プリセプター&新人看護師
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プリセプター&新人看護師

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プリセプター&新人看護師
プロフィール

プリセプター

長崎県平戸市出身。
平成21年(2009年)3月に奈良県内の看護師養成所を卒業後、現在の病院に入職する。

新人看護師

大阪府堺市出身。
平成23年(2011年)3月に大阪府内の看護師養成所を卒業後、現在の病院に入職する。

※以下、(プ):プリセプター、(新):新人看護師

--プリセプター制度の特徴について教えてください。
(プ):プリセプター制度とは、プリセプターが良き模範であるロールモデルとなって、新人教育にあたるシステムです。新人をチームで育てますが、主としてプリセプターがあらゆる教育にあたることになります。
--看護師を目指したきっかけを教えてください。
(プ):私は工業高校に通っていましたが、ものづくりや工場で働くことは自分には向いていないと感じていました。そこで、将来の進路を考えたときに、人と強く関わる仕事がいいと思いました。
 私の母は精神科の慢性期病棟で看護師をしており、看護師として働く母の姿を常に見てきました。そんな母が、以前から「同じ患者さんを日々看ていても、同じ日は一日としてない。日々同じことを患者さんに問いかけていても、患者さんの状態によっては違う答えが返ってきたりすることがある。それらのこと全てを普通に受け止めることはとても奥が深い」と言っていました。
 さらに、「人と関わる仕事がしたいのであれば、看護師もいいと思うよ」と母が勧めてくれたこともあり、看護師を目指すことを決意しました。
(新):私は、社会人入学で看護師養成所に入学しました。看護学校に入る前は、日本国内航路のタンカーやフェリーの航海士の見習いをしていました。しかし、以前から、目に見える形で人の役に立つ仕事をやってみたいという想いがずっとありました。
 その時、看護師の友人たちに話を聞いてみると、その思いがどんどん強くなり、転職を決意し、看護師を目指すことにしました。
--現在の病院に入職を決めた理由を教えてください。
(プ):実家から自立したいと考えており、奨学金制度と寮があることを条件に看護師養成所を探していました。それと同様の条件で病院も探し、その条件を二つとも満たしていたのが現在の病院であり、その病院併設の看護師養成所に入学しました。
 奨学金制度を活用させていただいたので、現在の病院で働いています。しかし、現在は仕事の面白さ、奥深さ、そしてやりがいを感じることができるようになってきました。
(新):私の通っていた看護師養成所も病院の附属だったので、その病院に入職することも検討できました。しかし、看護師養成所在学中の実習で、現在の病院に3週間ほどお世話になったときの印象がとても強く残っていました。一般的に、看護師は女性の多い職場ですが、現在の病院は精神科ということもあり、多くの男性看護師が働いていました。他にも気に入ったことはありましたが、決め手としては多くの看護師が働く姿を拝見した中で、その働きぶりや姿勢が特にすごい方々がいて、強い感動を覚えたことです。そこで「私もこんな看護師になりたいな」と思い、現在の病院への就職を希望しました。
--実際に入職してみると、入職前のイメージどおりでしたか。
(プ):私は在学中の実習を現在の病院で受けましたが、看護をするということがどういうことなのか、あるいはどういう意味があるのかといったことはあまり理解できていなかったように思います。母が言っていた奥の深さも全く分かっていませんでした。入職前は「この病棟ではなぜこういう看護が必要なのだろう」という疑問を抱くことしかなく、大事なことが全く見えていませんでした。
 しかし、入職後は驚きの連続でした。実習のときにお世話になった病棟とは別の急性期の病棟に配属されました。そこで、先輩方の仕事ぶりを実習ではなく自分の仕事として見たときに、看護の範囲も広く、メンタルケアを含めた看護要求レベルも高く、先輩方が患者さんのことを本当に思い、様々なことを考えながら看護に取り組んでいることに気づきました。
 これはひょっとしたらすごいことをやっているのではないかと思いました。実習でお世話になったときと比べて、とてもいい意味で印象を逆転されました。仕事に対する見方も劇的に変わり、色々なものが見えるようになり、少しずつ仕事の面白さが分かっていったように思います。
(新):私が実習を受けた病棟は慢性期の開放病棟で、入職後配属されたのはプリセプターと同じ急性期の病棟でした。慢性期ではないので、最初は大変なことの連続ではないかとイメージしていました。しかし、現実に配属されてみると、そんなことは全くなく、精神科ではありますが、患者さんが皆さん比較的落ち着いています。不思議に思って、先輩の看護師に尋ねてみたところ、「ここに来る患者さんは自分の中に何か弱い部分を持っている方が多いけれど、ここはそういった方々が安心できる環境であるので皆落ち着いていられる」とのことでした。
 病院は治療をする場所ですが、目には見えないけれど、安心できる雰囲気をつくることによって、患者さんの気持ちを休めてさしあげることも病院の役目であり、それも看護の一部なのかもしれないと思いました。
--学生時代について教えてください。
(プ):学生時代はさほど楽しくはなかったです。というのも、頑張って看護学校に入学した目的は絶対に看護師になるという一点のみだったからです。私は色々な部分を割り切っていましたので、やるべきことをきちんとやることが大事だと考えていました。ですから、勉強もさほど苦にはしていませんでした。現在もそうですが、周りにも常に勉強を続けている先輩方がいらっしゃるので、様々な勉強をすることは看護師を続けていく中でとても大事なことだと思うようになりました。
