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古事記を持って出かけたい*名所ガイド*固く結ばれた家族愛我が子を想う母の強さ、夫と兄の間で葛藤する后の苦悩、幼い息子を案ずる父の姿。『古事記』が描く家族愛は深く、肉親は強い絆で結ばれている。母の機転が....

古事記を持って出かけたい*名所ガイド*固く結ばれた家族愛我が子を想う母の強さ、夫と兄の間で葛藤する后の苦悩、幼い息子を案ずる父の姿。『古事記』が描く家族愛は深く、肉親は強い絆で結ばれている。母の機転が子を救う当芸志美美命の反逆いはれびこのみこと伊波礼毘古命(神武天皇)が亡くなった後いすけよりのこと。大后・伊須気余理比売と天皇との間にもうけた御子たちに対し、異母兄でたぎしみみのみことある当芸志美美命はその弟たちを排して次の天皇となることを企む。しかしそれにいすけよりひ気づいた伊須気余理比売の機転により、事前に企てを知った御子たちは、先手を打ち、たぎしみみのみこと当芸志美美命を打ち倒した。め桜井市MAP?P30さ狭たぎしみみのみことひめ当芸志美美命の企みを察した比売は、自分の子どもたちに、「狭井河のあたりから雲が立ち上っている。畝火山では木の葉がさやさやと騒いでいる。今にも激しい風が吹きそうです」とうたい、変事を知らせた。三輪山から流れる狭井川ひの辺りは、神武天皇と比ひめ売が恋を実らせた思い出の地でもある。め上い中下井河「お前はどちらを愛すのか!」沙本毘売の悲劇いくめいりびこいさちのみことさほびめさほびこの伊久米伊理毘古伊佐知命(垂仁天皇)の愛する后・沙本毘売。ある日、兄の沙本毘古王が夫・天皇への叛乱を画策する。肉親への愛情から兄に与し、天皇の軍勢が取り囲む城に籠もった后だったが、夫と兄への比べようのない愛に苦しむ。籠城する中、后は天皇との子・本牟智和気を出産。天皇は母子共に救い出そうとするが、愛する后・沙本毘売さほびこの沙ほむちわけは生まれたばかりの御子を夫に託し、兄と運命を共にして亡くなるのであった。若草山山頂さほびめ本毘古王と沙本毘売。今も奈良市北西部には佐保川や佐保山など、「さほ」の名が残るほか、狭岡神社など、ゆかりの地も点在。若草山の山頂かさほびめらは、沙本毘売の物語の舞台・奈良市周辺はもちろん、大和平野を一望のもとに見渡せる。奈良市MAP?P29かすが春日大社上中下奈良市MAP?P29春日大社には様々な『古事記』ゆかりの神々が祀られる。また、『古事記』さほびめには、沙本毘売の母方の祖母・春日のたけくにかつとめ建国勝戸売の名を見出すことができる。春日大社が鎮座するより遠い昔、春日の杜には幸せな日々を過ごす沙本兄妹の姿があったのかも知れない。さほびめ21藤原宮跡持統天皇が造営した藤原京。現在、国の特別史跡として整備された宮跡の周囲にほむちわけは、本牟智和気の物語ゆかりの鷺栖神社いちしのあまかしのや甘樫丘、市師池を連想させる池の痕跡などが点在する。藤原京が営まれた時代、ほむちわけ本牟智和気の伝承はどのように語り継がれていたのだろうか。橿原市MAP?P29たまきやま珠城山古墳群さぎす鷺栖神社ほむちわけ父・天皇は、本牟智和気がなかなか言葉を話さないのは出雲大神の祟りであることを夢のお告げであけたつの知り、曙立王を出雲に遣わそうとする。出発に先あけたつの立ち、曙立王が「もしこの旅に霊験があるならば、さぎすの鷺巣池の木に住む鷺よ、落ちよ」と言うと鷺は池に落ちて死に、さらに「生きよ」と言うと生き返ったという。その場所と伝えられるのが鷺栖神社だ。たまきのみやまきむく垂仁天皇が営んだとされる纒向珠城宮しきのたまがきのみや(『古事記』では師木玉垣宮)。その伝承地碑が立つすぐ近くに珠城山古墳群はある。墳丘の上からは、景行天皇陵、箸墓、三輪山、大和三山、二上山など、『古事記』『日本書紀』の世界が贅沢に広がる。桜井市MAP?P30大津皇子歌碑(磐余池推定地)高い「磐余池」もこのあたりか。子・大津皇子が辞世の歌をよんだ名橿原市MAP?P29が散見される。のちに天武天皇の御代の池の存在を思わせる地名や痕跡藤原宮跡東方、天香久山北方には古その池の所在は明らかではないが、橿原市MAP?P29小舟を浮かべて、か喜ばせようと努めたという。現在、本ほ牟む智ち和わ気けを何と父・天皇は、市いち師しの池やか軽るの池に二俣の上無償の父子愛物いわぬ御子る天皇。母を失った我が子を想う父の気持ちがよく伝わる、父子愛の物語だ。中すことはなかった。御子がものを言うために、父としてさまざまなことを試み下謀反により散った兄と運命を共にした母を持つこの御子は、大人になっても話伊い久くめ米い伊り理び毘こい古さ伊ち佐の知みこ命(と垂仁天皇)と沙さ本ほ毘び売めの御子・本ほ牟む智ち和わ気け。天皇への