奈良県西和医療センター

孤杉公啓先生、野木一孝先生

奈良県立三室病院
ジュニアレジデント
孤杉 公啓(こすぎ たかあき)先生

研修期間:2011年4月~2013年3月
出身:奈良県北葛城郡河合町
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2010年度

野木 一孝(のぎ かずたか)先生

研修期間:2011年4月~2013年3月
出身:京都府木津川市
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2010年度
(※所属は2009年インタビュー当時)

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 奈良県立三室病院は生駒郡三郷町の大和川のほとりに1979年に開設されました。開設時には7診療科、200床でしたが、1987年には12診療科、300床の総合病院として再整備されています。その後、心臓血管外科、循環器内科、消化器内科が次々と増設されるなど、地域の高いニーズに応えている病院です。
 2008年には豊富な臨床経験を持つ循環器専門医を揃えた心臓血管センターを開設し、奈良県全域の開業医や病院と厚い連携を保ちながら、心臓血管疾患の治療に取り組んでいます。 また、本年4月には最新の高精細多目的血管撮影装置2基を導入し、心臓、頭部、腹部の血管の検査・治療の分野において、現在、県のトップレベルの受入体制を整えています。
 「奈良県西和病院群」としての臨床研修のプログラムは、「自ら考え、問題を解決していく能力」を養い、「人格を涵養する」ことを基本理念としています。プログラムの必須科目は初年度に三室病院で「内科(総合診療、循環器内科、消化器内科)」を6カ月、「救急部門」として三室病院で麻酔科を1カ月、県立奈良病院救命救急センターで2カ月、そして次年度に県立五條病院で地域医療を1カ月履修することが基本となっています。
また、必修期間を除く14ヶ月のうち選択必修科目として外科、小児科、産婦人科、麻酔科、精神科のうち2科目以上を構成病院群の中から選択し、その他の期間を選択科目として、各協力病院等の設置診療科から自由に選択できることも特色です。

