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「元興寺」は、飛鳥寺(5月号で紹介、当時は法興寺(ほうこうじ)と呼ばれていました)が、遷都にともない718年に平城京に新築移転し、改称されたものです。「法興」も「元興」も「日本で最初に仏教が興隆した」という意味です。移転当時の元興寺には広大な土地と伽藍(がらん)があり、猿沢池を挟んで「北の興福寺」「南の元興寺」と呼ばれていました。現在の「ならまち」がかつての元興寺境内だということなので、当時の広さが偲(しの)ばれます。
元興寺の伽藍の北にあった僧侶の寄宿舎の地域が、現在の極楽堂と禅室のある場所です。その極楽堂と禅室には、飛鳥寺創建時の瓦の一部が今でも使用されているといわれています。日本で初めて造られたといわれるこの瓦は、百済(ペクチェ)の国王により派遣された瓦博士が造ったとされ、韓国の扶余(ブヨ)の瓦ととてもよく似ていることからも、当時の深い関係をうかがい知ることができます。
瓦は修復等により葺き替えられてきたため、作られた年代により色が違います。そのため、赤褐色・黒系は飛鳥時代、白系は奈良時代、グレーは昭和時代と、見分けることができます。
元興寺では、毎年7月になると桔梗(ききょう)が美しく咲き、他にもサルスベリ、酔芙蓉(すいふよう)など次々に見頃を迎えます。花々が揺れる世界遺産の境内で、1300年以上受け継がれてきた日本で一番古い瓦を見つけてみる…そんな夏の一日を過ごしてみるのはいかがでしょう。 |
※韓国・北朝鮮の地名や人名などは韓国語の発音でルビをふっています。 |
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国宝元興寺極楽堂・禅室 屋根 |
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桔梗 |
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【元興寺】
近鉄奈良駅から奈良交通バス天理行・下山行のいずれかで「福智院町」下車。西へ約400m。JR奈良駅から市内循環バス内回り「田中町」下車。北へ約500m。 |
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県国際観光課 |
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0742-27-8553 |
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