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   年を重ねる毎に、郷里への思いが強くなっています。ニュースを伝える慌ただしい日々の中でも、よく帰るようになりましたし、東京・日本橋に出来た「奈良まほろば館」でゆかりのものを求めては、改めて奈良の魅力に感じ入っています。
 奈良高校に通っている時には、授業中に教室の窓からぼんやりと見る、東大寺の大仏殿や春日大社の原始林、興福寺の五重塔が、大好きでした。そして、「悠久」という言葉がぴったりの、遠くから旅してきたと思える風の匂いを感じることがたまらなく好きでした。なんと贅沢(ぜいたく)な時間。先生、すみません。
 今年のなら燈花会、県庁の屋上展望スペースで開催された「空中大和茶カフェ」では、丁寧にいれられた大和茶の美味しさに感嘆しながら、陽が沈み刻々と色が変わる眺望に、高校時代のことを思い出していました。テニスに明け暮れたこと、泣いたり笑ったり大騒ぎしたこと。国の宝に囲まれた地で思い出を刻んできたことが、こんなに嬉しく思えるとは、あの頃の私は知りませんでした。子供心にちょっと面倒だった週末ごとの寺社巡りも、親に感謝するばかりです。
 1300年祭は、多くの人が、自分なりの奈良の魅力を再発見出来る機会になれば嬉しいと、「奈良好き」の私は切に希望しています。