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今、奈良の森林がおもしろい! |
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奈良県の面積のおよそ77%は森林です。森林には私たちが使う木材を生産する働きのほか、災害から暮らしを守る、動植物の生きる場所となる、人々の心身に活力や潤いを与えるといったさまざまな働きがあります。
大切な森林を維持し、次の世代へと受け継いでいくためにたくさんの試みが動き出しています。 |
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高性能林業機械プロセッサは伐採された木の枝の切り落とし、一定の長さに切断する作業の両方が行えます。 |
奈良の森林がかっこいい! |
「木を伐(き)って出す」ことはスギやヒノキの森林の適切な手入れにつながります。
しかし、木材の価格が昔に比べて安くなる一方、人件費など木を出す経費が高くなっているため、木材の搬出量が減少しています。(ヒノキの価格は平成2年の約1/5)
そこで、県は木材生産量を増やすための取り組みや、林業事業体等への支援を行っています。
その具体的な事例を紹介します。 |
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効率化と若手育成への支援 |
田中林業(十津川村)の取り組み
(1)施業(せぎょう)の集約化
複数の人が所有する森林を取りまとめ、伐採や搬出といった施業を一括で行うことで、コストを抑える。 |
(2)道の整備
森林の中に道をつけて、伐った木を運び出しやすくする。 |
(3)機械化
高性能な林業用機械で作業の効率アップを図る。 |
(4)人材育成
林業を担う人材を育成する。 |
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若手に技術を習得してもらうことを特に心がけて取り組むことで、技術を次の世代に継承し、林業の振興に一役買えればと考えています。
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技術を磨き、将来は独立して一緒に林業を盛り上げていきたいです。
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森林所有者への施業提案活動を支援 |
明日香村森林組合の取り組み
(1)森林の掘り起こし
放置されているもののなかから、木材が生産できる森林を探し出す。 |
(2)施業提案
所有者に伐採や搬出などの施業の計画を提案する。 |
(3)木材生産・販売
計画に基づき、木材を生産・販売し、所有者に利益を還元する。 |
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県の後押しを受けて、新しい取り組みに踏み出すことができました。コスト削減や効率的に作業を進める工夫をしながら木材を生産・販売することで、森林所有者に少しでも利益を還元できるよう取り組んでいきます。
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A材(根元に近い部分)
幹が真っすぐで年輪が詰まっている部分。そのままで上質な素材になる。 |
福祉施設(五條市)
エレベーターホール(県庁) |
小物としての活用も |
桜ぷれいと(小皿) |
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B材(中央部分)
節や歪みが多くなる部分。加工次第で丈夫な素材になる。 |
集成材の例
体育館(五條市)
福祉ビル(奈良市) |
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C材(先端や枝葉)
これまでは捨てるしかなかった部分。細かく砕けば燃料資源になる。 |
チップ
ペレット
ペレットストーブ(県庁) |
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奈良の森林がたのしい! |
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森林や木材を通じて心の豊かさを求める新しい価値観が広まっています。
四季折々の色彩、森林の散歩道の土のやわらかさ…
木のやさしい手ざわりや香り、美しさを、めいっぱい楽しんでみませんか。 |
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木を使うとこんな良いことが…
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ダニや細菌につよい |
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夏は涼しく冬は暖かい |
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衝撃を吸収するのでけがをしにくい |
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湿度が保たれ過ごしやすい |
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奈良の木育(もくいく)
子どものときから楽しみながら木とふれあうことで、豊かな暮らしづくりにつなげます。 |
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自然とのふれあいで…
身近な森林である里山には心の豊かさを育む魅力的な環境がたくさんあります。
実際に訪れてみると、面白い発見がないだろうか、ここで何か楽しいことができないだろうか、という気持ちにさせてくれます。自然とのふれあいを通して、いろいろなことに前向きになりますね。 |
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奈良・人と自然の会
奈良市内で里山の景観づくりとその活用を行っている環境ボランティア団体。第7回あしたのなら表彰受賞。
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他にも県外で「奈良の木」は広まっています |
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■(株)TSUTAYAと県産材利用に向けた協定締結
店舗等で県産材を利用することにより奈良県の林業・木材産業の活性化を図ります。 |
■レストラン【ときのもりCIEL ET SOL(シエル エ ソル)(東京・白金台)】での県産材の利用
レストランを訪れる多くの人に、県産材の温かみや美しさをPRします。 |
ときのもりCIEL ET SOL |
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奈良の森林があたらしい! |
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平成27年4月に県と友好提携を結んだスイスのベルン州では、アルプスの厳しい土地と環境のなか、多種多様な木々を共生させる森林づくりが行われています。自然本来の力にあふれた多様な森林は環境や社会の変化にも強く、木材の生産にとどまらないさまざまな恵みを、少ないコストで安定してもたらしてくれます。
そんなスイスの姿勢から多くを学び、県の新しい森林づくりの中心となる「奈良県フォレスト・アカデミー」の構想など、人を育て、森林を知り、森林と人の共生を考えるさまざまな取り組みを進めていきます。 |
スイスでも昔は高く売れる木だけを育てる森林づくりをしていました。しかし、そうしてつくられた森林は環境の変化や災害に弱く、管理コストがかかるため、私たちは考え方を根本から見直しました。
多種多様な森林づくりは難しい面もありますが、挑戦のしがいがあります。なにより、かけがえのない森林ができあがります。奈良県でもぜひ実現してほしいです。 |
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スイスフォレスター(森の専門家) |
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新しい森林づくりが行われているスイスでは、樹種も樹齢もさまざまな木々が高い質・量を保ちつつ共存しています。 |
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新しい森林づくりの第一歩として、平成28年11月16日、荒井知事がスイスを訪問し、ベルン州のリース林業教育センター長のアラン・コッハーさんと面談しました。
職業教育や研修を中心とした森林と林業に関する積極的な交流と協力の発展を約束し、県とリース林業教育センターとの間で覚書を締結しました。 |
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