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中国・韓国とのゆかり探訪
中国・韓国とのゆかり探訪
 岡寺(龍蓋寺(りゅうがいじ))は、天武天皇の皇子、草壁皇子が住んだ岡宮跡に、義淵(ぎえん)僧正がおよそ1300年前に建立したと伝えられています。義淵僧正は、当時の仏教界の最高責任者で、社会事業にも貢献した行基や華厳宗を開いた良弁など多くの弟子を持つなど、日本の法相宗の開祖と評価する意見もあります。
 岡寺の本尊は、奈良時代の如意輪観音坐像で、像高4.5メートルという塑像としては日本最大の仏像です。この塑像は、弘法大師がインド・中国・日本の土を練り合わせて作ったとも伝えられています。
 また、重要文化財に指定されている天人文甎(てんにんもんせん)は7世紀後半に作られたのもので、しなやかな天女がレリーフ状に表されています。この天女の姿は、韓国・奉徳寺(ぽんどくさ ※1)の鐘に表された天女とよく似ています。この鐘は、新羅(しるら ※2)35代の景徳王(きょんどくわん ※3)が亡き父のために作りはじめ、771年に次の恵恭王(へごんわん ※4)により完成された大鐘です。天女のレリーフは、ガンダーラ地域が起源とされており、中国でショールなどの装飾的な天衣をまとった天女の様式が確立され、朝鮮半島や日本に影響を与えたと考えられているため、よく似た姿になったものと考えられます。
 11月下旬から12月上旬にかけて紅葉が岡寺を囲むように色付きます。秋のひととき、各国との繋がりを感じてみるのはいかがでしょう。
※1〜4 固有名詞等は、その国の言葉でルビを振っています。日本語読みは次の通りです。
※1 ほうとくじ ※2 しらぎ ※3 けいとくおう ※4 けいきょうおう
なお、読み方には諸説があります。
紅葉の岡寺 紅葉の岡寺
 
天人文甎(レプリカ)
(実物は京都国立博物館に寄託)
天人文甎(レプリカ)
【岡寺】
近鉄橿原神宮前駅東口から奈良交通バス飛鳥駅行き又は岡寺前行き「岡寺前」下車、徒歩約500m
問 県国際観光課
tel 0742-27-8553
fax 0742-23-0620



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