第5回 「攻めの経営」戦略セミナー

第5回 「攻めの経営」戦略セミナー

日時

 2019年3月14日(木曜日)14時00分16時00分

会場

  やまと会議室

プログラム

 第1部 多様な人材獲得と育成が企業成長のポイント5thSeminar

             14時00分~14時20分
      講師:奈良県プロフェッショナル人材戦略拠点 

        中﨑マネージャー


 第2部 「人手不足を生産性で解消」 14時30分~16時00分
     講師:パナソニック エコソリュションズ創研株式会社

        大澤 仁氏

 あいさつ

   奈良県プロフェッショナル人材戦略拠点 マネージャー 中﨑 宏平
プロフェッショナル人材は、内閣府の委託事業であり、約3年間活動して参りました。その主旨は、地方の中小企業を元気にし、地方創生に繋げることであります。この3年間で約410社訪問 奈良県企業の経営者の方とお話をさせて頂き、皆様の思いをお聞きし、お会社の成長に少しでもお役に立てればと思っております。今回のセミナーは単なる座学ではなく、より経営に結び付くような内容で企画しました。パナソニック株式会社の物作りのノウハウをお話しいただき、生産作業を多面的に捉え改善し、生産性向上にお役立て頂ければと思います

第1部 多様な人材獲得と育成が企業成長のポイント

   奈良県プロフェッショナル人材戦略拠点 マネージャー 中﨑 宏平

人口減少
・奈良の生産年齢人口は2045年 2015年比で約60%になる。30年で40%減少し、新卒など若い方はさらに減少する。
・人口減少・高齢化は、労働市場では転職市場を活性化させ、求職者はより良い労働条件企業に流れ、マーケットは需要減少により供給過多・価格競争・デフレを生み、どちらも企業の利益を圧迫する。


◆生産性向上
・奈良県のGDPは、2015年度3兆5,777億円 全国38位、全国シェアーは微減傾向である
・GDP=生産人口×生産性と定義するなら、生産年齢人口が減少する中、企業が成長するには生産性を高める必要がある
・生産性を上げるには、原点に戻って企業全体のプロセスを俯瞰し思い切った変革が必要である
・人口減少・マーケット縮小に備えるには「価格競争」から「価値競争」へと発想の転換が必要。この発想の転換を図るために「プロ人材」が必要

◆人材獲得
・この3年間で企業を410社訪問し172件の人材要望を頂いたが、充足できたのは62件。望む人材を提供できていないのが実態である。
・人事政策は社員の育成などの長期視点と、変化の時代に機敏に対応する短期視点で考える必要がある。
・変化の激しい時代、企業価値の向上のために、企業全体の活動を俯瞰し、企業の強みや弱みを明確にし、経営の3要素をどのように配分するかを検討・実行できるプロ人材の登用を検討すべきと考える、我々の活動が少しでもお役に立てればと考えている。
・長期視点で人材を考えると、奈良県は男女とも就業率が低い(男性62.6%:全国45位、女性42.4%全国47位)これを分析すると、男性はシニア世代、女性は35歳~59歳の専業主婦、この人たちを如何に働いてもらうかが、働き方改革と相まって取り組んで行く課題である。多様性人材の雇用がポイント

シンギュラリティ
・もう一つは、2045年に起こると言われているシンギュラリティ(技術的特異点)である、第4次産業革命がこれから急速に進む、AI・ロボテックス・RPAなどとどう向き合うかも人口減少に対応した生産性向上の施策である

最後に
・如何に「儲ける」か、そのためには「付加価値」を上げるかである。このためにはブレイクスルーが必要、既存の概念に固執せず、変化に迅速に対応する企業が勝ち残るのは間違いない。
・今回のセミナーを受講いただき、人材不足を生産性向上で解消し、さらに発展いただけるお役に立てればと思う。


