narameishozue

narameishozue page 29/34

電子ブックを開く

このページは narameishozue の電子ブックに掲載されている29ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
桜井市MAP?P30つ海ばいち柘榴市政敵は恋でも火花を散らす?歌垣男女が集まって歌を掛け合う「歌垣」は当時、求婚の場でもあっしびのおみをけのみことた。平群の臣の祖先・志毘臣はそこで、袁祁命(のちの顕宗天皇)....

桜井市MAP?P30つ海ばいち柘榴市政敵は恋でも火花を散らす?歌垣男女が集まって歌を掛け合う「歌垣」は当時、求婚の場でもあっしびのおみをけのみことた。平群の臣の祖先・志毘臣はそこで、袁祁命(のちの顕宗天皇)おほうをが妻にしたいと思っていた女性・大魚の手を取った。政敵でもしびをけのみことしびある志毘の行動に、袁祁命も負けじと歌垣に加わる。まず志毘が口火を切った。をとはたですみかたぶ「大宮の彼つ端手隅傾けり」――あなたの宮は、隅が傾いてしまっているぞ。をけのみこと袁祁命が受けて答える。おほたくみをぢな「大匠拙劣みこそ隅傾けれ」――いやいや。大工の棟梁の腕が悪かっただけのことよ。しび志毘が皮肉る。おほきみゆらやへしばがき「王の心を緩み臣の子の八重の柴垣入り立たずあり」――大君の心がだらしないのですよ。だから彼女を手にすることも、私の八重の柴垣に入ることもできないのだ。歌の掛け合いはますますエスカレートし、二人とも留まるとこをけのみことろを知らない。袁祁命は最後、畳み掛ける。おふをしびあましうらこほ「大魚よし鮪突く海人よ其があれば心戀しけむ鮪突く鮪」しび――鮪を銛で突く海人よ。乙女が去っていったら、さぞかし恋しびしいだろうな、鮪を突く志毘よ。をけのみことおけのみこと二人は夜明け近くになり、ようやく別れる。袁祁命と兄・意祁命(のちの仁賢天皇)の兄弟は謀をめぐらし、早朝、軍隊を集めてしびしび志毘の家に討ち入り、志毘を葬り去った。上中下様々な方面からの道が交わる辻に立った古代の市場。桑や橘といった、シンボルとなる神樹の下で物が交換され、恋を謳歌する歌垣の舞台ともなった。椿咲く海柘榴市は、まさに“歌垣”の場にふさわしい。とができるのも魅力。ら奥深い知識を得るこの上映など、遊びなが融合させた「万葉劇場」像とアニメーションをくクイズや、人形と映ビュー形式で答えてい万葉人の生活をインタルなどで紹介。その他、歌が身分を証明する界を、ジオラマやパネを中心とした古代の世アの歌垣など、万葉歌市場や古代発音、アジ二人の少年の舞歌の広場では、古代の奈良県立万葉文化館明日香村MAP?P29上中下27おしぬみのつのさしのみやいひとよの二皇子の叔母・飯豊王が営んだ忍海角刺宮があったといひとよのされる地に、飯豊王を祀る神社。二皇子の無事を聞いたいひとよの飯つのさし角刺神社やまとへ豊王は喜び、自らの宮に引き取ったとされる。「倭辺たかきつのさしおしぬみに見が欲しきものは忍海のこの高城なる角刺の宮」と、その壮麗なる宮を詠んだ歌が『日本書紀』に記される。香芝市MAP?P31顕宗天皇陵葛城市MAP?P31飯豊天皇陵(北花内三歳山古墳)をけのみこと袁祁命の陵。「片岡の石坏の岡の上にあり」と『古事記』に記される。れないが、諸本には飯豊天皇とも。集める。記紀に即位のことは記さ葛城市MAP?P31れ間、の女期帝間の、先執駆政的者存だ在っとたしとても注伝目えをら飯いひとよの豊王は、清寧天皇と顕宗天皇とのおほはつせわかたけのみこと皇位継承を目論む大長谷若建命(後の雄略天皇)いちのべおしはのおけのに父・市辺の忍歯王を殺された意祁王(のちの仁をけの賢天皇)・袁祁王(のちの顕宗天皇)兄弟はすぐさはりまま逃亡。身分を隠して針間の国(兵庫県)に身ををたて潜めていた。山部の連小楯が針間の国に赴任ししじむた際、兄弟が住む志自牟の家の新築祝いに駆けつけた。余興として、臨席者たちが次々と舞をまい始めた。兄弟たちにも声がかかるが、お互い先を譲り合う。その場にいた客たちは、柄にもない兄弟の様子に失笑する。ついに兄が舞い終わり、続いて弟の番というとき。弟は声を長く引いて、滔々とうたい出した。あめ場が静まり返る。弟は最後、「…天の下治めたまいざほわけすめらみことおしはのみこひし、伊邪本和気の、天皇の御子、市邊の、押歯王やっこすゑの、奴末」と自らの身分を明かして、歌を終えた。をたてこれを聞いた小楯は驚き、床から転げ落ちる。兄弟を自分の膝の上に載せてこれまでの境遇に涙し、すぐに仮の宮殿を造って二人を住まわせた。この吉いひとよの報は、すぐに兄弟の叔母・飯豊王へと伝えられた。