水平社創立宣言 |
部屋の片付けをしていると、本棚の奥から「中学校用なかま」の本が出てきました。何気なく手に取ると、見開きのページに「宣言」というタイトルの旧字体で埋め尽くされた文章が、目に飛び込んできました。日本で最初の人権宣言「水平社創立宣言」です。同時に中学の担任の先生の語りが少しずつ思い出されてきました。
今から90年前、現在の御所市に暮らす三人の青年が、理不尽な部落差別の解決を目指して、水平社の創立に向かいます。青年の一人、西光万吉(さいこう まんきち)さんは、「呪われの夜の悪夢」のような差別に悩み、はるか南方のセレベス島への移住を計画したり、ついには自ら命を絶つ寸前まで追いつめられたりしたのです。しかし、彼はひとりぼっちではなかったのです。彼を支える熱いなかまの存在が、「誇り得る人間の血」をよみがえらせたのです。
宣言以後、多くの人々の努力によって、人権尊重に対する人々の認識が広がってきています。
しかし、現代の私たちは互いに尊敬しあう社会や人間関係づくりができているでしょうか。あらためて、この宣言に込められた思いを見つめ直してみませんか。 |
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