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中国・韓国とのゆかり探訪
中国・韓国とのゆかり探訪 1300年前に海を渡ってきた文化は奈良から日本各地へと広まった 中国・韓国とのゆかり探訪
法隆寺―世界最古の木造建造物にも中国・韓国とのゆかりが
 法隆寺は聖徳太子ゆかりの寺院で、境内には飛鳥時代をはじめ各時代の建造物が軒を連ねています。西院(さいいん)の金堂、五重塔、回廊、中門は優れた意匠を持つ世界最古の木造建造物で、日本で最初の世界遺産に登録されました。日本には8世紀以前の木造建造物が28棟現存しますが、このうち10棟が法隆寺に所在し、寺院の七堂伽藍(がらん)すべてが国宝に指定されているのは法隆寺だけです。
 西院伽藍の雲形肘木(くもがたひじき)、人字型割束(にんじけいわりづか)、卍崩(まんじくず)しの勾欄(こうらん)と呼ばれる建築技法は、7世紀以前の中国のものが朝鮮半島を経由して奈良に伝えられたものです。
 また、数々の仏像にも中国・韓国とのゆかりが見られます。例えば、金堂の須弥壇(しゅみだん)中央に安置される釈迦三尊(しゃかさんぞん)像は、仏教が百済から日本に伝来して初めて造られた仏像の一つで、朝鮮半島からの渡来人の子孫・鞍作止利(くらつくりのとり)により造られました。その彫刻様式は止利様式と呼ばれ、中国北魏(ほくぎ)の仏像様式の影響を強く受けています。「平面的で浮彫(うかしぼり)的な表現で奥行きがない正面観賞の重視」「分厚い表現の衣文(えもん)や左右対称の像様」「楕円形の面長の顔で杏仁形の目を持ち、笑みを浮かべる口元と表情」などの特徴があります。この様式は朝鮮半島を経て日本に伝来したと考えられています。
 これらの点に注目して、法隆寺を拝観してみてはいかがでしょうか。
七堂伽藍すべてが国宝に指定されている法隆寺の境内 七堂伽藍すべてが国宝に指定されている法隆寺の境内
【法隆寺】
JR法隆寺駅から、奈良交通バス「法隆寺門前」行き、法隆寺門前下車すぐ。
問 県国際観光課
tel 0742・27・8553
fax 0742・23・0620



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