最近、娘たちを連れて、父と母が暮らす田舎に行く機会が多くなった。 父と母は、86歳と79歳の要介護認定者であるが、軽度であるため多少の介護サービスを利用しながらも、夫婦二人で何とか暮らしている。 私は介護保険関係の仕事に携わっていることもあり、公私ともども、高齢者の豊かな人生、高齢者の生きがいといったテーマについて考えさせられる場面に直面することが多い。 娘2人が、仕事や大学生活の合間を縫って遠路、父と母に会いに行ってくれる。そして、20代の女性にとっては興味も無いだろう退屈な話に、笑顔で傾聴。また、お世辞にも彩り鮮やかと言えない母お手製の食事に「おいしい、おいしい」と笑顔。本音?お世辞?「店屋物よりおばあちゃんの料理がいい」とおねだり。 日常あまり変化のない高齢者の暮らしの中に、満面の笑みがみちる時である。 高齢者の豊かな人生は、自身のアクティブな活躍のみならず、平凡な日常に、ちょっとした優しさ、気配り、ふれあいの種がまかれた時に、大輪の花を咲かせると感じる今日この頃である。
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