バックアップ機能の強化

管路(水融通システム)

県営水道の送水施設は、6本の水融通送水管、11箇所の事故対策連絡管により、浄水施設・送水施設の事故や渇水時に断水することなく送水が可能になるよう管路をネットワーク化し、系統相互にバックアップできるようにしています。

桜井、御所両系統相互の融通能力が非常に高く、市町村への給水がどのような状態になっても系統間の水配分に極端な偏りが生じない状態にあります。

逆に、渇水等で片方の水源能力が落ちても、その影響を両系統に分散させて、市町村への給水能力に偏りを生じさせないようにしています。 

 【管路のバックアップ状況】
 複線化  (御所系)一系導水路 二系導水路
御所幹線  中央幹線
 水融通送水管  天理連絡管・北葛連絡管・生駒連絡管・斑鳩線・東部幹線・平群連絡管
 事故対策連絡管  御所連絡管・広陵連絡管・椿井接続管  他8箇所

※こちらも参照ください→水融通システム、水融通連絡管

 

電力(自家発電装置)

停電等により機能が停止しないよう対策を講じています。

特別高圧・高圧で受電する重要施設については2回線受電や非常用自家発電設備を設置し、低圧の計装設備については無停電電源設備を設置しています。

【非常用発電機燃料貯留状況】

施設名

燃料貯留容量

下市取水場 

 24時間

御所浄水場

 24時間

桜井浄水場 

 19時間

郡山ポンプ場 

 15時間

天理ポンプ場 

 12時間

新平群ポンプ場 

 45時間

高取ポンプ場 

 32時間

     【2回線受電設備】
御所浄水場  1箇所の変電所より2回線受電
桜井浄水場  2箇所の変電所より2回線受電

 

水道施設設計指針(2012)では地震等の災害に備え非常用自家発電設備の燃料は24時間分以上の貯留が求められており、一部施設においてこの基準をみたしていません。現状では施設運転に支障は出ていませんが、南海トラフ巨大地震の被害想定を考慮した上で、平成29年度までに必要容量の確保を図ります。

 

薬品

台風や地震等の災害時に、薬品の搬入が困難になることから、安全な構造の貯留槽を設置し、薬品を備蓄しています。

 

【浄水薬品備蓄状況】

 

 消毒剤  

 凝集剤  

 アルカリ剤 

御所浄水場

 32日分

24日分 

 ー

桜井浄水場 

 50日分

41日分 

 ー

水道設計指針
規定日数 

 10日

 30日

連続投入:30日
その他:10日 

水道施設設計指針(2012)では浄水薬品の備蓄は規定日数以上を求められており、凝集剤等の薬品備蓄については、南海トラフ巨大地震の被害想定を考慮した上で、平成29年度までに必要容量の確保を図ります。

 

通信手段の確保

無人施設の監視制御については伝送容量により通信方法を分けています。

  • 給水地点設備:災害等に強い業務用無線 や専用回線
  • ポンプ場:民間の専用回線を利用し通信系統を2系統化

また、災害等発生時には現場を含め関係各所との情報伝達が重要となります。災害時等に通信が可能なように、業務用無線網や奈良県防災行政通信ネットワークによる防災用多重無線を整備しています。