短時間正規雇用制度を活用している看護師
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短時間正規雇用制度を活用している看護師

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短時間正規雇用制度活用中
プロフィール

Aさん(看護師長)

平成4年(1992年)に済生会中和病院に入職。皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を持つ。

Bさん(副主任)

准看護師として病院に勤務後、看護師養成所に通い看護師資格取得し、平成7年(1995年)に済生会中和病院に入職。産婦人科勤務・整形外科勤務を経て現在は小児科病棟に勤務。

Cさん

准看護師として病院に勤務後、看護師養成所に通い看護師資格取得し、離職期間を経て、平成23年(2011年)済生会中和病院に入職。整形外科病棟に勤務。

Dさん

看護師として病院にて勤務後、離職期間を経て、平成23年(2011年)済生会中和病院に入職。内科病棟に勤務。

--看護師を目指したきっかけを教えて下さい。
Aさん:中学生の時に2ヶ月ほど入院し、親に大変心配をかけました。その時に、もし今後家族が入院した時に、自分が看護師であれば、とても心強いのではないかと思いました。そして、家族に何かあったときに役に立てる自分でありたいと思い看護師を目指しました。
Bさん:幼少の頃から看護師に憧れていました。その思いはずっと途切れることはありませんでした。色々と大変なこともありましたが、とにかくまっすぐに看護師を目指し、子どもの頃からの夢を叶えました。
Cさん:子どもが好きだったので、高校の頃までは保母さんを目指していました。きっかけは、私が交通事故にあった時に看護していただいた看護師さんの印象が強く残ったことです。その後、看護師は、人と関わる点で保母さんの仕事と大きな差はないと思い、次第に看護師に気持ちが傾いていき、看護師を目指すことにしました。
Dさん:母親が看護師なので、自然と看護師になりたいという気持ちが、私の中で育っていきました。色々なことがありましたが、最後は自分の強い気持ちで押し切り、看護師を目指しました。
--嬉しかったことやつらかったことを教えてください。
全員:嬉しかったことは患者さんやご家族から頂いた数々の「ありがとう」です。
 そして、厳しかった先輩からの不意のねぎらいの言葉、患者さんからの信頼の言葉です。
 つらかったことは、学生の時の実習です(笑)。
Bさん:つらかったことは、家族が病気の時に、家族であるより看護師である自分が先に出てしまい、勇気づけようと思うあまり、優しくしてあげられなかったことです。
--短時間正規雇用制度の利用を決めた理由を教えてください。
Aさん:昨年、二人目の子どもを出産しましたが、育児休暇が終わった後、仕事をどうするか悩んでいました。現在の仕事の責任を全うすることと育児をすることの両立が時間的に難しく、大きな葛藤を抱えていました。パートになることも考えましたが、仕事と育児を両立させることのできる短時間正規雇用制度を活用させていただくことにしました。
Bさん:長女の小学校入学をきっかけに、学童保育のお迎えの時間に間に合わせるために当制度を活用し、定時より1時間早い16:30に帰らせていただいています。
Cさん:短時間正規雇用制度があったので、当院に入職できました。私も小学生の娘がいて、学童保育の送迎が必要なため、正職員としてフルタイムでの勤務は難しく、パートで働くことを考えていました。そんな時にこの制度を知り、ぜひ応募しようと思いました。
Dさん:復職したかったからです。その時点で出産と育児で3年近いブランクがあり、フルタイムでは働けないと考えていました。それでも仕事はしたかったので、インターネットで当院を検索したところ、その求人情報の中に「ワ-ク・ライフ・バランス」という言葉を見つけました。その短時間正規雇用制度の内容を見て、「これなら私も働ける」と思い応募しました。
--制度利用の予定期間はどのくらいですか。
Aさん:育児休暇明けから1年間の契約ですが、子どもの状況をみてもう少し契約更新をしたいと考えています。
Bさん:契約は一応1年間ですが、子どもを毎日一人で留守番をさせる訳にはいかないので、子どもが小学校3年生になるまでは、契約更新したいと考えています。
Cさん:私も子どもが一人で留守番できるようになるまでと考えています。
Dさん:私は2年間で申請させていただいています。必要に応じて更新したいと思います。
--制度利用前と利用後の勤務形態に変化はありましたか。
Aさん:勤務形態は時間的なこと以外の変更はありません。
Bさん:短時間を導入した部分での変化ではありませんが、病院の配慮として、子どもが小学校に入学してからは夜勤を週末だけにしてもらっています。