  • 医師を目指したきっかけを教えてください。
    孤杉:仕事は、「やりがいと人の役に立つ」ことがとても大事だと常に考えていました。子供の頃に手塚治虫氏の「ブラックジャック」を読んだ影響があったかもしれません。
    野木:祖母がくも膜下出血で倒れ、その後亡くなった時、自分は何もできず無力だと感じました。自分の進路を考えた時に、その時の事を思い出したことがきっかけです。
  • 学生時代のお話を聞かせてください。
    孤杉野木:2人とも奈良県立医科大学の同期で野球部に所属していました。医学部の中では強い方だと思います。5年の夏で引退する人もいますが、僕らは6年の夏まで一生懸命やりました。普段から勉強も並行していましたし、2人とも家庭教師のバイトをしましたが、全てきちんとできていたと思います。ただ、やはり暇ではなかったですね(笑)。
    6年の夏からは、部活の時間を全て勉強の時間に切り換えて国試を乗り切りました。とても充実した学生生活を送ることができました。
  • 県立三室病院に決めた理由を教えて頂けますか。
    野木:僕は京都府南部の出身で奈良県との県境に住んでいたため、奈良県立医科大学に通っていましたし、慣れというのか愛着を持っていましたので、奈良県の臨床研修病院を探しました。ただ、大学に残ることは考えず一旦は外に出ようと思いました。三室病院は大学と同じ県立ということもあり、望めば奈良県立医科大学で選択必修や自由選択の研修を受けることが可能なため、魅力を感じていました。
    また、三室病院に野球部の先輩がいまして、その先輩から三室病院は奈良県内でも有数の循環器の病院と聞いていました。最終的には、外部のポリクリでお伺いした時に、先生方から色々な話をお聞きした上で県立三室病院に決めました。
    孤杉:僕は奈良県出身ですが、病院に興味を持った部分はほぼ同じです。大事なことなのでマッチングの段階ではかなり迷いましたが、三室病院に決めてよかったです。
  • 研修プログラムの中で良いところや改善して欲しいところについて教えてください。
    野木:とても融通が効くところです。例えば内科を回っていても放射線科で読影させてもらうことができますし、希望を言えば色々と工夫してもらえます。貴重な2年間なのでとても嬉しいです。実際1年間の研修を終えて思うことは、もし、医学生の段階で将来専攻する診療科を決めるように言われたらとても困っていたと思いますので、現行の研修制度が良いです。
    孤杉:同じく自由度が高いところが良いと思います。そこを活かして、自分の専攻と関係の深い診療科にウェイトを置きたいですね。また、仮に内科に進むとしても外科の先生の考え方を知っておくことは、コンサルトするときに役に立つとも思います。
  • 研修の中で勉強になったことを教えてください。
    野木:市中病院なので症例を数多く経験できますし、色々な先生方との触れ合いの中で、一つの物事に対して沢山の考え方がある事を教えてもらったことです。
    孤杉:人として、医者としての心構えや手技を学んでいます。本当に日々勉強です(笑)。
  • 失敗談をお聞かせください。
    野木:少し気難しい患者さんの前で私が思ったままのことを言ってしまったために、患者さんのご機嫌を損ねてしまいました。普段ならなんでもない言葉なのですが、患者さんは不安でいっぱいのことも多く、「ものの言い方は難しい」と実感しました。
    孤杉:ラインが患者さんに繋がっていないことを知らずに造影剤を入れてしまい、床が造影剤だらけになってしまったことがありました(笑)。確認不足としか言いようがありません。
  • 研修医のコミュニケーションについてはいかがですか。
    孤杉野木:大きな病院ではないので、研修医だけでなく全体的にコミュニケーションがきちんと取れています。看護師の方々やコメディカルの方々を含めて何の問題もありません。
  • 救急当直についてはいかがですか。
    野木:当直は週一回程度、指導医の先生と一緒に入るのですが、救急当直の場合は、ファーストタッチをやらせてもらえることがあります。もちろん完全に任せてもらえるわけではありませんが、ある程度慣れてきた頃に「一人で診て見ようか。宜しく。」と言われた時は、全身に緊張感が走ったことを覚えています。
    孤杉:救急当直の時に、激痛で苦しみもがいている患者さんを見るとさすがに緊張します。しかし、全て良い経験になると思います。
  • どんな医者になりたいですか。
    野木:病気を診ることができるだけでなく、患者さんときちんとコミュニケーションを取れる医者になりたいです。
    孤杉:どんな医者になりたいのか、現在自問自答しています。答えを出せるまでもう少しかかりそうです。
  • 休日はどのように過ごしていますか。
    孤杉:患者さんのところに行って特に何もなければ、その後はゆっくりしていることが多いです。
    野木:患者さんのところへ様子を見に行って何もなければ、後は半日ほどありますから、体を動かしたり、後輩の野球を見に行ったり、だいたいはどこかに出掛けています。
  • 三室病院を選んで良かったところを教えてください。
    孤杉:研修を受けやすい病院です。人間関係のストレスは全くありませんでしたし、研修に集中できました。症例も多数経験できていますし、満足です。
    野木:自分のやる気に応えてくれる病院です。循環器は奈良において圧倒的に強いので、初期であっても循環器に決めていれば内科6ヶ月を循環器一色にできない事もありません。色々やりたいようにできると思います。研修はやはり自分次第の部分があるため、その積極性を伸ばしてくれる土壌が三室病院にはあると思います。
  • タイムスケジュール

    孤杉公啓先生

    6:00 起床
    7:30 登院
    8:15 CCUカンファレンス
    9:00 胃内視鏡
    12:00 昼食
    13:00 大腸内視鏡
    15:00 病棟回診・処置
    18:00 勉強会
    19:00 病棟回診・処置
    23:00 就寝

    野木一孝先生

    6:00 起床
    7:30 登院
    8:15 CCUカンファレンス
    9:00 新患外来
    13:00 昼食
    14:00 心エコー
    16:00 病棟回診・処置
    18:00 カンファレンス
    19:00

    病棟回診・処置

    23:00 就寝

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