奈良の輝く企業×起業

県民だより奈良 平成30年11月号

奈良の輝く企業・起業

まごころ込めた伝統の葛菓子を次の世代に
株式会社 吉田屋
企画・営業・デザイン
山本 桃子(やまもと ももこ)さん
      吉田(よしだ) やよいさん

山本 桃子さんと吉田やよいさん
            吉田屋の歴史がわかる「おばあちゃんのミニ博物館」の前で。
山本さん(左)と吉田さん(右)姉妹。

葛の菓子を扱って136年

 吉田屋では、奈良県産の葛を使い、独自の製法と伝統の技術で、葛菓子や葛餅、葛湯などを中心にさまざまな商品を製造・販売しています。創業は明治15年で、当時は大峰山系の土産物屋などに、葛や乾物、菓子を卸していました。現在は、定番商品や季節に合わせた商品を多数扱っており、土産物屋のほか、セレクトショップやオンラインショップでも販売しています。
 80年間変わらないレシピで製造している羽二重餅風の「葛餅あんなし」など、昔ながらの伝統を守り続けている商品も多くありますが、時代に合わせた新商品の開発やパッケージデザインの見直しも常に行っています。

定番商品の葛菓子
定番商品の葛餅
定番商品の葛菓子と葛餅

次の世代に葛を伝える新ブランド

 平成26年に、老舗新ブランド「ゆるり」を立ち上げました。奈良県産の本葛はもちろん、地元産や国産のフルーツ、きび砂糖やてんさい糖など、体に優しい素材にこだわったブランドです。
 立ち上げのきっかけは、子どもが1歳のころに卵アレルギーを発症し、アレルギーのある子どもたちでも食べられるお菓子を作りたいと思ったことでした。卵や牛乳など動物性のものを使用せず、本葛と米粉を使用したクッキーや、本くずゆ、葛ムースなど、葛の良さを伝えるお菓子を販売しています。このブランドを通して、子育て世代の若い人や、子どもたちにも葛の良さを知ってほしいと思っています。
 また大和当帰葉を使った葛湯や、葛の葉や当帰葉が入った「当帰ハーブソルト」なども新しく作りました。新商品は、新たな発想の中にも吉田屋が培ってきた伝統技術と葛へのこだわりを持って作っています。

柚子生姜本くずゆ
柚子生姜本くずゆ

葛を通して人と人を繋ぐ

 「本葛」や「吉野葛」の名前は知っていても、葛の使い方がわからないという声を聞くことも多く、今後は葛を使った料理イベントなど、葛のことをもっとたくさんの人に広める活動ができればと考えています。葛や地元の食材を通して、地域や世代を超えて人と人を繋ぐ体験を吉野から発信していきたいです。

旧工場跡である「おばあちゃんのミニ博物館」では、当時の製造機械の見学や、葛菓子づくりの体験ができます(要予約)。
株式会社Womenʼs Future Center
株式会社 吉田屋
下市町阿知賀1128-1
電話 0747-52-2532
FAX 0747-52-6208
URL www.yoshidaya-shop.com
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
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