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中国・韓国とのゆかり探訪
中国・韓国とのゆかり探訪
 奈良市北部にある般若寺は、寺伝によれば飛鳥時代に高句麗の僧、慧灌(へぐぁん ※1)が創建したと伝えられ、奈良時代には、卒塔婆(そとば)や伽藍(がらん)が整えられ、聖武天皇の勅願(ちょくがん)もあったとされ繁栄を誇りました。その後、1180年の南都焼き討ちで焼失しましたが、復興が図られました。その際、南宋(なんそう)の明州(みんちゅう ※2)(現在の寧波(にんぽー ※3))から来日した石工・伊行末(いしんもう ※4)によって、高さ14mの石造十三重塔が建立されました。また、伊行末の長男・伊行吉(いぎょうきち)が建てた2基の笠塔婆(かさとうば)も境内にあります。この笠塔婆は、伊行末の一周忌にあたる、1261年に建てられており、「父の追善供養のためと母の息災延命を願って建立した」という意味の銘文が、笠塔婆の下方に刻まれています。
 伊行末とその子孫は、その後も奈良を中心に活躍し、多くの名石造物品と仏像を残しました。例えば、東大寺南大門の石獅子や法華堂(三月堂)の石灯籠、宇陀市にある大野寺の弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)、同じく宇陀市にある大藏寺(おおくらじ)の十三重塔をつくりました。
 般若寺では、9月中旬から11月中旬にはコスモスが見頃となり、約10万株のコスモスが参拝者を出迎えます。また、9月26日から11月13日の間、十三重塔に納められていた白鳳金銅阿弥陀如来仏などの秘仏が公開されます。
※1〜4 中国・韓国・北朝鮮の地名などは、その国の言葉でルビをふっています。日本語読みは次のとおりです。
※1 えかん ※2 めいしゅう ※3 ねいは ※4 いぎょうまつ なお、読み方には諸説があります。
石造十三重塔とコスモス なら仏像館展示室
【般若寺】
近鉄・JR奈良駅から奈良交通バス青山住宅行・州見台行のいずれかで「般若寺」下車北西へ約300m
問 県国際観光課
tel 0742-27-8553
fax 0742-23-0620



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