日本で唯一の柿専門加工食品会社とお聞きしましたが、
なぜこの会社を始めたんですか?
形が良くなかったり、虫に食われていたりして、商品にならない柿が毎年500トンも捨てられていくのを、小さい頃から見るに耐えなかったんです。捨てられる柿をどうにかして活用できないか。行き着いた先が、付加価値の付く食品加工でした。捨てられる柿を買い取ることで、農家を支え、産地活性化にも貢献したいという思いで、この会社を始めました。
どういった加工食品を作ってるんですか?
「柿ケーキ」や干し柿のシャーベットを吉野本葛餅で包んだ「柿こーり」などいろいろ作っています。11月からは「柿酢ゼリー」を発売します。健康に良く、スッとする柿酢をストローで飲むタイプのゼリーです。抗菌作用など様々な効能があって昔から民間薬として使われていた柿渋を加えたものも作っています。
柿渋といえば
臭いイメージがありますが…。
このゼリーには、無臭の柿渋を使っているんですよ。無臭の柿渋を高速抽出する技術を、県の農業総合センターが持っていると聞きまして、うちと農協との連携に参加してもらいました。それが平成20年に第2回農商工等連携事業計画に認定されました。県の技術支援を受けつつ、農協の方から提供していただいた柿を加工して、新たな商品開発に日々努力を注いでいます。
いろんな商品を次々に開発されていますが、何か秘訣はあるんですか?
年に1つは新しいものを生み出したいと考えています。ひとつのものをずっと守り続けるのも大切ですが、それだと会社に活気が出ない。だから、何か新しいものを生み出せないかといつも柿のことばかり考えています。旅行に行っても、柿の商品開発に生かせるものはないか?という頭しかなく、息子たちにはあきれられています(笑)。人とは違うことがしたい。そんなポリシーが新たな商品開発のヒラメキへとつながっています。
最後に若者へのメッセージをお願いします。
うちの社訓でもありますが、「誠意・熱意・創意」が大事。誠意がある人はたくさんいる。あとは、熱意と創意があれば成功できると思います。うちも、若者が帰って来て働ける場所を提供できたらと思っています。過疎化が進むここ西吉野に、少しでも活気を取り戻したい!最後はやっぱり、誠意と熱意と創意なのです。
|