意見書第6号
森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の延長を求める意見書
森林は、国土の保全、水源のかん養、生物多様性の保全、レクリエーション、林産物の供給等の機能の発揮を通じて国民全体に恩恵をもたらしており、これら森林の多面的な機能の持続的な発揮を図ることは極めて重要である。
特に、森林は二酸化炭素の吸収源としても重要な役割を果たしており、京都議定書の第一約束期間(平成20年~平成24年)における森林吸収量の目標達成に向け、平成20年に「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」が制定され、平成25年には令和2年度まで延長されたところである。
その間、同法に基づく支援措置の一つである「美しい森林づくり基盤整備交付金」を活用し、間伐等の森林整備に積極的に取り組むことにより、一定の成果を上げてきたところである。
しかしながら、長期にわたる木材価格の低迷による経営意欲の低下や農山村の過疎化・高齢化等により、依然として手入れの必要な森林が多く存在しており、加えて、近年は台風などの大雨による山地災害も頻発している状況であることから、住民の安全・安心のためにも、今後もより一層の森林整備を推進していくことが重要である。
また、同交付金については、集約化が困難な小規模な森林や高齢級の森林の間伐等に活用できる支援措置でもあり、林業の振興及び木材利用の推進に大きく寄与しており、地域の活性化にも大いに貢献しているところである。
よって、国におかれては、引き続き森林整備の充実・強化、そして、山村地域の振興を図るため、「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」と同法に基づく支援措置「美しい森林づくり基盤整備交付金」を延長されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年12月16日
奈 良 県 議 会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣
総務大臣
農林水産大臣
森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の延長を求める意見書