奈良祭時記


奈良祭時記
北今西のオコナイ
野迫川村 寿楽院阿弥陀堂(じゅらくいんあみだどう)
野迫川村北今西と大股の集落で五穀豊穣を祈願して行われる県指定無形民俗文化財。その保存活動を行う「北今西オコナイ保存会」の尾野 昭光(おのあきみつ)さんと中迫 喜昭(なかさこのぶあき)さんにお話を伺いました。

直径150cm・太さ45cmの輪を大きなかけ声とともに力を合わせねじ切る「カズラ切り」
直径150cm・太さ45cmの輪を大きなかけ声とともに力を合わせねじ切る「カズラ切り」

オコナイとは
 毎年1月2日の夜7時ごろから始まります。宝印(ほういん)を持って堂内を回る「宝印カツギ」や、集落の20歳以上の男性を記した名簿(「トウブン」)を読み上げる「組入り」、「カズラ切り」などがあります。「カズラ切り」では、堂内につるされたシラクチカズラを編み上げ輪にしたものを力を合わせねじ切ります。
 最後に、各家庭から奉納された「タテモチ」とよばれる粟餅をご祝儀として競売し終了します。競売には見学者も参加できます。
雪のなかでの準備
 準備は、帰省している人も加わって行います。当日朝8時ごろから山に入り、行事の材料を集めます。材料は、シラクチカズラやシキビ、アワギ、杉の葉、マナダケなど軽トラック数台分になります。
 昼過ぎからは飾り付けをします。近くの勝手神社の社殿と大イチョウ・杉の文様を半紙に切り抜いたものや、椿の造花を作るのは75歳以上の男性の役割です。それ以外の人は、堂内に新しいシラクチカズラを編み、飾りつけや護符づくりをします。
 夕方には、新たに加わる人や亡くなった人の名前を「トウブン」に整理して、行事をむかえます。
行事の継続のために
 集落の人数が多かった時は、若い人が材料を集め、毎年2本のカズラをつるし、若い人と中老とで競って2本とも切っていました。今は、みんなで材料を集めますし、カズラは毎年1本を新たにつるし、前年につるしたもの切るように変更しています。
 集落の人数は減ってきていますが、村外に移り住んだ人も行事の日には戻ってきてくれますし、「オコナイ」が終わらないと正月になった気がしません。近隣の宿泊施設の宿泊客も「オコナイ」を見に来てくれます。
 少しずつ時代に合った変更を加えながら、今後も継続できるような工夫をしています。

カズラに飾られたシキビなどは切る前に荒々しく取り払われる
カズラに飾られたシキビなどは切る前に荒々しく取り払われる
(左から)保存会の中迫さんと尾野さん
(左から)保存会の中迫さんと尾野さん
行ってみよう!
寿楽院阿弥陀堂
1月2日
野迫川村北今西
(「ホテルのせ川」近く)
※積雪等あるため、道路状況に注意してください。
野迫川村教育委員会事務局
TEL FAX
0747-37-2115
無形民俗文化財については
県文化財保存課
TEL
0742-27-9864
FAX
0742-27-5386
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