奈良祭時記

県民だより奈良 平成30年9月号

奈良祭時記
櫟原(いちはら)のオハキツキ
平群町 生駒山口神社
平群町櫟原にある生駒山口神社の秋の大祭を前に、地域で行われる伝統行事です。
宮司の杉下 里美(すぎした さとみ)さんと氏子の髙村 樹慶(たかむら しげよし)さんにお話を伺いました。
本当屋宅に作られるオハキ
本当屋宅に作られるオハキ
秋の大祭を前に祭神を家に迎える
 「櫟原のオハキツキ」は、秋の大祭の1週間前に、生駒山口神社の祭神である男神様と姫神様が氏子の家にお渡りし、祭り前日の宵宮に神社へ帰っていく行事です。祭神を迎える氏子を「本当屋」と呼び、毎年、地域の家が順番に受け持ちます。
 本当屋の庭には「オハキ」と呼ばれる、祭神の依代(よりしろ)(仮の居場所)を作ります。オハキを築(きず)くことから、一連の行事を「オハキツキ」といいます。
 お渡りの儀式では、神社で祭神を榊(さかき)に移し、行列を組んで本当屋宅に向かいます。宵宮の日に祭神が神社へ帰る「遷幸(せんこう)」の時にも同じように行列を組みますが、男神様と姫神様の2回に分けて行います。姫神様の遷幸は真夜中に行うのですが、これは、姫神様が恥ずかしがらないようにするためだといわれています。
 お渡りと遷幸で使う道は、神様の通り道なので、人や車とすれ違わないようにしています。
行事の準備は田植えから
 オハキは、その年の本当屋のいる組の氏子で協力して、9月末に作ります。まず、骨組みとして、近くの山から切り出した切っても芽の出る7種類の木を、上に広がる円型に組みます。この骨組みに竹を編み、石や砂を入れて、周りを杉の葉で覆います。一番上には、漆の木で作った鳥居を立てます。そうしてできたオハキの周りに、しめ縄で結界を張って完成です。
 行事で使う米や藁(わら)には、本当屋の田んぼで育てた稲を使います。通常の稲刈りより前に行う行事なので、いつもより早めに田植えを行う必要があります。
㆒生に㆒度の巡り合わせ
 お渡りから遷幸までの6日間は、本当屋によって祭神が祀(まつ)られます。また、オハキには近隣の皆さんもお参りにきます。
 本当屋は、櫟原の5組70世帯くらいが交代で受け持つので、一生に一度回ってくるかこないかという大役です。これからも地域のみんなで受け継いでいきたいです。
本当屋宅から神社への遷幸
本当屋宅から神社への遷幸
宮司の杉下さんと氏子の髙村さん
宮司の杉下さんと氏子の髙村さん
行ってみよう!
生駒山口神社
平群町櫟原
10月第2日曜日に行われる秋の大祭の1〜2週間ほど前から一連の行事が行われます
生駒山口神社
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