暮らしを彩る筆づくり 株式会社あかしや 代表取締役社長 水谷 豊(みずたに ゆたか)さん
伝統の「奈良筆」
弘法大師(空海)が遣唐使として中国に渡り、その製法を習得して持ち帰ったのが奈良筆の始まりとされています。当社は奈良筆と、その特徴をいかした化粧筆や筆ペン等の製造・販売を行っており、「あかしや」の屋号は約300年の伝統を誇ります。 奈良筆はヤギやイタチ、リスなど10種類以上の動物の毛を原料として作られます。特に毛の配分や寸法を混ぜ合わせる「練(ね)り混(ま)ぜ」という工程により、穂先に絶妙の味が生まれます。一人の職人が全ての工程を一貫して行うことで、高品質な奈良筆を作っています。 また、中国にも工場があります。通常は現地企業に委託し下請工場が製造するため品質がばらばらになりますが、当社では自社工場で筆づくりの工程を指導・管理しているため、品質が安定しています。 他にも奈良筆の穂先の繊細さをいかした化粧筆も作っています。毛先を切るのではなく、ずらしながら丸みを持たせた形状は、とても肌触りが良くて外国人にも好評です。
職人が一つ一つ手づくり
伝統をいかした新製品
毛筆タッチで水彩画が描けるカラー筆ペン「彩(さい)」を開発しました。一本で細い線から塗りつぶしまで思いのままに描くことができ、さらに、穂先を水につけて濃淡を調整したり、別の色と混ぜてグラデーションにすることもできます。 中国や台湾だけでなく、毛筆文化のないアメリカやヨーロッパなどでも人気で、現地で「あかしや」といえば「彩のメーカー」として知られています。
水彩毛筆「彩」
ふれてわかる筆のよさ
同じ筆でも人によって感じ方はさまざまです。当社では自分にぴったりの筆を見つけてもらうため、本社内にショールームを設けています。ふれてみてわかる筆のよさをぜひ体感してもらいたいと思っています。また、筆だけでなくその周辺のものづくりにもチャレンジし、お客様の暮らしを彩っていきたいです。
気軽に立ち寄れるショールーム
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