奈良に新しく生産拠点を移した理由を教えてください
本社は東大阪市にありますが、従業員の労働環境改善と、環境に配慮した設備の充実のために新しい工場が必要だと考えていました。そんな時、県の企業立地推進課の方から熱心に勧められ、歴史と文化と自然のある奈良に魅力を感じ、移転を決めました。
工場の片面をガラス張りにしており、まもなく完成予定のカフェテラスで、おいしいコーヒーを飲みながら、生産工程を見学していただきたいと思っています。
奈良工場では何を作っているのですか?
家庭用のレギュラーコーヒー*を作っています。もともと喫茶店など業務用コーヒーの製造販売をしていましたが、10年前に「これからは喫茶店でコーヒーを飲む時代から、家庭で飲む時代になる」と考え、家庭用コーヒーの製造を始めました。
新規導入したブラジル製の焙煎機は、国内ではまだ1台。匠の技を忠実に再現し、製造時に発生するコーヒー豆のかすも有機肥料に加工できます。
*レギュラーコーヒー…インスタントコーヒーとは違い、豆から淹(い)れるコーヒー。
モットーはなんですか?
ずばり「限界への挑戦」です。大企業のような知名度がない分、品質と価格で勝負しています。お客様に、どこまで満足していただけるか。ご不満の声があれば、すぐに緊急ミーティングを開き、商品の改善点として生かしています。
今後の目標は?
コーヒーは、世界で一番飲まれている飲み物なんです。うちはそのコーヒーで癒しと心地良さを届けたいと思っています。今後、古(いにしえ)の心のふるさと奈良にふさわしい奈良ブランドを立ち上げたいと考えています。最高級の商品を開発して、基幹商品に育てたいですね。また、今後5年間で10億円の売り上げ増と県内雇用を増やしたいと考えています。
御社を希望される若者へは?
今の若者は夢がないとよく言われますが、昔だって夢なんて持てませんでしたよ。ただ昔は、現実としてなすべきことがそこにあった。そして自分なりに努力して成功すると、それが自分の職業だと思うようになる。そうすると夢が持てるようになるのです。何がしたいかではなく、何をすべきかではないでしょうか。 |