県政だより奈良

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見出し さりげない歓迎が松山流
誇りと美風が息づく町

 かつて城下町として栄えた宇陀市大宇陀区松山地区。今も栄華をとどめる重厚な商家などが軒を連ねます。去年、宇陀松山の町並みが国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、さらに多くの来訪者を迎えるようになりました。
 大宇陀の代表的イベント「かぎろひを観る会」は、今年36回目。約1000人が毎年、夜明け前の光景を見守ります。「町に愛着があるから、見に来て、といえる。誇りがなければ、おもてなしの心は生まれませんよね」と話すのは、「大宇陀まちおこしの会」(会長・森本光俊(もりもとみつとし)さん)の裏宗久(うらむねひさ)事務局長。毎年夏に開かれる、住民主導の町並みライトアップイベントでは、訪れる人に自宅を公開する住民も増えているということです。「光に照らされた民家を見ながら、お年寄りが孫に『きれいやねえ。よその町に来たみたい』といって目を細めている。イベントや情報発信は、住民が町の良さを見直すことにつながるようです」と、交流がもたらす活性化にメンバーらは期待を寄せています。 
 長い町の歴史は、住民共通の気風を作り上げてきました。通りの打ち水や掃除は入念に。来訪者が散策していれば、車はクラクションを控えてそっと脇を過ぎていきます。「さりげないおもてなしこそ大切にしたいのです」(森本会長)。にじみ出る美風は、人から人へ確かに伝承されています。

 

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