いとうひろしさんの『だいじょうぶ だいじょうぶ』という絵本をご存じでしょうか。 幼い主人公の僕が、困ったことや怖いことに出会ったとき、決まっておじいちゃんは僕の手を握り「だいじょうぶ だいじょうぶ」と声をかけました。そのおまじないに救われて大きくなった僕が、今度は病室で横になるおじいちゃんに「だいじょうぶ だいじょうぶ」と手を握りながら声をかけるというお話です。 昨今、子どもたちの周りには、貧困や虐待、SNSを利用した「いじめ」などの問題があります。その結果、自分自身の存在や個性を尊重すること、将来の希望や夢を持つことができず、子どもたちが孤立しやすい社会になっているのではないでしょうか。今こそ子どもたちには、この絵本のおじいちゃんのように寄り添ってくれる人が必要だと思います。あるいは、子どもばかりでなく、大人にとっても、誰かに言ってほしい一言なのかもしれません。 おじいちゃんの「だいじょうぶ だいじょうぶ」の言葉が主人公の心に響き、人に寄り添うことができたように、お互いに不安や思いを受け止めて「だいじょうぶ だいじょうぶ」と一緒に悩み、支え合える社会であってほしいものです。
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