株式会社ハンナ

ハンナ

株式会社 ハンナ(奈良市)


たどりついた経営戦略は 「人」を大切にする経営

インターネット通販の拡大等で、宅配は私たちの日常になくてはならない存在になっています。その一方で、運送業界は今、深刻な人手不足が問題となっています。

そんな運送業の一端を担う、株式会社ハンナ(社員数100名)は、世間の状況を尻目に、多い時には週に2〜3人の社員が新しく入り、また社員の定着率も関西の運送業界では抜きんでているとか。

なぜ、ハンナに人が集まり、定着するのでしょうか?その秘密を探ってきました。

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運送業界で生き残るために必要なこと「差別化戦略」 そのキーワードは“健康”

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管理統括部・総務経理課長の長谷川佐恵(はせがわさえ)さんにお話を伺いました。

「社員の健康は、ハンナのちから!!」ハンナのホームページの真ん中に大きく掲げられたこの言葉。それを裏付けるように、ハンナは健康経営優良法人 2017奈良県初認証、健康づくりの取組に対する知事表彰、第2回職場まるごと健康チャレンジ金賞など、様々な賞を受賞しています。

男性中心の運送業界といえば、お酒にたばこを連想してしまいますが、社員に健康づくりを進めるのは大変そうです。なぜ「健康」に力を入れることになったのでしょう。

「運送業界は一般的には長時間勤務が多く、離職率も高い業界です。10年くらい前までのハンナも例外ではありませんでした。しかし、それでは会社として長く続かないのではないか?と経営的な先読みをしたのが、社長の下村由加里です。ハンナの「商品」は(1)配送品質(2)ドライバー(3)トラックの3つです。この3つの「商品」で他と差別化を図って生き残っていくために一番大事なことは、と考えて、いきついたところが、労働力。ドライバー=「人」でした。」


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(荷下ろしをするドライバー)

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(安全大会の様子)


何より大事な「人」を定着させるためには、社員がやりがいを持って活き活きと仕事を続けられることが大切です。そのために必要なものこそ社員の「健康だ!」と、ハンナの地道な取組が始まりました。



社員にとって“人ごと”だった健康の取組が、今やっと”自分ごと”に

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(外部講師を招いての禁煙セミナーの様子)

10年ほど前、社員の健康管理の舵取りを任されたのが長谷川さん。まずは個々の生活習慣を改善するという目標を決め、社員への声かけから始めました。「健康のことなんかやって、なんぼ金稼げんねん。そんなん、ええからほっといてよ。」とさっそく反発にあいます。取り組みスタート時の風当たりは、相当だったようです。

それでも長谷川さんは、毎回健康診断の結果を確認し、行動。数値に少しでも改善が見られた社員には、「結果見たよ!改善してるやん。よかったね!」と声をかけていきました。

ある時、社員の方から「健診結果見てくれた?僕、頑張ってるやろ!」と電話をかけてきてくれたそうです。「会社の取り組みとしてスタートしたことが、いつのまにか『自分ごと』に変わったのを感じて、とてもうれしかったです。やはりこういう行動は、男性に比べて女性の方が役得でお得意かもしれませんね」と長谷川さん。

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(社内に設置された血圧計を利用する職員さんの様子)


またこの取り組みは、いつのまにか家族も味方につけました。

「生活習慣改善の為に、食生活の見直し、禁煙、睡眠時間の管理等、社員を通じて家族からの協力もあり、ある社員が転職の相談を家族にしたところ、『こんなに健康を気遣って大事にしてくれる会社なかなかないで?なんで辞めるの?』と引き止めてくれたそうです。ハンナは、家族にとっても働き続けて欲しいと思う会社になっていたのです。」



長年のこうした取り組みの成果が”健康経営優良法人”の奈良県初の認証取得にもつながりました。大事な社員が健康で活き活き働き、企業としても成長を果たしたいという社長の想いを受け、粘り強く地道にコツコツやってきた長谷川さんらの姿勢が、実はハンナの一番の強みかもしれません。


先輩ロールモデルをめざし、子育てと両立しながら、キャリアアップも!女性ロールモデル福田幸子(ふくださちこ)さん

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次にお話を伺ったのは、同じく総務経理課の福田幸子さんです。

- 男社会というイメージが強い運送会社ですが、就職したきっかけは?

「保育園に通う子どもがいます。出産後も働いていましたが、前職は子育てと仕事の両立が難しく、転職先を探していたところ、ホームページで正社員募集をしているハンナを見つけました。その時の面接官は今の上司にあたる長谷川課長でした。子育て中であると話すと『子育て中であれば、その範囲で出来ることを見つけてみる。長い人生、そんなん数年間じゃないの。たくさんできることがあると思わない?』という言葉に背中を押されて、私が働くのはここだ!と思いました。」


- 男性社員ばかりの職場ですが、女性社員として期待されていることや、違いを感じることなどはないですか。

「ハンナは男性社員が確かに多いですが、特に意識したことはありません。もちろん腕力の差はありますが、女性ドライバーが保育園、幼稚園、施設の配達を担当しており、ソフトな雰囲気がお客さまに好評です。男女にかかわらず、お互いの長所を認め合い、短所を補いながらやれればいいですね。私の場合は、いままでの経歴で身についたコミュニケーション力で、会話の中で相手の気持ちを探ったり、子育ての経験を活かし、小さな変化にも気付きやすいということが強みです。男性社員が気づかなかったところでフォローができ、これからも職場に貢献できればいいなと思っています。」



- 直属の上司だけでなく、社長も女性です。女性上司の下で働くことについて教えてください。

「上司が同性であったことは心強く、安心感があります。子どもが小さいので、急な病気や警報発令などで職場に迷惑をかけることもあり、『両立はしんどいなぁ』と感じることもありますが、その度、周りの方に助けてもらい、『今度は私が』という気持ちになります。子育てで仕事の時間が思うようにとれない私に『あなたができることはなに?』『今、なにする?』『気持ちを切りかえよか?』と長谷川課長はいつも声をかけてくれます。私はキャリアアップもしたいと思っています。目標である先輩ロールモデルが身近にいることで、私も『いつかは!』と仕事に力がはいりますね!」




ハンナの職場風景

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(きれいであかるいハンナ本社のオフィス)

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(お昼休みの社内の様子)



編集後記
-大学生プロジェクトメンバーより-

「運送業は男性中心社会で女性社員は雑用でこき使われているのでは?」そんなイメージはハンナには当てはまりませんでした。

それどころか、ハンナには、女性が、女性を意識せず、自分の強みを活かしながら、目標を持って活き活きと仕事ができる環境の職場のようでした。長谷川さんの「男性社会だからこそ、逆に女性が入りやすいこともある。」という言葉が、印象的でした。

男社会だから女性が入り込めないのではなく、男社会だからこそ、違う視点が活かされ、しかもその視点が会社をいい方向に変えていくかもしれないのです。そう考えると、今までは就活先として視野に入れていなかったような業界も意外な可能性を秘めているのでは!と、ハンナの取材を通じて感じました。

先輩ロールモデルの下で、活き活き働き続けたいと思っている学生にとって、ハンナのような女性が輝ける中小企業はうってつけですよ!

ハンナ



株式会社ハンナ

所在地 奈良市北永井町372
従業員数 正規職員98人(うち女性7人) 非正規社員0人 (平成30年8月1日現在)
事業内容 一般貨物自動車運送事業
HP http://www.hanna-tp.co.jp/

取材担当 奈良女子大学2年生  大野穂乃歌


記事作成:平成30年10月1日

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