第2部 「人手不足を生産性で解消」 

  講師:パナソニック エコソリュションズ創研株式会社 大澤 仁氏

はじめに
・企業の目的:市場環境がどのように変わっても儲け続けて永続的に発展していくこと。その為には顧客満足の向上と企業利益の確保を両立させること
・変化への企業対応力:
  変化に先行する企業/変化に即応する企業⇒勝ち組、 
  変化を軽視したり/拒絶する企業⇒負け組
・変化への対応策:経営革新の課題として2つのイノベーションがある
 (1)プロダクトイノベーション:製品での優位差  (2)プロセスイノベーション:製造での優位差
  本日は「プロセスイノベーション」について述べる
・工場で良く聞くこと
 人手不足・人が集まらない・ベテラン社員がやめて技術伝承ができない ⇒長期残業、休日出勤で対応
 設備導入や増員の前に、もう一度製造現場を見て本当に100%の実力が発揮できているか確認が必要

◆生産性向上の考え方
・IE(Industrial Engineering)とは、より経済的のしくみ(最善の方法と最新の手法)によって人モノ(材料や設備など)をよりよく結びつけ、仕事のロス(ムダ、ムリ、ムラ)を追放して、仕事の生産性(楽に、早く、安く、良い品質)を上げる事を目的とする。⇒収益改善に結びつける
・生産活動の4要素 加工・運搬・検査・停滞 お客さんがお金を払ってくれるのは「加工」だけ(付加価値がつく)、「運搬」「検査」は必要不可欠だが効率化する、「停滞」はなくす
・作業の「動き」は付加価値を生まない、作業を「働き」に変えると付加価値をつけて仕事になる

◆人の効率化
・人の効率化阻害ロス:付加価値を生まないものはすべてロス
・動作経済の法則 4つの基本原則(1)動作を同時に行う(2)基本動作の数を減らす(3)動作を楽にする(4)動作の距離を短くする
・モーションマインド:動作や工程のムダに気づく心を持つためにツール
  (1)10手(作業動作改善):作業動作のムダの着眼点を見つける道具
  (2)10勘(工程総合改善):工程のムダの着眼点を見つける道具
  (3)10帰(品質の作り込み改善):品質を工程で作り出すための着眼点
・ラインバランスロス 
 ネック工程を見つけ出し、作業できる平等かつ蜜に割り当てる最適編成を計画する

設備の効率化
・設備の7大ロス:(1)故障 (2)段取・調整 (3)刃具交換(4)立ち上がり  ⇒ 時間稼働率
         (5)空転・チョコ停 (6)速度低下            ⇒ 性能稼働率
         (7)不良・手直し                     ⇒ 良品率
・設備総合効率(%)=時間稼働率×性能稼働率×良品率
・価値稼働時間:設備で付加価値を生んだ時間
・現場力:現場で自ら問題点を発見しそれを解決しその状態を指示する自立的な問題解決力
・設備管理:設備は故障する前に計画的に停止して直す
・自主保全:設備はいつでも正常が当たり前、しかし設備は必ず劣化する
・自主保全:第1ステップ:整理・整頓・清掃、第2ステップ:発生源・困難箇所対策
      第3ステップ:基準書作成
・設備停止時間の短縮:(1)工具交換時間の短縮(2)検査時間の短縮(3)材料待ち時間をゼロにする(4)社内修理体制の確立
・段取り時間の短縮:内段取り作業の外段取り化と再現性の追求が大幅な時間短縮の決め手
  内段取り=機械をとめないとできない段取り作業、外段取り=機械を止めなくてもできる段取り作業  
・段取り換えの5つの定石:(1)「手」は動かしても「足」は動かすな (2)福は「内」、「鬼」は外(3)「ボルト」を見たら親の 仇と思え(4)「直列」から「並列」へ(5)調整レス、そのためには「基準」は不動
・加工時間の短縮:加工は(1)ワークローディング(2)加工(3)ワークアンローディングからなる、加工そのもの短縮とワーク ローディング、ワークアンローディングの短縮両面で考える
・標準作業の作り方:標準時間を設定し、それを達成するために作業を見直し標準作業所にまとめ、これを繰り返えし改善する

最後に
 明日もう一度現場みてください。今まで気がつかなかったムダを見つけることができます、それが、現場改善の第一歩




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