「シューカツ」「コンカツ」のなかで |
いつ頃からだろうか、「就活」や「婚活」という言葉が若者たちをとりまくようになったのは。就職も結婚も、本当に厳しい時代となったものだと、今日ものんきにカラオケに出かけた娘を思い出しながら、また新聞に目を落とした。
それにしても、昔も今も、就職と結婚は人生の旅路の一里塚として、その存在感が決して小さくないことに変わりはないのだと、あらためて気づかされる。それだけに、若い人たちには、生き生きと仕事ができ、また心の通い合う伴侶に出会えることを願わずにはいられない。
しかし、一方で、憲法で保障されているはずの基本的人権を、踏みにじるような出来事が、いまだに起こっている。結婚や就職選考に際しての身元調査だ。同和地区がどこなのか、行政機関に問い合わせをする人もいる。このような人は、自分の中にすり込まれた世間に潜(ひそ)む偏見や差別意識に気づかず、結果的に、将来有望な人材や、若者の幸福を奪ってしまうのである。命までも奪ってきたのだ。差別に気づくことのできる人権感覚を、互いにみがいていきたい。 |
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