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人権コーナータイトル
幼い命に思いを馳(は)せる
 子どもとの関わりで、2つの顔を持つ私。1つは、児童虐待対策に携わる私。もう1つは、2人の娘を持つ父親としての私。1つ目の顔は、桜井や月ヶ瀬の死亡事件など凄惨(せいさん)な事件にも直面した。
 私の心に深く刻まれているキーワードがある。「美祈(みのり)」(命の灯火(ともしび)のための美しい祈り)。次女の名前とその由来。
 15年前、次女の誕生。緊急手術、この世に生を受けたその子はわずか900グラム強。誕生の瞬間、それは、NICU(エヌアイシーユー)という小世界での、小さい命の、数か月に及ぶ死との戦いの始まりだった。
 その間、幾度も、死を覚悟した。親にできることは、子の生命力を信じ、命の火が消えないことを祈ることだけだった。
 親族も祈ってくれた。病院スタッフも、入院中のお母さんたちも祈ってくださった。本当にありがたい、心のこもった祈り、美しい祈りだった。
 美祈により、救ってもらった命。以後、その命から、沢山の贈り物をもらっている。それらは、アルバムに、心の中に、そして、私の人生に、しっかりと刻まれている。
 子育ての中、イライラもした、反省すべきしつけもあった。悩み事も絶えない。子育てに悩む親の気持ちも理解できる。
 しかし、子育て中のみなさん、今一度考えて欲しい。与えられた命の大切さと子育て中の最高の贈り物の数々を。

今月のポスター
今月のポスター
県立高円高等学校 3年 
樋口 詠理(ひぐち えり) さん

 

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