今月のポスター
平成20年度 人権啓発ポスター優秀作品
大和高田市立高田中学校3年 長谷川 麻妃(はせがわ あさみ)さん
心の居場所
今年も帰省ラッシュの季節を迎えた。ある時、「奈良で何が一番おいしいか?」と、たわいのない会話をしていた時に、「実家で作った柿の葉寿司が一番うまい」と言った同僚がいた。そう言い切れるとは、なんて幸せな人だろうとつくづく思った。そして自分はいつ、どこにいても、思い出せるような「故郷」のイメージを、たとえ一つでもわが子に残してきただろうか、とふり返ってみた。
「故郷」のイメージ。目を閉じれば、子どもの頃通った道やお店、近所の人たちの声、夏の草の匂いや氷水の冷たさが、さっと五感に蘇(よみがえ)ってくる。誰にも、そんなひそかな心の居場所があるのではないだろうか。日々の生活に追われて、故郷へ向かう電車に乗ることもめっきり減ったが、逆に、「故郷」を心の居場所として感じることは増えてきた。いつでも、駆け引きのない笑顔でもてなしてくれる家族や地域の人たちの存在、そんなイメージに支えられてがんばれる事が今の小さな幸せだ。
どんな小さな微笑みやひと言でも、もらった人にとっては永続する安心な心の居場所になるかもしれない。そんな気持ちで人に向き合っていきたい。私から、あなたと、みんなで。