建物の吹付けアスベスト対策を行いましょう!
増改築時には、吹付けアスベスト等の除去が必要です。
○吹付けアスベストとは?
アスベストにセメント等の結合材を一定量混入し、水を加え、壁・天井等の防耐火・吸音性能等を確保するために吹付け施工されたもの。アスベスト含有吹付けロックウール等も含みます。
○吹付けアスベストがあるとどうなるの?
吹付けアスベストは、劣化や損傷によりその繊維が飛散し、それを吸入することにより健康被害を生ずるおそれがあります。
このため建築基準法が改正され、平成18年10月から新規に建築物を建てる際にアスベストの使用が禁止され、増改築時(一定規模以下は除く)にも既存部分のアスベストを除去等しなければならなくなります。
※ 増改築時にアスベストについて、建築確認申請書等へ記入が必要です。
○どうやってアスベスト対策を行うの?
1.図面等で確認する。
設計図などによる確認 ・建物の竣工年 ・吹付けアスベストの表記の有無 ・吹付けアスベストの商品名の表記の有無(※ 吹付けアスベストの商品名は、各種ホームページ等で公表されています。)
2.それでも「アスベスト」かどうか分からない場合は、業者に依頼しアスベスト含有の分析調査を行う。
・吹付け建材の採取
・顕微鏡等を使用した分析
→ 民間分析機関へ調査を委託して下さい。
※ 民間分析機関(県内)は
・ タツタ環境分析センター奈良営業所
橿原市醍醐町296-1 電話:0744-24-3229
・ 野村興産株式会社ヤマト環境センター
宇陀市菟田野区大沢55 電話:0745-84-2822
・ 奈良環境調和研究所
桜井市粟殿1007-6 電話:0744-49-3744
※ 県や市町村の補助制度について
分析調査費を補助します。(限度額有り)
補助制度の有無等、詳しくは、市町村までお問い合わせ下さい。
3.分析の結果、「アスベスト」が含有されている場合は、早急に除去・封じ込め等の対策を行いましょう。
対策工事の種類
・除去処理
除去とは、吹付けアスベストを全部除去して、他の非アスベスト建材に代替する方法をいいます。この方法は吹付けアスベストからの発じん防止の方法として効果的であり、損傷、劣化の程度の高いもの(脱落・繊維の垂れ下がりが多いもの等)、基層材との接着力が低下しているもの(吹き付け層が浮き上がっているもの等)、振動や漏水のあるところに使われているもの等は、完全に除去することが必要です。
・封じ込め処理
封じ込めとは、吹付けアスベストの表面に固化剤を吹き付けることにより塗膜を形成する(塗膜性封じ込め処理=表面固化形)、吹付けアスベストの内部に固化剤を浸透させ、アスベスト繊維の結合力を強化する(浸透性封じ込め処理=浸透固化形)ことにより吹き付けアスベストからの発じんを防止する方法をいいます。
・囲い込み
囲い込みとは、アスベストが吹き付けられている天井、壁等を非アスベスト建材で覆うことにより、アスベスト粉じんを室内等に発散させないようにする方法をいいます。
<工事にあたっての留意事項>
・増改築時には、対策工事が必要です。
・除去工事の前に大気汚染防止法による届出が必要です。
・除去は専門の業者に依頼してください。
・「労働安全衛生法」「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」「建設
リサイクル法」等に留意してください。
労働安全衛生法・石綿障害予防法(概要)
○ 事業者は、その労働者を就労させる建築物に吹き付けられた石綿の粉じんの発散により、暴露するおそれがあるときは、吹き付け石綿の除去等の措置を講じなければなりません。
○ 建物等を解体、改修の工事を発注する場合は、直接工事を行う事業者にその労働者への石綿暴露を防止するための措置を講ずることを義務付け、発注者も石綿含有建材の情報提供や石綿による健康障害防止のための措置を講じることを妨げない(解体方法、費用等に配慮)ようにしなければなりません。
大気汚染防止法・同施行令・同施行規則(概要)
○ 建築物の解体等によって生じる石綿の飛散を防ぐために、規模・構造に関係なく、解体事業者は作業の場所、作業期間、作業方法などを都道府県知事へ届け出ることが必要です。
○ 解体作業にあたっては、吹き付け石綿を除去する場所を隔離したり、集じん・排気装置を設置したりするなど、作業基準を遵守することが求められます。