ともに働く |
知的障害のある高校生が、職場実習に取り組んでいた工場での出来事です。その工場は、海外から来られている方が多く、言葉でのコミュニケーションが取りにくいことも少なからずあったようです。
この工場で作業に汗を流していたある日、その実習生は、休憩時間に右手を握り閉めてニコニコしていました。現場の主任さんからお話を聞いてみました。ある海外からの女性従業員さんが、重い荷物を一人で持ち上げていたところ、その実習生が、そっと近づき、快く手伝ってくれたそうです。そのことが嬉しくて、ポケットの中にあったキャンディーをプレゼントしてくださったとのことでした。その従業員さんは、日本に来られて日が浅く、日本語で気持ちをうまく伝えることができなかったとのことでした。
ともに同じ職場で汗を流す者同士、心を伝え合うことは、言葉だけではないことを教えられた一コマでした。
彼は学校を卒業した後、この工場に勤めて3年目になります。真心を伝えることのできる社会人として今後ますます成長してくれることと思います。 |
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