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バラの原種は北半球だけでも100種類以上があると言われていますが、主に園芸用に利用されているのは、南ヨーロッパと中国、日本の原種の改良種です。栽培されているバラには、四季咲き性大輪(ハイブリッドティー)系、中輪房咲き(フロリバンダ)系、小輪房咲き(ポリアンサ)系、ヒメバラ(ミニチュア)系があります。ここでは、もっとも一般的な、ハイブリッドティ-・フロリダバンダの管理について書いておきます。
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苗を入手しよう!
初心者の方には、冬に売り出される「大苗」の方が育てやすいでしょう。バラは、ほとんどが野バラを台木にした接ぎ木苗です。「大苗」は、昨年の秋から冬にかけて接ぎ木し一年間育てたもので、12月に植え付ければ翌年の春には花を楽しむことができます。
4月になると、昨年の秋に接いだ「新苗」が売り出されます。「大苗」で植えたい品種が手に入らなかった場合は、この時期に購入しましょう。この時期は品種が豊富ですが、定植の時、傷みやすいので注意が必要です。植え付けた後、生育がよければ秋には花が楽しめます。
大苗の場合、鉛筆ぐらいの太さのしっかりとした枝が2~3本ついているもの、新苗の場合、葉と葉の間が詰まりがっちりした枝のもので、どちらの苗も、根の数が多く乾いたり黒くなっていないもので、さらにネコブセンチュウや根頭がんしゅ病の疑いのない株を選びましょう。
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苗の植え付け
12月に入るとバラは休眠に入るので、「大苗」はこの時期に苗を植えましょう。温度が低くなる前に植え付けを終わらせるようにしましょう。「新苗」は、4月~5月に苗が売り出されるので、この時期が植え付け適期です。
バラは、1.日当たりのよい場所、2.適度に風通しのよい場所(風が強すぎると棘で葉が傷んでしまう)、3.排水のよい場所に植えましょう。
「大苗」でポットに入って売られているものは、軽く根鉢を崩し、傷んだ根を切って植えます。根を水苔などで包んで売られているものは、根の先を1cm程度切り、水に根を1時間程度浸けてから植えます。苗木の接ぎ口にビニールテープが巻かれているものは取り除いてから植えましょう。「新苗」の場合は、できるだけ根鉢を崩さないように植えます。植え穴は直径、深さともに50cm以上掘り、底に堆肥や肥料を混ぜた土を入れ、元の土を戻して植えます。新しい根が直接肥料に触れないように注意しましょう。接ぎ口は必ず土の上に出すようにし、深く支柱を立て、苗を固定します。植え終わったら十分にかん水しましょう。
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整枝・剪定をしましょう!
植え付けた株は、新芽が出てきたら、一番上の5枚葉のすぐ上で切り取ります。これを1~2回繰り返して株を充実させます。
6月下旬から7月にかけて、株元から発生する太いわき芽は、「ベーサルシュート」と呼び、秋から翌年の春にかけてよい花を咲かせる枝なので、大切に育てます。しかし、伸ばし放題にすると小さな花ばかりがたくさん咲いてしまうので、40~50cmの高さまで切り戻して、さらに出てきたわき芽を40cmぐらいに切り戻します。この作業を3~4回繰り返し、樹の形を作っていきます。
樹の形がある程度できたら、花を楽しみましょう。よい花を咲かせるためには、下の方で込み合っている細く伸びている枝や、株の内側に伸びている枝は間引きましょう。また、花がついていない枝(ブラインド)は、切り戻して、よい枝を出させるようにします。
大輪咲きの品種は、脇から発生する蕾を取り除くと大きな花が咲きます。
咲き終わった花は、枝を切り戻せば、また新しい芽が出てきて秋まで花を楽しむことができます。
剪定は冬に行います。太い枝を地面から50~60cmの所まで切り戻します。この時、株の外側を向いた充実した冬芽のすこし上で、切り口は斜めに切りましょう。
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その他の管理
夏場は特に水を切らさないように注意しましょう。花を咲かせ続けるためには、樹を弱らないようにすることが大切です。肥料も1ヶ月に1回緩行性の肥料を株あたり半握り程度与えます。稲わらなどでマルチングすれば、乾燥を防ぐのと当時に、泥はねにより病気に感染するのを防ぐこともできます。
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発生する主な病害虫
バラは、病気や虫が発生しやすいので、まめに薬剤散布をしましょう。
<うどんこ病>
白い粉をふいたような菌糸が新芽や葉、花首などの柔らかい組織に発生する。春や秋に発生しやすい。
<黒星病>
下葉から発生を初めて徐々に広がっていく。葉の表面に黒褐色の斑点を作る。病斑が出てきた葉は、だんだん黄色くなり、やがて落葉する。ひどくなると、葉柄や茎にも病斑がでる。
<べと病>
新葉、新芽、蕾に発生。葉脈に沿って突然に赤紫色の斑点が現れ、葉裏には白い霜柱のようなカビが出て、急激に落葉する。
<アブラムシ>
うすい緑色、黒色など様々な色のものがいる。新芽や蕾の養分を吸い取るので注意。ほぼ年中発生する。
<ハダニ>
クモに似た小さな虫。小さいのでよく見ないと見えない。葉裏に群がり葉液を吸う。発生が多くなるとクモの巣をはったようになる。乾燥した暑い時期に発生が多い。
<カイガラムシ>
4~5月に卵がかえり、枝や幹にくっついて樹液を吸う。ロウに覆われているので、薬剤が効きにくい。
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