前に立つ度胸が身に付いたのでとても良い経験になりました。
- ポリクリについて教えてください。
- 5年の時に2週間かけて各科を回りました。外部のポリクリについて、6年の時に軽い気持ちで今の病院に行かせて頂きました。現在ここで研修を受けている現実を考えると、やはり、「ご縁があったんだ」と思います。
- 研修の中で良いところについて教えてください。
- 研修に歴史というか伝統を感じる時がありますね。随分以前から長い時間をかけて地道に積み重ねてきたもので、それが屋根瓦方式の教え方に現れている気がします。入ってすぐの4月か5月に、「これから先生がこの患者さんの主治医ですのでよろしく」といきなり言われるので驚きです。知識はある程度あるものの、ついこの間まで学生だった訳ですから、実際の医療は何もできません。一緒の病棟にいる1年先輩の初期研修医の先生に根掘り葉掘りお聞きして、何とか対処をしていきます。それでも対処できない場合は、後期研修医の先生にお聞きすることもあります。
それを繰り返すうちに、医者としての自主性や患者さんに対する責任感が育つのだと思います。
- プログラムの特徴とこれから進む専門(後期研修)について教えてください。
- 私は麻酔科専攻コースを選択していますので、後期研修については、麻酔科に進むつもりです。
一般コースと特別専攻コースの違いとしては、一般コースは総合内科を10ヶ月、特別専門コースは総合内科を8ヶ月回ります。一般コースは2ヵ月の選択時期がありますが特別専門コースは選択時期がないかわりに、1ヵ月の救急研修と自分が将来専攻する診療科を3ヵ月回ります。
- 研修の中で勉強になったことを教えてください。
- この病院では、朝と夕方2回病棟を回診しなさいと伝統的に言われています。2回病棟に行くと患者さんも喜んでくれますし、やはり医者の立場としては患者さんの朝の状態と夕方の状態の変化を見逃さないために必要なことだと認識しています。屋根瓦方式で、1年先輩の先生が我々の一番身近な存在ですので、学ぶことはとても多いですね。1年先輩の先生も私たちの質問に全て答えられる訳ではありませんが、一緒に一生懸命考えてくれます。それでも答えが出ない時には後期研修医やスタッフの先生の所に一緒に聞きに行ってくれます。来年は私も聞く立場から聞かれる立場になり、自分が理解するだけでなくそのことを1年目の研修医に教えなければいけませんので、大変になりそうですが、教えるということも自分の勉強になると思います。
- 失敗談をお聞かせください。
- 熱の出た患者さんが来られて処置をした後、比較的元気だったので指導医の先生と相談して帰宅させることにしたのですが、翌日来てみたらその患者さんが肺炎を起こして緊急入院していました。肺炎は色々な原因で起こるので難しいのですが、もう少し患者さんの症状について色々な話を聞いていれば何か気付くことができたのでは、と後悔しました。
- 研修医や他職種の方とのコミュニケーションについてはいかがですか。
- 屋根瓦方式のため、研修医同士のコミュニケーションは充分足りています。また、他職種とのコミュニケーションについては、患者さんの退院支援で看護師さんやソーシャルワーカーさんなど関係者が集まる会議に呼ばれたりもしますし、患者さんに対する説明を看護師さんから求められることもあります。各職種の方々の意識レベルがとても高く、担当に対して業務上の色々な質問が常にあるので、患者さんを中心に各職種間のコミュニケーションはかなり密に取れている気がします。
- カンファの雰囲気について教えていただけますか。
カンファはかなり多いと思います。沢山の先生方がいらっしゃるので色々な専門的な意見が聞け、身が引き締まる思いです。
もちろん個人的な勉強の場でもあるのですが、特にCPCの場合は、もし同じような症例の患者さんがこられた場合にその命を救うためにやっている事ですので、とても大事なことだと認識しています。
- 今まで一番嬉しかった場面を教えて頂けますか。
- 小児科を回っていた時に、生まれたばかりの赤ちゃんが熱を出してぐったりとした状態で運び込まれて来ました。診察する中で、少し違和感があったので髄膜炎を疑って検査をしたところ、思った通り髄膜炎でした。髄膜炎はとても怖い病気ですが、2週間ほど抗生剤の点滴をしたところ、とても元気に泣きオッパイも沢山飲めるようになりました。とても嬉しかったことを強く覚えています。
- 休日はどのように過ごしていますか。
- 受け持ちの患者さんがいる時は、朝、患者さんに会いに行きます。何事もなければ、昼までに終わることが多いので、その後自宅でのんびりするか、体力が余っていれば、京都や大阪に遊びに行くこともあります。週末は、同僚と飲みに行くこともありますね。
- どんな医者になりたいですか。
- 患者さんが元気になってくれるのが一番なので、病気を治す事も大事ですが、患者さんが家に帰ってからのことも考えられるような医療を心掛けたいと思っています。
- 医学生に向けてメッセージをお願いします。
- 天理よろづ相談所病院を研修先として選んでよかったことは、一生の付き合いができる沢山の優秀な同期に出会えたことです。私のかけがえのない財産です。多くの時間を病院で共有し、共に悩み、共に喜んだことは、まだ一年しか経っていませんが既に強く心に刻まれています。
ぜひそんな素晴らしい仲間と出会えるうちの病院に来てみてください。お待ちしています。
- タイムスケジュール
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06:00 起床、準備 07:00 朝のラウンド 07:30 早朝カンファレンス 08:30 病棟業務 10:00 カンファレンス 昼食 12:00 病棟業務 15:00 カンファレンス 16:00 夕方のラウンド・病棟業務 18:00 カンファレンス 19:00 病棟業務 20:00 勉強・夕食 21:00 帰宅・家事 23:00 就寝