石舞台から少し足を伸ばせば、そこは稲渕(いなぶち)・栢森(かやのもり)・入谷(にゅうだに)の集落からなる「奥明日香」。四季折々の自然に彩られた棚田が広がり、やさしく懐かしい日本の原風景が出迎えてくれます。実はこの景観は、地元の人たちの尽力のたまもの。「棚田オーナー制度」や「かかしコンテスト」をはじめ、数々のイベントを展開。花の種を蒔き、もみじを植えるなど、訪れた人がホッと癒される里山の風景を守り続けています。
この奥明日香のくつろぎ所として、人気を集めているのが「ふるさとの食 奥明日香さらら」です。地元の主婦が中心となり「奥明日香の魅力をもっと知ってもらいたい」と始めた郷土料理の食事会が評判に。今春からは古民家を改修して本格的に営業しています。振る舞うのは古代米入りごはんに手作り豆腐や生芋からのコンニャク田楽、真芋(まいも)のほっこりあんかけなど、とれたて野菜や山菜による“地物”料理が10数品も並ぶ「さらら膳」。手間をかけ、工夫を凝らした“奥明日香の味”は滋味豊かで奥深く、口コミやリピーターが続出。遠方からも多くの人が訪れるようになりました。
「棚田を愛でて、ここでゆっくりくつろいで。歴史ロマンを感じる周辺を散策されるのも楽しいですよ」と代表の坂本博子さん。「奥明日香を心ゆくまで味わってください」
「奥明日香さらら」を運営するのは「神奈備の郷活性化推進委員会」の活動がきっかけで発足したグループ「さらら」。
「さらら膳」は2,500円。旬の“地物”が並び、「奥明日香の魅力が味わえる」と好評。
13回目を迎える「かかしコンテスト」。期間中には約3万人が見物に訪れる。今年のテーマは昔話で、写真の巨大かかしは一寸法師と赤鬼。
春はレンゲに菜の花。夏は緑が萌えて、秋には彼岸花。その頃、棚田は黄金色に染まり、冬には稲わらの積み上げが風情をかもす。
「奈良・もてなしの心推進県民会議」では、生き生きとした生活や交流を育むまちづくりを実践している地区を、「もてなしのまちづくりモデル地区」として認定。明日香村奥明日香地区もその一つです。
「第13回明日香神奈備かかしコンテスト」
とき
11月中旬まで展示
所
明日香村稲渕「かかしロード」
問
棚田ルネッサンス実行委員会 かかしコンテスト事務局
(財)明日香村地域振興公社
0744・54・9200
稲渕の住民や棚田オーナー、一般参加者らによるユニークな
手作りかかし(約60体)が棚田の農道「かかしロード」に展示される。
「ふるさとの食 奥明日香さらら」
所
明日香村栢森137
問
0744・54・5005
URL
http://okuasukasarara.kir.jp/
0744・54・5005
「さらら膳」は完全予約制。営業:毎週木・金・土・日11:00〜16:00
アクセス/かめバスで栢森下車
※
徒歩2、3分。
※
近鉄橿原神宮前駅から「周遊バス(赤かめ)」、近鉄飛鳥駅から「循環バス(金かめ)」 で、健康福祉センターへ。 乗り換えて「金かめ」で栢森へ。