ぶらり日本書紀

県民だより奈良 平成30年12月号

ぶらり日本書紀
天武・持統天皇陵(檜隅大内陵)
天武・持統天皇陵(檜隅大内陵)
地図
藤原京へ遷都
 七世紀末、飛鳥の北、大和三山を取り囲むようにして日本で最初の本格的な都が造営されました。中国の都城を手本に、東西南北を碁盤の目のように区画する「条坊制」を採用した「藤原京」です。『日本書紀』には新益京(しんやくのみやこ)と記され、694年に遷都が行われたとされています。
 藤原京は、天武(てんむ)天皇が新しい国づくりを目的に構想し、皇后の持統(じとう)天皇が造営を推進しました。持統天皇は夫の崩御後に自ら天皇となって政務を受け継ぎ、国家の礎となる法令「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」の施行、戸籍の整備など、律令国家体制の整備を行ったのです。
 『日本書紀』には、夫との思い出の地である吉野へ30回以上も行幸したことや、天武天皇が妻の持統天皇の病気回復を祈って、薬師寺を建立したエピソードも記されています。
 そして『日本書紀』は、持統天皇が、孫である軽皇子(かるのみこ)に譲位したという記載で結ばれています。
 現在、特別史跡藤原宮跡から南へ少し進んだ所に、檜隈大内陵(ひのくまのおおうちのみささぎ)がひっそりとたたずんでいます。ここに、さまざまな苦楽を共にした天武天皇・持統天皇夫婦は寄り添うように眠っています。
飛鳥京跡苑池(あすかきょうあとえんち)
飛鳥宮跡の北西に隣接しています。発掘調査によると、堤をはさんで南北2つの池からなり、外国使節などの歓迎の場として利用された庭園跡ではないかと推定されています。また今年の調査で、北池西岸の大部分が階段状であったことがわかっています。現在は、埋め戻され、復元計画が進められています。
飛鳥京跡苑池
飛鳥京跡苑池
(現在は埋め戻されています)
第6回「古代歴史文化賞」大賞作品決定

古代の歴史や文化に関する一般向け書籍の中から、優れた作品を表彰する「古代歴史文化賞」。今年度は『儀式でうたうやまと歌 木簡に書き琴を奏でる』犬飼隆著(塙書房)が大賞に決定し、その他にも優秀作品賞4作品が発表されました。詳しくは下記へ。
『儀式でうたうやまと歌 木簡に書き琴を奏でる』犬飼隆著(塙書房)

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古事記のまつり観覧者募集!
1月12日(土曜日)12時~18時
「古事記朗唱大会」と「古事記かるた大会」に加え、島根県松江市鹿島町の神楽「佐陀神能(さだしんのう)」の特別上演や、奈良の歴史にまつわる本や特産品の販売なども行います。古事記編纂(へんさん)の地・奈良で、今も息づく『古事記』の世界を体感してみませんか。
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