ぶらり日本書紀

県民だより奈良 平成30年10月号

ぶらり日本書紀
宮滝
宮滝
地図
壬申(じんしん)の乱
 白村江の戦いで新羅と唐に敗れ、臣下の反対を押し切って、都を大津に移した天智天皇。その後継者候補は、弟の大海人皇子(おおあまのみこ)(のちの天武天皇)と、息子の大友皇子(おおとものみこ)でした。天智天皇は大友皇子を太政大臣に任命しますが、病床で大海人皇子を後継者に指名します。しかし大海人皇子は大友皇子を次の天皇にしようとする者たちの企(たくら)みを知り、指名を辞退して出家。すぐさま山深い吉野宮(宮滝遺跡)に入ります。大海人皇子の強さを知る人は、「虎に翼をつけて放つようなものだ」と言ったとされます。
 その後、兵を挙げた大海人皇子は、吉野を出て、伊賀、伊勢、美濃へ進軍する間に、次第に大軍勢となり、息子の高市皇子(たけちのみこ)や臣下の奮戦により各地で勝利していきます。大友軍は、近江の瀬田川にかかる唐橋の西に大軍勢を構えましたが、大海人軍がこれを突破し、勝利しました。
 大海人皇子は翌年、天武天皇として飛鳥浄御原宮(あすかのきよみはらのみや)で即位します。吉野には、壬申の乱にまつわる地や天武天皇自身を祀(まつ)った神社が数多くあり、転戦した大海人軍の故地(こち)をたどることで、古代日本最大の戦い、壬申の乱の追体験ができます。
浄見原(きよみはら)神社
天武天皇を祀る神社です。この地(国栖(くず))に住む人々が、大海人皇子が吉野で挙兵した際に、歌舞を奉じて歓迎したと伝わることから毎年旧正月14日に12人の翁(おきな)による古式ゆかしい舞である、「国栖奏(くずそう)」の奉納が行われています。
浄見原神社
全8回 記紀を語る講演会・古代を感じるトーク&ライブ(10月31日申込締切)
『古事記』『日本書紀』をテーマに県内5会場で講演会を開催。女優の鶴田真由さんや俳優の小手伸也さん等、著名人のトークや演奏を楽しむトーク&ライブも県内3会場で開催。
12月1日 聖徳太子シンポジウム(10月31日申込締切)
桜井市民会館にて、聖徳太子と海外交流(仮)をテーマにシンポジウムを開催。講演、パネルディスカッション、バイオリンと和楽器のコンサートなど。
1月12日 古事記のまつり(11月16日申込締切)
奈良春日野国際フォーラムにて「古事記のまつり」を開催。「こども古事記かるた大会」と能舞台上で古事記の一節を詠む「古事記朗唱大会」の出場者を募集中!
申込方法など詳しくは

QRコード(「なら記紀・万葉」へリンクしています)

http://www3.pref.nara.jp/miryoku/narakikimanyo/

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