平成30年度予算は、奈良のより良き未来に向けた種を蒔き、将来の礎を築くという願いを込めた予算とした。財政運営上も、交付税措置のない県債残高と県税収入の比率は3.1倍と知事就任以来最も良好な水準となる見込みであり、未来に向けた種がしっかりと育つ土台ができあがってきた。2037年に予定されるリニア中央新幹線全線開業と「奈良市附近」駅の設置は、奈良県が更に大きく飛躍するチャンスである。20年後の奈良県の姿を見据え、今から着実に歩み始めるため、平成30年度は、新たな取り組みに積極果敢にチャレンジしていく。
日帰り中心の観光から、宿泊して県内各地をゆっくり巡っていただく観光に変えていくことが非常に重要。飛鳥から藤原京を経て平城京に遷都されていく南北のラインを、日本という国が奈良で誕生したことを国内外にアピールする「宮都物語」と名付けて、県内周遊型観光の中心に据え、周遊環境の充実を図りつつ、推進していくことが効果的だと考えるが、知事の所見を伺いたい。
大きな被害をもたらす地震はどこでも起きる可能性がある。事前の備えとして、家具の固定や、発生時に落ち着いた行動ができるよう、シェイクアウト訓練への参加促進などの取組を進め、地震被害の軽減につなげたい。また、地震被害の軽減を図るには、県民への注意喚起が大変重要である。地震はどこでも起きる可能性があることを、繰り返し周知啓発し、自分の命は自分で守ることを浸透させていきたい。地盤情報についてはオープンデータ化していく方向で検討する。
待機児童の解消に向け、市町村の保育所等の整備を支援し、毎年約500人の保育の定員を増やしている。企業主導型保育事業についても、県独自の補助制度を創設して推進し、現在11施設が既に開設、16施設が来年度以降の開設に向けて準備を進めている。保育士の処遇改善については、国、県、市町村の負担により、経験年数に応じた給与改善が段階的に図られている。県では、これらの給与改善が、一人ひとりの保育士に確実に行き渡るよう、保育事業者への制度の周知等に市町村とともに取り組んでいる。
所有者不明土地問題については、国土交通省の国土審議会土地政策分科会特別部会で検討されているところ。土地所有者の責務や相続登記の義務化、行政機関相互での土地所有情報の共有、利用権期限の撤廃、公益的事業以外にも民間事業者が活用できる制度の創出などの課題も引き続き検討が必要。県としても、国や他府県と情報交換をしながら課題解決に向けて貢献をしていきたい。
昨年の台風21号では、県管理の道路と河川で319箇所において被害が発生した。被災直後に通行止めとなった箇所のうち近接した迂回路がない88箇所で、応急工事により道路開放し、河川では、放置すれば被害拡大のおそれのあった26箇所で応急工事を行った。被害を受けた道路や河川などの公共土木施設について、災害査定が行われ、事業費が決定。来年度の上半期には、概ね全ての箇所の着手を予定している。
今回、情報公開審査会の答申で行政文書に該当するとされた文書は、事業課の担当課長補佐が土木事務所の職員に聞き取り調査をしたメモであり、個人フォルダに保存され、組織共有されていなかったことから、当初は行政文書に該当しないと判断していた。組織として文書管理に関する体制が十分でなかったと反省している。行政文書の取扱いの最終責任者である総務課長を責任者として改善していきたい。
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