narameishozue page 10/34

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天皇に、「私は、大おほ物もの主ぬしが陶すゑ津つみみ耳のみ命ことこうしてようやく疫病は鎮まり、れ、一緒に過ごすうち、自然とこのよた。「お前は誰の子か？」と尋ねる※３を供えて祀ったという。素敵な男の方が夜....

天皇に、「私は、大おほ物もの主ぬしが陶すゑ津つみみ耳のみ命ことこうしてようやく疫病は鎮まり、れ、一緒に過ごすうち、自然とこのよた。「お前は誰の子か？」と尋ねる※３を供えて祀ったという。素敵な男の方が夜ごと通ってこら意お富ほ多た多た泥ね古こなる人物を探し出しや河の瀬の神々に至るまで幣みて帛ぐら「お名前は存知上げませんが、とてもぎで河内（大阪府）の美みの努の村に楯矛を供えるとともに、坂の上のか？」と尋ねた。夢から目覚めた天皇は、大急赤色の楯矛を、大坂神に黒色のもいないのに、どうして身ごもったり、国も穏やかになるであろう」。祀った。さらに宇陀の墨すみさ坂かの神にを不思議に思った両親は「お前は夫て我を祀らせたならば、疫病も収ま天あまつ神かみ・国くにつ神かみの社を定め、これをほどなくして姫は身ごもり、それもの。しかし、意お富ほ多た多た泥ね古こによっまた数多くの祭器を作らせ、れ、二人はたちまち恋に落ちた。「今流行している病は、我が意による御みも諸ろ山（三輪山）に祀らせた。とえようもないほど立派な美男が現が現れ、こう告げた。意お富ほ美み和わの大神、すなわち大おほ物もの主ぬしをあった。とある夜、彼女の元に、た眠りにつくと、夢の中に大おほ物ものぬ主しの大神び、この意お富ほ多た多た泥ね古こを神主として、は、容姿端麗で輝くような美人での意志をうかがうための神かむ牀どこ※２でそれを聞いた天皇はたいそう喜先述した大おほ物もの主ぬしの妻・活いく玉た依まよ毘り売びめ天皇はその惨状を嘆き悲しみ、神えたのだった。うな伝説が『古事記』に記されている。し、国中に死者があふれた。る意お富ほ多た多た泥ね古こでございます」と答意お富ほ多た多た泥ね古こ。それにまつわる次のよ※１）の御世。恐ろしい疫病が蔓延建たけみ甕かづ槌ちのみ命こと、私はさらにその子にあた三輪の大おほ物ものぬ主しの大神の子孫である御み真まき木い入りひ日こ子い印にゑ恵の命み（こと崇神天皇子の飯いひ肩かた巣すみ見のみ命こと、さらにその子の糸の先を追えばせになった櫛くし御みかた方のみ命こと、さらにその〝意お富ほ多た多た泥ね古こ〟を探せの娘・活いく玉た依まよ毘り売びめを妻にしてお生ま再び国に平穏が訪れたのである。1Episode中つ巻〔崇神記〕名―夜づごけとて訪れる美男の正体―上中下美み和わと謂いふ拝殿のみで本殿をもたないおおみわ大神神社。記紀にもっとも早く祭祀が整えられた神社の一つとして描かれる。摂社・おおたたねこ大直禰子神社には当エピソードの意富多多泥古が祀られる（桜井市／MAP?P30）大物主大神の化身として信仰される蛇神。白い巳さん（蛇）が姿を見せる拝殿前の「巳の神杉」には巳さんの好物がお供えされている神杉拝殿※１崇神天皇…第10代天皇。三輪山の麓に初めて宮を営んだとされる※２神牀…夢に神意を得ようとして清めた床※３幣帛…神への供え物の総称8