日本で最初に卵パックを作られたとお聞きしましたが、なぜ卵パックを作ろうとされたんですか？
卵は消費量があまり減らないだろうと思い、また当時は、スーパーマーケットが増えてきた頃だったので、流通が盛んになって安全に運べる卵パックが必要になると考えたからです。

ＡＰＥＴ樹脂製に、いち早く素材を変更したのはなぜですか？
以前は塩化ビニール製が一般的でしたが、ダイオキシン問題が生じたときに、「今後は環境に配慮した企業の製品が求められるようになる」と考え、思い切って変更したんです。他企業が安価な塩化ビニール製を作り続けている中で、最初は値段も高かったので、売れずに苦労しましたね。

それが今や全国のトップシェアですね。成功の秘訣はどこにあると思いますか？
当社の経営方針である「Ｑ（クオリティー：より良い商品）・Ｃ（コスト：より安く）・Ｄ（デリバリー：より速く出荷）・Ｖ（バラエティー：多くの種類を揃える）」を徹底したからだと思います。ＡＰＥＴ樹脂への転換はこのＱ（クオリティー）に当たります。以前は中堅クラスでしたが、徹底したコスト削減（C（コスト））で価格を大幅に下げることができ、トップシェアに。コスト削減のため、原料シートも外注せず自社で製造するようにしました。初期投資はえらいかかりましたけどね（笑）。やっぱり楽したらアカン！人ができんことをやらんと。

本社を東大阪から奈良へ移転されていますが、これはどうしてですか？
当東大阪は家が建て込んできたため、広い工業団地を探していました。そんなとき、奈良は近くにあり、災害もなく、世界遺産があるなど知名度もあることから、移転を決めました。今では社員のほとんどが奈良県出身です。

最後に、御社への就職を考えている若者へ一言お願いします。
当社の社員には「社長になった気持ちになれ」といつも言っています。社員一人一人が社長の気持ちでやる気を出せば、会社全体が活気づく。今の若い人にはもっと成功欲・出世欲を持って、
「人のできんことをしよう」
という気持ちでいて欲しいですね。