Cさん:短時間正規雇用制度の利用を前提に入職しました。病院の配慮として、私も夜勤を週末だけにしてもらい、また、本来は3交代勤務のところを2交代勤務にしてもらっています。
Dさん:短時間正規雇用制度利用を前提に入職しました。病院の配慮として、私は日勤のみで週4日勤務にしてもらっています。
--制度利用によるメリットやデメリットは何か感じましたか。
Aさん:制度利用により早く帰れることは、育児の部分ではとてもありがたいです。しかし、看護師長としての仕事はこなさないといけないので、時間的にどうしても無理が生じるケースがあり、自分の中で葛藤が生まれることが多々あります。
Bさん他:時間的なゆとりができた部分はメリットですが、職場のみんなが、私が帰るべき時間になると「早く帰りや!」と気を遣ってくれることを申し訳なく思っています。
全員:「お互いさまが合言葉」と言っていただいていますが、まだお互いさまになっていないので、いつも自分だけ申し訳ないと思っています。いつか皆さんに頂いた優しさを、感謝の心をもって、「お互いさま」としてお返ししたいと思います。
--短時間勤務をするにあたって、職場での理解や協力は得られていますか。
Aさん:全体的に協力してもらっていますが、特に主任さんたちが業務的な面で大きくカバーしてくれていて、助かっています。
Bさん:子どものお迎えがあり1時間早く帰らなければならないので、次の勤務帯の方への申し送りの時間を取れるようにシフトを少し前倒しにしてもらっています。
CさんDさん:決められた時間に帰れるように業務を調整してもらっています。
--もし制度がなかったら自分自身は現在どのように行動していたと思いますか。
全員:パートとして診療所等で働いていたと思います。
Bさん:家庭の状況によっては離職も覚悟していました。
Cさん:制度がなければ、当院で働けなかったと思います。
--奈良県が導入を支援している短時間正規雇用制度を病院が導入したことに対する職員の反応は何かありましたか。
Aさん:全体的には歓迎ムードだと思います。今までは勤務時間上の制約を受けた時は場合によっては退職せざるをえないケースがあったと思いますが、制度を活用することによって退職せずにすむので、喜んでいる方も多いと思います。
Bさん:制度を導入する前に、病院から職員に対してワーク・ライフ・バランスについての勉強会があり、周知が十分行われたので、職員は違和感を覚えなかったように思います。
CさんDさん:この制度はパートの方々にとっても、希望の光になっている部分もあるようです。今までは、パートと正職員では勤務時間数が違いすぎたため、パートが正職員になることは考えもよらなかったようです。しかし、もう少し勤務時間数を増やすことができれば、パートの方にも正職員への道が開けるのではないかと期待されているようです。
--制度を実際に利用してみて、制度自体や制度の運用に対する改善点等の希望はありますか。
全員:現時点では制度の運用が当院で始まったばかりなので、仕方がないことではありますが、細かいルールや運用の仕方が周知徹底できていない部分があるので、明確にしてほしいです。
--看護職を目指す方々へメッセージをお願いします。
Aさん:私も学生時は口を開けば「つらい」「しんどい」という言葉しか出てきませんでした。しかし、看護師になってからは、「看護師っていいな」と日々思うようになりました。私は大好きな仕事なので、ぜひ興味を持ってもらい、看護師になれば長く続けて欲しいです。いつの日か一緒に仕事ができるといいですね!
Bさん:私には小さい頃からの夢でしたが、現実に看護師になったときは、理想と現実のギャップに驚きました。しかし、そのギャップは、ほとんどの方が乗り越えられるものですし、乗り越えていくことが楽しくもあります。看護には常に新しい経験があり、全てやりがいにつながるものです。ぜひ一生の仕事として取り組んでください。
--未就業看護師へメッセージをお願いします。
Cさん:私は准看護師資格を取って准看護師として働いてから、最近学校に行って看護師資格を取りましたが、皆さん勉強は若いうちにしてください(笑)。本当に大変です、特に実習が(笑)。しかし、看護師資格を改めて勉強して取ってよかったと今は思っています。
 私は育児等で2年間のブランクがありましたが、常に復職したいと考えていました。ブランクのある方にとって、復職はとても勇気が必要なことですが、ぜひ頑張ってください。看護師の仕事の素晴らしさを思い出してください!
Dさん:私自身3年近いブランクがあって今回復職しましたが、最初はかなり怖かったです。職場に入ってからは、頑張ろうとしすぎて、かなりストレスが溜まっていましたが、飛び込んでみれば、周りも助けてくれるので何とかなるものです。短時間正規雇用制度を知っていただき、ぜひ活用して復職に挑戦してください。
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