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野生動物は、明治時代まで貴重なタンパク源で、骨まで有効活用される重要な資源でした。明治以降、狩猟により生息頭数が減少したものの、その後徐々に回復しました。
しかし、近年イノシシやニホンジカなどによる農作物被害(鳥獣被害)が増えています。被害額は毎年全国で150億円を超え、奈良県でも大きな被害が発生しています。 |
今回の特集では、県内の農作物の被害状況と
その対策などについて紹介します。
県庁農林部のT課長
(県内の農業にとても詳しい) |
■全国における個体数の推移(推定) |
(参考)平成28年度の北海道の推定個体数は約47~55万頭(北海道資料) |
※数値は全国の個体数推計の中央値 |
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STEP1被害を知る |
知っていますか?鳥獣被害のこと |
奈良県の被害はどのくらいなの? |
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収穫間近の作物が一晩で被害を受けると、農家の営農意欲の減退や離農につながり、被害額以上に深刻な影響があります。
鳥獣被害を食い止めるには、市町村や農林事業者など、地域が一体となった取り組みが必要です。
■奈良県の鳥獣被害金額の推移
出典 奈良県野生鳥獣による農作物等の被害状況調査 |
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奈良県でも大きな被害が出ていたんだ! |
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どんな被害が起こっているの? |
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農作物が食べられて出荷できなくなる以外にも、枝や幹などを折ったり、土手を壊してあぜ道が使えなくなったりします。
また、住宅地にイノシシなどが出没したり、車との衝突事故が発生したりと、農作物への被害以外にも私たちの生活にさまざまな影響があります。
イノシシによる踏み荒らし
シカによる稲の食害
イノシシによる石垣の破壊
サルの被害にあう家庭菜園 |
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いろいろな事が起きているんだね! |
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鳥獣被害防止の取り組みは何がありますか? |
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鳥獣被害防止のために地域の取り組みを総合的に支援しています。
1 人材育成
鳥獣被害を受けにくい地域を目指し、地域指導者や狩猟者の研修会を開催します。
2 環境整備
放置果樹の伐採、農地周辺の草刈りなどで餌場や隠れ場を減らします。
3 被害防除
農地の周りに柵を設置し、侵入を防ぎます。
4 個体数調整
環境整備や被害防除をしても被害が発生する場合は捕獲し、生息頭数を管理します。
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4つの項目があるんですね! |
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STEP2対策を知る |
被害防止に向けた取り組みが進んでいます! |
人材育成
狩猟をもっと身近に
県内の狩猟者は高齢化が進み、若手狩猟者の確保が課題です。
県では、狩猟を身近に感じてもらうため、奈良女子大学ハンティングサークルなどと協力して狩猟イベントを開催し、若手狩猟者の確保などに取り組んでいます。
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奈良女子大学
ハンティングサークル
代表 福井 彩季(ふくい あき)さん |
平成28年4月から活動を開始したハンティングサークルで、現在は8人で活動しています。野迫川村でベテランハンターから狩猟について学ぶ機会もあり、活動をきっかけに、狩猟免許を取得した学生もいます。また、ジビエ料理にも取り組んでいます。
今後も狩猟などについて興味を持ってもらえるように活動を広げていきたいです。 |
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被害防除
侵入防止柵で被害軽減
五條市 古田1団地
野生獣侵入防止柵管理組合
代表 森本 裕樹(もりもと ひろき)さん |
イノシシやニホンジカによる柿の被害は、この10年で特に増えており、柿の2割が出荷できない所もありました。
そこで、県南部農林振興事務所の協力を得て、侵入防止柵を3年かけて農地の周囲4kmに設置しました。柵の効果を継続させるため点検・修理を約30人で行っています。
さらに、ICTを活用した捕獲檻なども導入し、被害軽減を図っていきます。
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個体数調整からの利活用
命を無駄なく、いただく
ジビエール五條は、五條市が運営する食肉処理加工施設です。
以前は、捕獲されたイノシシやニホンジカを焼却処分していましたが、食肉処理加工を行い、命を無駄にすることなく「ジビエ」として道の駅などで販売しています。
さらに、市内の幼稚園や小学校の給食にジビエを提供し、食育にも取り組んでいます。
県内でジビエール五條のジビエを購入するには...。
店舗
● 道の駅「かつらぎ」(葛城市)
● 道の駅「吉野路大塔」(五條市)
● ふれあい交流館・夢之湯(五條市)
● 大塔郷土館(五條市) など
通信販売
● 奈良テレビ放送「奈良ええもんストア」
● 道の駅吉野路大塔オンラインショップ など |
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STEP3利活用を知る |
ならジビエを食べよう! |
ジビエとは? |
ジビエとはフランス語で、狩猟によって捕獲された野生鳥獣やその肉を意味します。
その中でも、イノシシ肉は脂が甘くしっかりした肉質で、ニホンジカ肉は高タンパクで低カロリーな赤身が特徴です。
出典 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」文部科学省(100gあたり) |
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ならジビエ ~奈良の豊かな自然の恵み~ |
県内で捕獲され、食品衛生法等の法令を遵守した施設で食用に処理されたイノシシおよびニホンジカの肉を「ならジビエ」と名付け、消費拡大に取り組んでいます。
また、「ならジビエ」を取り扱う飲食店等を「おいしいならジビエ提供店」として現在25店舗を登録しています。
ぜひ、提供店を訪れ、おいしい「ならジビエ料理」を味わってください。 |
「ならジビエ」シンボルマーク |
「おいしいならジビエ提供店」では、「ならジビエ」シンボルマークが使用されています。 |
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ならジビエ料理フェアを開催 |
開催期間中、フェア参加の「おいしいならジビエ提供店」で「ならジビエ料理」を食べ、応募すると、抽選で食事券等をプレゼント!
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詳しくは
http://www.pref.nara.jp/51737.htm
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問 |
県農業水産振興課(鳥獣被害)
電話 0742-27-7480
県マーケティング課(ならジビエ)
電話 0742-27-7401 |
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