今月の米づくり(平坦・山間)・12月/土づくり・深耕・土壌改良剤
土づくりをしましょう!!
最近、年により稲作の作柄が変動することが多くなっています。これは気象の変動が大きいことや、米づくりの基本である土づくりをしないで肥料に頼った栽培を続けたりしていることが原因になっています。作柄を安定させ、良質米を生産するために土づくりをしっかり行いましょう。
1.15cm以上の深耕を心がけましょう!
作土が浅いと肥料の効果が持続しないで、根の活力が早く弱まります。そのため、枯れ上がりや倒 伏が多くなって収量・品質とも悪くなります。トラクターの速度とロータリーの回転数を遅くして、深耕を心がけましょう。
2.稲わらを田んぼにかえしましょう!
稲わらは細かく切って、年内に田んぼにまいてください。遅くとも田植えの2ケ月前までに石灰チッソ(すき込む稲わらの約20分の1の量)と一緒にすき込んでください。すき込む稲わらの量は、平坦部の乾田(冬場はよく乾燥している田んぼ)では取れた稲わらの全量(500~600kg)、半湿田では 半量とし、湿田(冬場でも湿っている田んぼ)には稲わらをすき込まないでください。山間部の乾田では取れた稲わらの半量(200kg)とし、半湿田、湿田には稲わらをすき込まないでください。
3.土壌改良資材を投入しましょう!
肥料(チッソ、リン酸、カリ)で補うことのできないケイ酸、石灰、苦土(マグネシウム)、鉄、マンガンなどの養分を補給するため、土壌改良資材を投入しましょう。土壌改良剤をまくことにより、葉や茎を硬くして、害虫や倒伏に強くなります。また、根の活力を高めるので病気にも強くなり、秋落ち傾向が出にくくなります。
そして堆肥等の有機物を投入し、地力を高めましょう。ただし、施しすぎに注意しましょう。
一定量を毎年確実に投入することが安定した土づくりにつながります。
【土壌改良資材】
普通田には「ケイカル」または「みのりアップ」を10a当たり100~150kg、秋落田(夏過ぎごろから生育が悪くなり収量が低くなる田んぼ)には、「ミネカル」または「パールアップ」を10a当たり100~150kgを稲わらすき込み前に全面散布しましょう。
【たい肥等年間施用量の目安】 ※稲ワラを十分に返している田は控えめの量で!
《水田の場合》
・土壌腐植含量 3%未満の場合 750kg/10a当たり
・土壌腐植含量 3%以上の場合 500kg/10a当たり
たい肥は、原料により成分が大きく異なります。
◆「肥料分(チッ素)の少ない順◆
植物質原料のたい肥(バーク、腐葉土など) < 牛ふんたい肥 < 豚ぷんたい肥 < 鶏ふんたい肥
チッ素分の多いたい肥を使用した場合は、元肥を差し引く必要があります。
詳しくは、奈良県農作物の施肥基準H21 (PDFファイル)をご覧下さい。
わからない用語は、左のお役立ちメニューボックス「農業用語集」で、調べることができます。
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