自然な触れあい |
あれは確か私がまだ小学生だった頃、世の中では、「日本の国際化がこの先どんどん進んでいく」、「日本はもう国際化社会の仲間入りをしている」などとよく言われていました。子どもながらに、自分が大人になった時の国際化した日本はどうなっているのだろうと漠然と考え、さまざまな国の人々が自分の家の前を行き交う姿をイメージしたものです。といっても私の日々の生活は小学校と家の往復ばかり。外国人に出会うことなど一度もなかったように思います。強いて言えばテレビで英語を教えてくれる日本語の上手な外国人が、私にとっての身近な外国人でした。
あれから数十年たった今、多くの外国人が奈良県を訪れたり、奈良県に住んだりするようになり、電車やお店で席が隣り合わせになることも多くなりました。そんなとき、子ども時代にイメージした国際化社会では、様々な国の人々が交じり合い、自然に触れあいつつ暮らしていたことを思い出し、ふと考えます。「外国人ということを必要以上に意識することなく自然に触れあえる世の中になってきたのかなあ」と。 |
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