奈良祭時記


奈良祭時記
野依(のより)のオンダ
宇陀市 白山神社
宇陀市大宇陀野依地区の白山神社の氏子が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願して行います。楠田茂夫(くすだしげお)さん、奥田政次(おくだまさつぐ)さん、西浦定夫(にしうらさだお)さんにお話を伺いました。

境内で3人の早乙女が舞を披露
境内で3人の早乙女が舞を披露

オンダとは
 毎年5月5日に行われる白山神社の年中行事のひとつです。
 世話人のうち大頭(だいとう)が田主(たぬし)、小頭(しょうとう)が老婆の役を、氏子参加者の中から荒鍬(あらくわ)、万鍬(まんが)、小鍬(こぐわ)、苗籠(なえかご)、間炊(けんずい)の役を決めて、太鼓や囃子(はやし)にあわせて田植えなどの所作をします。主役は3人の早乙女(しょとめ)で、化粧をし、赤い腰巻きを付けた女装姿で舞を奉納します。男性でも化粧をするとそれなりにきれいになります。
 子どもたちが所作の邪魔をするいたずらをしたり、間炊役が観客に間炊(間食)を振る舞う時に即興で面白いことを言って観客を笑わせたりと演者と観客みんなで楽しめるお祭りです。
当日に配役を決める
 神社の年間行事は、その年の世話人を中心に行います。オンダ祭りの前日からショウブやヨモギの飾りと苗に見立てるウツギの小枝を準備します。
 当日13時に氏子が集まった時点で配役を割り振っていきますが、早乙女役だけは、女装の準備に時間がかかるので、事前に頼んでいた人に早めに来てもらいます。
 配役後、各役割の衣装を付けて所作や舞の練習をし、準備が整った時点で祭りが始まります。簡単な所作ですし、みんな子どもの頃から見ているので、当日急に配役されてもできるものです。
行事の継続にむけて
 白山神社の年中行事はたくさんあり、氏子の中から世話人を神札のくじで決めます。以前は氏子の中でも頭家講の中から頭家を決めていましたが、参加者が減ってきたこともあり、昨年、みんなで相談をしていろいろな見直しをしました。
 地域の大切なお祭りですし、基本は守りつつ、継続していくためにみんなが参加しやすい時代に合った仕組みに変更を加えながら守っていきたいです。
 
「ワッ」と大声を出して間炊を受ける
「ワッ」と大声を出して間炊を受ける
(左から)奥田さん、楠田さん、西浦さん
(左から)奥田さん、楠田さん、西浦さん
行ってみよう!
白山神社
5月5日
宇陀市大宇陀野依
宇陀市観光協会
TEL
0745-82-2457
無形民俗文化財については
県文化財保存課
TEL
0742-27-9864
FAX
0742-27-5386
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