(新):私も学生時代は楽しい記憶よりはつらい記憶の方が多かった気がします(笑)。男性だからということではなかったとは思いますが、養成所や実習でずっと怒られていた印象があります。今となれば、それもいい思い出です。学生時代の同期との付き合いもいいですが、この病院の同期の仲間と一緒に学べることも楽しいです。クリニカルラダーによる教育を受けていますので、皆と共有できる時間を大事にしたいと考えています。
--プリセプターはどのような存在ですか。
(新):プリセプターという立場はとても大変だと思います。ご自身の仕事をまず完璧にこなしたうえで私の面倒を見てくれているので、大変でないはずがありません。未熟な私に色々な指導をしていただき、ときには熱い想いを語っていただけることもあり、とてもありがたいです。
--プリセプターは大変ですか。
(プ):私だけでなく皆もプリセプターに教わった時代があって今に至っていますので、プリセプターとして新人看護師を指導することは当然のことだと思っています。
 また、誰でも最初はなかなかうまくできないので、自分の手が届く範囲は最低限リカバーしてあげたいですし、リカバーすべきだと考えています。
 色々なことを考え、実行してみたうえで、上司に助言をいただける体制が自然とできているので、やりやすいです。また、業務習得のスピードやレベルなどが新人ごとに差が出ないように、プリセプター同士でも相談しながら進めています。主として私が指導に当たってはいますが、決して私だけで新人の面倒を見ているわけではありません。しかし、私自身が中心となっていかないといけないと思っています。
 限られた1年間の指導ではありますが、私自身が新人の頃にプリセプターにしていただいた指導のように、多くのことができるようになる指導をしてあげたいと思っていますし、私自身のスキルアップにも繋がっています。
--新人教育を受けて難しかったことや苦労したことを教えてください。
(新):最初は患者さんのアセスメントや情報収集が特にうまくいかず、コミュニケーションを取ることに大変苦労しました。
--新人看護師がつらいときにどのようなアドバイスを送りましたか。
(プ):あまりアドバイスらしいものを送った記憶はありません(笑)。というのは、私自身の持論で、つらい中や一杯一杯の状況の中で成し遂げたことは、人に安易に答えをもらったことよりも大きな価値があるからと考えているからです。もちろん、事柄によりますし、常に新人を見守っているつもりです。
--リフレッシュの方法で工夫していることはありますか。
(プ):看護師はストレスの強い仕事ですが、私の場合は患者さんから元気をもらっている部分もあります。もちろん、休日には自分の時間を持ち、その時間を大事にはしていますが、仕事の中で解消できるストレスについては仕事の中で極力解消するように努力して、ストレス自体を溜めないようにしています。
(新):私は読書や釣りをするなど、非日常的なところに身を置いてリフレッシュするようにしています。
--プリセプターのやりがいや難しさについて教えてください。
(プ):新人看護師が身近なところにいて、その成長が日々見えることがとても楽しいです。教えることはとても難しいことですが、その成長過程で、色々な方々と相談してカリキュラムを考えたり、自分で実践して教えた結果、新人がスポンジのように吸収し、できることをどんどん増やしていってくれることが嬉しいです。
--現在の仕事の内容を教えてください。
(プ):毎日、患者さんの点滴や介助など、あっという間に時間が過ぎていきます。個人的には、患者さんと触れ合う時間をもっと取りたいと思うこともしばしばありますが、時間の制約もあり、なかなか難しいのが現状です。
 通常は一人の看護師が3、4人程度の患者さんを担当するほか、チームナーシングとして看ている患者さんもいます。新人のうちは個人的に担当するのは一人の患者さんのみで、夜勤がなくほぼ日勤です。慣れていくと、徐々に担当が増えていきます。
 また、病棟での看護は看護記録に始まり看護記録に終わるといっても過言ではありません。勤務を交代するときの申し送りの際に、患者さんの状態を掴むためにも看護記録は大事です。全ての看護に対しては、「なぜそういった看護をしたのか」という処置に対する根拠が必要となりますので、特に気をつけています。
--現在の病院に勤めることのやりがいや大変さを教えてください。
(プ):目に見えて快方に向かう患者さんが多くいらっしゃるので、患者さんが元気になっていく姿や元気になった顔を見られることが仕事へのモチベーションに繋がっています。大変なこともありますが、退院などの嬉しい場面にも遭遇できる職場です。
 私が入職してから、何度か入退院を繰り返している患者さんがいます。しかし、何度も入退院を繰り返すことは決して残念なことではありません。退院するときには、「またしんどくなったら帰っておいで」といって見送ります。いつでも帰れると思えば、患者さんも気持ちが楽になって、色々と頑張れると思います。病院はそういった心の拠り所であってもいいと思っています。
--今後の目標を教えてください。
(プ):たくさん勉強をして、看護のレベルを上げていきたいです。
(新):知識や技術をどんどん身につけて、先輩たちに負けない看護師になりたいと思います。
--看護職を目指す方々へメッセージをお願いします。
(新):女性の方がうまくできることもありますが、男性の方がうまくできることもあると思います。男性の看護師がもっと増えて、活躍してほしいです。
 3交代の仕事なので、大変ではありますが、人の役に立っているという充実感をとても感じることができ、勉強を重ねれば、高みを目指すこともできます。
 ぜひ看護師を目指してください。
(プ):毎日変化があり、患者さんだけでなく、医師や看護師、そのほかのスタッフと関わりを持ちながらやっていく仕事です。人の役に立ちたい、あるいは人と触れ合う仕事がしたい方にとってはとても良い仕事だと思います。
 ぜひ看護師を目指してください。
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