奈良祭時記


奈良祭時記
大柳生の宮座行事
奈良市 夜支布(やしゅう)山口神社
奈良市大柳生町の夜支布山口神社の7垣内(かいと)の氏子が行う県指定無形民俗文化財。その保存活動を行う「夜支布山口神社宮座行事保存会」の会長 大石本 保(おおいしもとたもつ)さんほか保存会の皆さんに行事に関わるお話を伺いました。

山口神社で行われる「ガクウチ」のようす
山口神社で行われる「ガクウチ」のようす

宮座とは?
 宮座とは、7垣内の93戸の氏子のうち、15歳以上の男性からなる組織です。今は150人弱が参加しています。年長者から生年月日順に一老、二老…となり、一老から順に年長者20人が二十人衆と呼ばれ、その中から「明神(みょうじん)さん」と呼ばれる当屋(とうや)が1年交替で年齢順に決まります。氏子総代の順番も祭事の役割も、全て宮座の年齢順の名簿により割り当てられます。今の二十人衆は88歳から71歳です。
秋祭りの行事は?
 毎年10月18日の前後の日曜日に宮座保存会が中心となって行う秋祭りは、宮座行事として無形民俗文化財の指定を受けています。その前日の土曜日は宵宮(よみや)で、その年15歳になる男子が「座入り」します。秋祭り当日は、「明神さん(当屋)」宅や御旅所、神社で「ガクウチ」と言われる田の草取りを模したものや、二十人衆の十九番目と二十番目による相撲などの奉納行事が行われます。
 秋祭りが終われば、「明神さん」が交代します。それを「廻り明神」と言い、ご神体の黒箱を当渡(とわた)し・当受(とう)けの行事をして受け渡します。
「明神さん」の役割は?
 「明神さん」になると、ご神体の黒箱を奥座敷の高所に飾り、1年間厳格なしきたりを守る必要があります。明神さんは、ご神体のある部屋で1年間寝起きし、外泊はできませんし、女性が部屋に入ることもできません。毎月1の付く日には、午前6時から白装束に袴姿で御神酒で清めた榊の葉を口にして無言で山口神社へお参りします。また、家族も含めて1年間、牛肉・豚肉やネギ類などを食べず精進潔斎します。
 「明神さん」になることは、長生きした証拠であり、とても名誉なことです。今後も、秋祭りを含め、宮座の伝統儀式を受け継いでいきたいと思っています。
「明神さん(当屋)」の奥座敷に祭られるご神体
「明神さん(当屋)」の奥座敷に祭られるご神体
保存会の皆さん(奥本さん、森本さん、福西さん、大石本さん、塚本さん、田島さん)
保存会の皆さん(奥本さん、森本さん、塚本さん、大石本さん、田畠さん、福西さん)
行ってみよう!
夜支布(やしゅう)山口神社
今年の秋祭りは10月15日(日曜日)に開催されます。
奈良市大柳生町
アクセス
JR・近鉄奈良駅から柳生方面行きバスで大柳生口下車南へ約1km
奈良市観光協会
TEL
0742-22-3900
無形民俗文化財については
県文化財保存課
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0742-27-9864
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