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ふるさと奈良への便り
 
   18歳で大和高田市立高田商業高校を卒業し、飛び込んだプロ野球の世界。今年で21年目のシーズンが終わりました。気がついてみれば人生の半分以上を横浜で過ごしていますが、それでも私の心の中にはいつも『奈良』があります。
 連日試合や練習に追われるシーズン中は地元の奈良に帰ることはできませんが、テレビで「奈良」という言葉を見たり聞いたりすると自然と反応し、同じく奈良出身の女房と一緒についついテレビに見入ってしまいます。またチーム内でも奈良出身のスタッフなどと一緒に食事に出かけたりすると、自然と故郷(ふるさと)の話に花が咲いたりもします。
 毎年シーズンオフには、わずかな期間ですが実家のある橿原へ帰ります。奈良に帰ると、長いシーズンの緊張感から解き放たれ、「我が家に帰ってきた」という安心感で満たされるだけでなく、次のシーズンに向けた「心の充電」もしっかりできます。
 個人的には今年、プロ通算150勝を達成したり、ここ数年の不振から脱却できたシーズンでしたが、横浜DeNAベイスターズは今年も最下位に沈み、悔(くや)しい思いだけが残るシーズンでした。ベイスターズが1998年に日本一に輝いた時の喜びは、私の人生の中でこれ以上ないというくらいのものでした。その喜びをもう一度味わうために、このオフも奈良で来シーズンを戦う鋭気を養いたいと思います。
 
 

 

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